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騒ぎはすぐにリアムの耳にも入り、
急いで駆けつけた部屋で目に飛び込んできたのは
「……………シェリル?」
顔を青ざめさせ、
ぐったりとした様子で眠るシェリルの姿だった。
「多量の鼻からの出血だったと思われます。
それが喉に下がってしまい、
呼吸が苦しくなり意識を失われたかと。」
「…………原因は?」
「今調べているところですが、
同じ物を飲まれた前王妃とアイリーン様には
なんの症状も出ていません。
シェリル様が使われていたカップに
なんらかの細工があったのかもしれません。」
侍医と護衛からの報告を聞きながら、
リアムはベッドの横に置いてある椅子に腰掛ける。
青ざめているというより、
血の気を失って白く見えるシェリルの頬に手を当てれば、
その冷たさに自分も血の気を失いそうになる。
「侍女の話ですと、
本日のシェリル様の体調におかしなところはなく
アレルギーなどの報告もないことから、
飲まれたお茶に何らかの混入物があったのではないかと。」
「…………………容体は?」
「かなりの出血量でしたが、
輸血を要するまでには達しておりません。
ただかなりの量の血が喉に流れたせいで
気管支を痛められている可能性があります。
意識を取り戻されてから詳しい症状をお伺いできればと。」
「…………わかった。下がっていい。」
そう言って部屋から侍医たちを退出させると、
リアムは苦悶の表情を浮かべ、シェリルを見つめる。
「…………っ、………かはっ。」
「!
…………シェリル?」
目は覚さないものの喉に違和感を感じるのか
無意識に咳き込むシェリルの頬を、
リアムは撫で続けることしかできない。
………どうして。なんで。
今朝会った時はいつもの彼女だったのに。
夕食は一緒にしようと約束して、
わかりましたと笑顔で頷いてくれたのに。
………どうして今、
いつもより冷たい体温で、顔を青くして、
呼びかけても眠ったまま自分を見てくれないのか。
頬を撫でていた手を離し、
やはりいつもより冷たい彼女の手を握ったリアムは
「……………早く目覚まして?
…………俺の名前呼んで、シェリル。」
自分の頬に握りしめたシェリルの手をあてながら、
今にも泣き出しそうな小さな声でつぶやいた。




