閑話4
…………寂しい。だなんて感情を、
自分が持っているなんて思いもしなかった。
「……………………放置プレイ。」
ボソッとつぶやいた声は、誰にも聞かれていない。
…………あぁ、そういうこと?
焦らして焦らして、やっとご褒美にありつける、みたいな?
"猫"の飼い主は"下僕"だと、
そんな話を聞いたことがあるが、
あながち嘘ではないらしい。
……………へぇ、それなら。
下僕は下僕らしく、主人の手のひらの上で転がされろと?
懐かない猫を手懐けた時ほど、
面白いことはないと思うが…………
まぁ猫なんて飼ったことないし、
あの子は猫じゃなくて人間なんだけど。
…………焦らされるのも、我慢するのも、
そろそろ限界に近いものがある。
どっちが"ご主人様"なのか、
ハッキリわからせないといけない時か………?
「…………飴と鞭。」
飴ばかりあげすぎてもよくない。
かといって鞭を振えばあの子は、逃げ出すだろうか。
甘やかすとは決めているが、
自分の元から易々と逃げられると勘違いされても困る。
…………アザ、増やすか。
「………………ふ。」
そのことを想像して、リアムはニヤリと笑う。
たまたまこちらを見た部下と視線が合うが、
ギョッとした目で自分を見た彼を冷たい目で睨み返す。
…………今度はどこにつけようか。
放置プレイやら焦らしプレイやら、
散々こっちをイラつかせてくれたのだから、
それなりの褒美をもらわないと割にあわない。
(痛いのは嫌だって言ってたけど、
……………まぁ、仕方ない。)
その時を想像して、
リアムは口元を三日月のように細く緩ませると、
手元の書類へと視線を移したのだった。




