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その鎖、まぼろしです。  作者: クロネコ
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「さすがにコレは拒否しないよね?シェリルちゃん?」

「………………………。」


リアムとの入浴を無事に回避して、

一人ゆっくり湯船に浸かって出てきたシェリルの目に、

両手を広げておいで?のポーズをしているリアムが映る。


「…………まぁ、そうだろうとは思ってました。」

「一緒に寝るのも嫌だって拒否されたら、

 問答無用で素っ裸にして……………。」

「寝ましょう、早く。」


シェリルはいそいそと

リアムが両手を広げて待つベットへと向かう。

………あれ、でも待って。

一緒に寝るのも危ないんじゃないかな。

そう気づいた時にはすでに遅し。

リアムに腕をグッと掴まれてベットへと引き摺り込まれる。


「………飛んで火に入る夏の虫、的な?」

「………何てこと言うんですか、あなた。」


リアムの腕にすっぽりと抱き込まれて、

シェリルは少しの危険を感じながらも

彼の胸元へとそっと頭を預ける。

………伝えなきゃ、リアム様に。


「…………リアム様。

 わたし、たくさん聞いて欲しいことがあるんです。」

「………………………。」

「………バルド様とアイリーン様の結婚式の日、

 幻覚みたいな、不思議な光景が見えて。

 ………それはたぶん、

 言い伝えの女性の記憶だったんだと思います。」


ポツリポツリと、

シェリルは今まであったことをリアムに話す。

結婚式が始まる前に見えた光景、

夜の聖堂でゼインに言われたこと、

熱を出した夜に見た不思議な夢のこと、

うまく伝えられたかどうかはわからないが、

リアムはただ黙って、何も言わず聞いてくれた。


「………わたしが

 そばにいたいと思うのはリアム様だけど、

 彼女はきっと、

 自分が愛した人のそばに行きたくて。

 きっと………それが…………。」

「あのゼインって男?」

「!」

「俺とシェリルが今この時代にいるように、

 あの男も囚われた女が本当に愛した男の立場として

 同じ時代に生まれてきた、ってことでしょ?」

「…………たぶん。」

「でもそうなると、

 シェリルが本当は好きなのは………あいつ?」

「そ、それは違う!

 ………た、ただ。ふとした時に、

 彼女の気持ちと勝手に同調しちゃうみたいで、

 リアム様といるのに、そうじゃなくて、

 あの人のところに行かないとって………。」


彼女がそう思わせているのだと、シェリルは感じていた。

あなたが………"わたし"が、

本当に望むのはこの人の隣ではないと。


「………それで?

 シェリルは俺を捨ててあの男のところに行くの?」

「!?

 い、行かないっ。わたしはっ………!」

「そうだよね?シェリルは俺のことが好きで、

 俺のそばにいたいんだもんね?」


体を起こし、シェリルを自分の下に組み敷くと、

リアムはニタリと笑いながら彼女の頬を撫でる。


「たとえあの男も俺と同じように

 "血"に導かれてシェリルを求めたとしても、

 シェリルはシェリルで、俺は俺だよ?

 ちゃんと自分の意思で相手を好きになった。」


違う?と、

頬を撫でていた手をスルスルと首筋に移動させながら、

リアムはシェリルに問いかける。

その行為にシェリルはくすぐったさを感じて身を捩るが、

リアムは彼女の目をジッと見つめたまま、

さらに下へと手を這わせていく。


「リ、リア………っ。」

「それに今更………手放せるわけないのに。」

「?!」


シェリルの体を這っていたリアムの手が、

ネグリジェを乱暴にまくしあげ、太腿をあらわにさせる。

その行動に驚いて、シェリルは小さく悲鳴をあげた。


「やっ………やめっ。」

「ほんと………

 シェリルの肌はどこもかしこもスベスベで真っ白……。

 ………触れるのは、俺だけでいい。」


あらわになった太腿も撫でながら、

シェリルの首筋に唇を這わせるリアムの表情は、

今まで見たこともない程の妖艶さを漂わせている。

その表情に一瞬、シェリルは見惚れてしまうが、

ハッと我に帰り抵抗を始める。


「ま、待って、リアム様!

 わたしっ、まだっ………!!」


「んー?………怖い?

 それとも、"愛してる"って言ってないって?」

「!」

「それは大丈夫だよ、シェリル。

 ………今から何度でも、狂いながら言ってもらうから。」


首筋を這っていた唇が

かぷりと音を立てて噛み付いてきた瞬間、

シェリルの口から聞いたこともない甘い声が漏れる。


「んぁっ………!」

「…………首だけじゃなくて、

 いろんなところに痕をつけとかなきゃね。

 シェリルはすぐ触らせちゃうから………。」

「………っ。

 もうっ!さ、触らせないからっ、やめてっ。」

「…………….あぁ、じゃあいいよ?

 体中に痕をつけさせてくれるなら、

 今日は最後までするのは我慢してあげる。

 ………どうする?シェリル。それでいい?

 それとも………今日この場で俺のものになる?」

「………ど、どっちもヤ………。」

「それはダメ。

 せっかくの"婚前旅行"なのに、

 何もしなかったなんてありえないでしょ?

 ………さぁ、どうする?俺は両方でもいいけど。」


色気を含んだ、怪しげな光を宿す漆黒の瞳に捕らえられ、

シェリルは逆らえないことを悟る。

…………いじわるだ、リアム様は。


「…………ぁ、痕………。」

「なに?聞こえない。」

「っ、痕!!痕つけるほうっ………!」

「……………いいよ、わかった。」


口元を楽しそうに歪めて、

リアムは再び首筋に舌を這わせる。

そうして夜半まで、

シェリルはリアムに遊ばれることになったのだった。



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