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その鎖、まぼろしです。  作者: クロネコ
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「………パーティーですか。」


そう言ってシェリルの顔が少し歪むのを、

リアムは見逃さず、思わず苦笑いを浮かべる。

話があると言って王城にシェリルを呼び出したのは、

二人が正式な婚約関係を結んでから初めてのこと。

以前から決まっていた王城で開かれるパーティーに

自分の婚約者として出席して欲しいと話をする為だった。


「………それ、絶対出席しなきゃダメですか?」

「もちろん。

 今回だけじゃなく、これからずっとね。」

「………拒否権というものは。」


あると思う?とニッコリ笑って否定された。

ハァァァとわざとらしく大きなため息をついて、

シェリルは視線を下へと向ける。

………めんどくさい。そう、めんどくさい。

今わたしはめんどくさそうな態度をとっている。

リアム様の目にそう"見えるように"しなければ。


「たしかそのパーティー、

 隣国からも客人を招くんですよね?」

「………レンから聞いたの?」

「それもありますけど、父も招待されてて………

 隣国からも客人が来るって聞いたものですから。」


どうやらこの時期になると決まって、

隣国からの客人を招いたパーティーが開かれるらしい。

パーティーは夜の開催だが、

日中は外交間の話し合いや条約の見直し、

その他諸々の取り決めについての会議が開かれると、

つい先日父から聞いていたのだ。


………隣国からの客人、

これは使えるかもしれない。


自分もパーティーへ出席するように、

リアムから言われるであろうことは予想がついていた。

そしてそのパーティーには隣国からの客人も来る。

ならばその場で、

隣国の方とお近づきにならなければ………

そして利用するのだ、隣国への脱出計画のために。


「なにかプレゼントしてあげるよ?シェリル。」

「へっ?」


壮大な脱出計画を思い返していたシェリルに、

思いもよらない言葉が聞こえてくる。


「プ、プレゼントですか?」


それとパーティーとなんの関係が………?

シェリルは不思議そうな顔でリアムに聞き返す。  


「俺から贈られたものを身につけて出席すれば、

 どれだけ寵愛されてるか見せつけれるよ?」

「いえ、大丈夫です!お気持ちだけで十分です。」


そんなものいらない。

なぜわざわざそんなことをする必要があるのか。

そんなことをすれば他のご令嬢たちに…………


ハッ!とシェリルは思い立って、

先ほど断ったばかりのリアムからのプレゼントを

もらっておくべきだと瞬時に方向転換する。


「リ、リアム様!やっぱりください。」

「は?」

「リアム様からのプレゼント!欲しいです!」

「………そう、わかったよ。

 パーティーまでに準備しとくね?」


ありがとうございます、とお礼を言いながら

シェリルは心の中でもうひとつ、計画を立てる。

………リアム様からのプレゼントは、

別の計画に使わせてもらうことにしよう。


フフフ………と思わず笑みがこぼれた顔を

リアムが目を細めジッと見つめていたことに、

シェリルは気づいていなかった。




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