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「!」
パチリと開けた目に、
見慣れない天井の模様が映し出される。
………まだ夢の中?
一瞬そう思ったがすぐに違うことに気づいて、
シェリルは気怠さの残る体を横へと向ける。
…………ここは。
先ほどの夢の中で見た部屋とはまるで違う。
豪華なベットに立派なテーブルとソファ。
火のついていない燭台もここにはなく、
テーブルランプの明かりが、
シェリルの周りを小さく照らしている。
「…………わたし。」
体調を崩し、熱を出したことを思い出して
シェリルはここが城内の一室であることに気づく。
………そうだ。
今日はここに泊まっていけって、
母様やレンに言われてそのまま…………。
眠る前と違っていくらか熱も下がったのか、
気怠さは少し残るものの、体はだいぶラクになった。
………うわ、ベタベタ………。
汗でベタついた体に不快感を感じつつ、
シェリルは体を起こす。
本当は今すぐにでも湯に浸かり、この汗を流したいが、
外が真っ暗なことから考えれば
人を呼ぶのには気が引ける時間帯なのだろう。
ならばせめて着替えだけでも、と
のそのそとベットから起き上がり、床へと足をつけ、
そろそろと歩き出したシェリルは、
ふと窓のところで足を止めた。
………夢の中の女性も、窓から外を見つめてた。
静かに涙を流し、
自分の願いを口にしていた彼女の手には、
固く、重そうな鎖が繋がれていた。
きっとあの人は、言い伝えに出てくる女性だ。
彼女のことなどなにも知らないのに、
自分の血がそう思わせるのか、
シェリルは間違いないと確信していた。
………あんな暗い、寂しい部屋で彼女はひとり、
鎖に繋がれて生活していたのだろうか?
………彼女には、愛する人がいたのに。
その人と、ずっと一緒にいようと約束していたのに。
窓から見える輝く月に、
シェリルはいつのまにか彼女に同調してしまったのか、
そっと手を伸ばそうとした時だった。
「……………シェリル?」
「!」
いつ部屋に入ってきたのか、振り返ってみるとそこには、
心配そうにこちらを見るリアムがいた。




