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その後、自分の発言によって
なんとも言えない空気になってしまったその場を
シェリルは早々に離れることにした。
すごく間違った方向に勘違いされてしまった話は、
思わぬ収穫を得たとリアムを喜ばせ、
シェリルに謝り倒すご令嬢たちを
寛大な心で許すといった結果を残した。
………そしてシェリルは今は、
体調の悪い自分を気遣って一緒に部屋へと戻ったリアムに
「………も、やっ、はなし、てっ………!
わたし体調が………っ、んんっ!」
………キスの雨を降らされているところだった。
「………シェリルが悪いんだよ?
あんなこと、人前で言ったりするから。」
「あれ、は………
みんながおかしな方にかんちが………んっ!!」
キスのせいなのか、体調不良のせいなのか、
息切れとめまいでクラクラしているシェリルに、
リアムは何度もキスをする。
しかも時折、
シェリルが息を呑むほどの深いキスまでしてくるせいか、
もはや意識が飛んでしまうのではないかと思った頃、
ようやくシェリルは解放された。
「………ちゃんと
"満足"させてあげられるように頑張るから。」
「………へっ?」
「シェリルは甘やかされる方が好きだし
そっち路線で攻めて…………。」
「………変なこと、考えないで………。」
おかしな発言をする彼を嗜めつつ、
うまく力が入らない手で
彼の上着にギュッとしがみつく。
………コレわたし、熱があるかもしれない?
なんか体がダルい………動きたくない。
「………シェリル?」
「………リアム様。
………ベットに連れてって………。」
「!」
そのお願いは、リアムの理性を簡単に失わせた。
襲いかかるようにしてシェリルの首元に顔を近づけると
そのまま噛み付く勢いで唇を当てたリアムは、
その時ようやく、シェリルの体の熱さに気づく。
「………なんか熱くない?シェリル。」
「だから………体調不良だって言ってる、のに。」
ぐったりとするシェリルの額に触れたリアムが、
急いでベットまで運んだのは言うまでもなく。
あっという間に医者とメイドが呼ばれ、
風邪だとしたらうつるといけないということで
リアムは部屋の外へと追い出され、
代わりに呼ばれたのは披露宴に出席していた
ファルツォーネ一家だった。
「あなた、いつから調子が悪かったの?」
「………朝は、平気だったんだけど。」
「咳はないみたいだし風邪ではないそうだが、
疲労からくる発熱じゃないかって。
………なにか心労でもあったのかい、シェリル。」
「んー………。」
心配そうに自分を見つめる両親に、
シェリルは力なく生返事をする。
………きっと、あのステンドグラスの幻覚のせいだ。
そう思いながらも、両親に説明する元気はない。
「熱が下がるまでは城にいろって殿下が。」
「………え、やだ………帰りたい。」
弟のレンにそう言われ、シェリルは駄々をこねる。
思っていたよりも熱が高いせいか、
発言が子供っぽくなってしまうのは仕方がない。
「こんな状態で屋敷まで移動するのは無理でしょう?
お言葉に甘えてこちらで介抱してもらいなさい。」
「…………。帰る。帰りたい………。」
帰りたいを連呼し続けていたシェリルだったが、
熱からくるダルさには勝てず、
気づけば静かな寝息をたてて眠りについている。
そんな彼女の姿を確認し、
ファルツォーネ家の面々は静かに部屋を出た。




