47
シェリルがアイリーンに連れ出されている頃、
リアムは執務室でひと休憩しているところだった。
「…………アイリーン様と?」
「そのようです。
王太子殿下から王子妃教育の話をお聞きになられたあと、
ご一緒に部屋を出て行かれたそうです。」
「…………へぇ。」
「おそらく、
アイリーン様の客人に会いにいかれたのではないかと。」
そう説明するのは補佐官のジュードだ。
シェリルが王子妃教育のことで登城しているのは
もちろんリアムも知ってはいた。………が、
残念ながら仕事の先約が入っていたため、
リアムはその話の場にいることができなかったのだ。
「アイリーン様との所用が終わり次第、
こちらにも寄られるのではないですか?」
「…………来るとは思えないけど?」
"リアム様、お忙しいから。"
そう言って帰っていくシェリルを容易に想像できてしまい、
リアムは乾いた笑いを浮かべる。
「まぁお相手はアイリーン様の客人ですし、
危険なことなどは特にないかと。」
「…………………。」
つい先日タイミングよく、
アイリーンから紹介されたあの男………。
最初からアイリーンはシェリルに会わせるために
自分にも紹介したのだろうとリアムは推測する。
「シェリル様のことが気にかかるのはわかりますが、
まだ職務は終わっておりませんので………。」
「…………わかってるよ。」
そう言ってリアムは頭を仕事モードに切り替える。
………帰る前に会えるといいけど。そう思いながら。




