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「お久しぶりですね、シェリル様。
………ああ、体調はよくなられたようですね?」
そう言って話しかけてきたゼインの顔には、
怪しげな笑みが薄らと浮かんでいる。
言葉では心配しているがその表情からするに、
自分が無事であることを"確信していた"かのようだ。
………この人、絶対なにか知ってる。
あのお茶と自分がどういう繋がりがあるのかを。
「………おかげさまで。
でも、アイリーン様には
大変なご迷惑をおかけしてしまって…………
あのお茶はアイリーン様やゼイン様の
故郷が産地なんですよね?
それもあって余計に責任を感じられたらしくて。」
チラリとゼインを見ながら答えれば、
彼も眉を少し下げ、そうなんです。と答える。
「故郷では昔から女性に人気なんですが、
どうやらシェリル様には合わなかったようですね?
………体質的に、受け付けないのかも?」
「!」
「あぁ、でも。
あなたはアレルギーなどは無いそうですね?
アイリーンから聞きました。
あのお茶を飲んだ日は、体調に変わりは?」
「…………ありませんでしたけど。」
「そうですか。
……ではやはりあのお茶と相性が悪いんでしょうね。」
「…………どういう意味ですか、それ。」
「やはりあなたは"彼女"なんですね…………。
あのお茶はもう飲まない方がいいですよ?
毒やアレルギーじゃなくとも、
出血多量で死ぬかもしれませんから。」
真顔でゼインにそう言われ、
シェリルは無意識に体をブルッと震わせる。
…………怖い?
この人の表情が?言ったことが?
冗談を言ってるとは思えない彼の声色に、
なぜか捕らわれた彼女のことが頭に浮かぶ。
この怖さは、恐怖の感情は、彼女のもの?
………この人、彼女になにを………?
「そういえば、髪も切られたんですね?」
「!」
「お似合いですよ?
あなたは童顔ですから、さらに幼さが増したというか。
…………そんなところまで同じなんですね。」
カツカツと靴音を響かせて近づいてくるゼインに、
シェリルは怯えながらも立ち向かうかのように睨みつける。
………自分のすぐそばにまで来た彼の手が、
一瞬の隙をついてアザが浮かび上がる腕を掴むまでは。
「いっ…………?!」
「こちらの腕、ですよね?アザがあるのは。」
「は、離し………っ。」
ギリギリと音を立てながら掴まれた腕に痛みを、
全身に脱力感をかんじながらシェリルは、
眉を上げ嬉しそうに微笑むゼインに抱きしめられる。
「………あの男があなたを鎖で縛りつける者なら、
僕はその鎖をほどく者、なんですよ?」
耳元で囁かれたその言葉は、ひどく甘いモノだった。




