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リアムのそばを離れ、
会場を見渡せる一番奥の席で座っていたシェリルは、
時折声をかけてくる人達に挨拶をしながら、
ひとり、いろんなことを考えていた。
リアムに声をかけ、お近づきになろうとする女性達。
それが気に食わなくて露骨に避けてしまう自分。
リアムは自分に、俺のモノになってと懇願してくるが、
彼だっていつまでたっても自分だけの人にはならない。
………この先もずっとこんなふうに、
美人で色気のある大人の女性達と
リアムを巡って戦い続けなければいけないのかと思うと
シェリルは頭が痛くなってくる。
自分はきっとこの先も、童顔で色気なんて出てこない。
まぁ"可愛らしい"方ですこと。と、
ナイスバディの美女たちに見下され続けるだろう。
「………はぁ。」
下を向き、
何度目かわからないため息をついたシェリルの耳に、
近くにいた女性達の声が聞こえてくる。
「………リアム様のお相手の方、ご覧になりました?」
「可愛らしい方でしたわね。
………でも、意外でしたわ。
リアム様はもっと……
大人っぽい方がお好きなのかと思ってたから。」
「今までそばにいらっしゃった方は皆さん、
背が高くて色気たっぷりな方が多かったですものね。」
「お相手の方は真逆でしたわね。
少し幼い感じの……
色気というより"あどけなさ"が残る子供のような?」
クスクスと笑いながらシェリルのことを話す女性達は
どうやらこんな近距離に本人がいるとは
思っていないらしく、話をずっと続けている。
そばに控えていた護衛の者が、
なかなか顔を上げないシェリルを心配したのか
声をかけようと近づくが、それを手だけ上げて制する。
「でもあのような方がお相手で、
リアム様は"ご満足"なさるのかしら?」
「それは大丈夫なのでは?
………だって今度は愛人の座に収まろうと
皆さん頑張ってらっしゃるんでしょう?
きっとあんな子供のような婚約者が相手なら、
自分に勝ち目があると思ってらっしゃる方が
大勢いるんじゃないかしら。」
さすがに限界だ。
そう思ってシェリルは勢いよく顔をあげた。
その姿に話をしていた女性達も驚き、
顔を上げたシェリルの方をチラリと見ると
みるみる顔を青ざめさせていく。
「………貴重なお話、ありがとうございました。」
顔を青くして、
口をパクパクさせている女性達にお礼を伝えると、
シェリルは近くにいた護衛に
「気分が優れなくて………
どこか横になれる部屋に案内してもらえますか?」
そうお願いして、席から立ち上がる。
………もうここにはいたくない。
こんな話を聞かされた後に、リアム様に会いたくない。
「こちらです、シェリル様。」
心配そうに自分を見ながら声をかけてきた護衛に続き、
シェリルはその場から逃げるように歩き出した。




