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「こんな小さい体に、
鎖をグルグルに巻きつけられて…………
この時代になってもひどいことしかしない男ですね。」
「な、なに言って…………!!」
体中を襲う脱力感のせいでうまく抵抗ができず
ぎゅうぎゅうと力を込めるゼインの腕の中で、
抗議の声をあげることしかできない状況に
シェリルは焦りを感じていた。
………こんなところを誰かに見られたら。
そしてそれがリアムの耳にでも入ったら………!!
「必死で抵抗してるのに、体に力が入らない?
それはあなたの体を縛りつける鎖が
解かれていく証拠ですよ?
…………僕が鎖を解くことが出来るって、
気づいてないとでも思ってたんですか?」
「!!」
「でもまぁ、まだすべての鎖を外してあげる力はないし、
あの男の力の方が勝っているみたいだから
完璧に鎖を外してあげることはできないけど………
薄くすることはできそうですね。」
「やめっ………!!」
そんなことをされれば、
自分の命と貞操が危機に晒さられる!!………と、
シェリルはリアムの顔を思い浮かべながら口を歪ませる。
だが全身に感じるシュルシュルと何かが薄れていく感覚に
どれだけ力を入れても逆らえない。
「自由になりたいんですよね?鎖からも、あの男からも。
それを実行できるのは、僕だけですよ?」
「い、嫌です!!そんなことしなくても………!!」
力が抜けていく体をゼインに支えられながら、
シェリルは恐怖と安堵感が混ざったような気持ちに
混乱してしまい、ギュッと目の前の男にしがみつく。
………こんなこと、したいわけじゃないのに。
自分がしがみつくのはこの人じゃないはずなのに。
どうすればいいのかわからず戸惑うシェリルの耳に、
「………あらぁ?
あなたを支えるのはその人じゃないでしょー?」
聞き慣れた声の主が自分たちに近づいてくるのを、
シェリルはバッと顔を上げ確認し、
「…………っ、ヴィー先生!!」
涙目になりながら彼に助けを求めた。
「まったく………
こんなところあのクソガキが見たら発狂モンよー?
…………悪いけど、
この子を守るように王弟から言われてるし、
私の可愛い生徒でもあるから返してもらうわね。」
そう言いながらヴィンセントは
ゼインの腕から奪い取るようにシェリルを引き離し、
自分の腕の中に隠すように閉じ込める。
ゼインも背が低い方ではないが、なにせ相手は大男。
相手にしても勝ち目が無いと悟ったのか
"面白くない"といった表情を浮かべ、
ただジッと黙ったままヴィンセントを睨みつける。
「さ、行きましょう?シェリルちゃん。
あのクソガキが戻るまで一緒にいてあげる。
あなたが登城してくるからって
厨房のシェフたちが張り切って準備してるから、
私と楽しくお茶会でもしない?」
まだ少し怯えるシェリルを安心させるように微笑むと、
ヴィンセントはゼインに背を向け歩き出す。
そんな彼にしがみつくように歩き出したシェリルが
チラリと振り返りゼインの表情を伺うと、
「!」
こちらを見つめ、ニタリと笑う彼がいた。




