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その鎖、まぼろしです。  作者: クロネコ
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シェリルがアイリーンに連れ出されている頃、

リアムは執務室でひと休憩しているところだった。


「…………アイリーン様と?」

「そのようです。

 王太子殿下から王子妃教育の話をお聞きになられたあと、

 ご一緒に部屋を出て行かれたそうです。」

「…………へぇ。」

「おそらく、

 アイリーン様の客人に会いにいかれたのではないかと。」


そう説明するのは補佐官のジュードだ。

シェリルが王子妃教育のことで登城しているのは

もちろんリアムも知ってはいた。………が、

残念ながら仕事の先約が入っていたため、

リアムはその話の場にいることができなかったのだ。


「アイリーン様との所用が終わり次第、

 こちらにも寄られるのではないですか?」

「…………来るとは思えないけど?」


"リアム様、お忙しいから。"


そう言って帰っていくシェリルを容易に想像できてしまい、

リアムは乾いた笑いを浮かべる。


「まぁお相手はアイリーン様の客人ですし、

 危険なことなどは特にないかと。」

「…………………。」


つい先日タイミングよく、

アイリーンから紹介されたあの男………。

最初からアイリーンはシェリルに会わせるために

自分にも紹介したのだろうとリアムは推測する。


「シェリル様のことが気にかかるのはわかりますが、

 まだ職務は終わっておりませんので………。」

「…………わかってるよ。」


そう言ってリアムは頭を仕事モードに切り替える。

………帰る前に会えるといいけど。そう思いながら。



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