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竜の薬師  作者: もんた
第3章 学園編-中編
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第16節『特別ゲスト』

どうも、もんたです。


おまたせしました。

それでは、どうぞ。


「――フリオニール領領主、フリオニール・シャンドラ侯爵様とそのご家族様がご到着となります!皆様正面扉にご注目くださいませ!!」








 軽く空いた扉の隙間から近衛騎士の野太い声が会場内に響く。

 ざわざわしていた会場もBGMも止まり、一瞬でシンと静まり返ってみんなこちらに注目してる。

 シャンドラさんたちは慣れた様子で堂々と歩いてるけど、初めての経験過ぎて僕はドキドキだ。





「ほら、マルク。行きましょう?」

「っと。かしこまりました、ソラリア様。」

「ふふ。ちゃんとしてるじゃない。」




 シャンドラさんの真似をしてソラリアさんをエスコートしてついていく。

 長いようで短い距離はあっという間に終わり、テーブルに到着。

 本当は立ったまま挨拶をするんだけど、身重なマリーさんは一足先にテーブルに座る。

 何かあった時のためにずっと使用人たちが控えてるらしいし大丈夫だろう。






「皆さん、ご歓談中失礼する。フリオニール領領主、フリオニール・シャンドラだ。いつものように爵位は割愛させていただくよ。今日は当家主催の慰労パーティーにご参列いただきありがとう。本年は――」





 シャンドラさんの簡潔な挨拶と乾杯の後、会場入りしていた参加者各々が挨拶にきたけど、思っていた以上に大変だった。

 僕は従者の立場なので基本的に話すことはなかったけど、数人の貴族には声をかけられた時は失礼なことをしていないか緊張しっぱなしだった。

 シャンドラさんもソラリアさんも何も言ってなかったし、きっと大丈夫だったと思う。

 …何かあれば後でセバスさんにトコトン怒られるんだろうけど。

 後半になって商人や職人といった貴族以外の人たちの挨拶になると流石に慣れて楽になった。



 挨拶もあらかた終わり、ゆっくり歓談の時間となった。

 そうはいってもシャンドラさんについてソラリアさんは挨拶や顔つなぎしないといけないし、従者である僕は当然それについていくのでご飯はお預けだ。

 今日はいつも以上に気合を入れてると料理長が言ってたから食べたかったんだけどなぁ。

 他の人にも増して自慢話の止まらないとある貴族家の話にいい加減シャンドラさん含め僕たちが疲れた様子を見せたところにタイミングよくセバスさんが割り込んできた。





「お話し中、申し訳ございません。旦那様、ジーマンスキ子爵様。」

「ん?ジーマンスキ殿、話の途中で済まない。また今度続きを聞かせてくれるかい。」

「おおっ!どうやらお忙しいご様子。私のような者がここでお時間とるわけにいきませんな。また改めてということで。」





「ナイスだ、セバス。」

「お疲れのご様子でしたので。」

「彼はどうしてもそういう話が止まらないのが玉に瑕だ。領地の監督は上手くいっているんだけどね。さて、シークレットゲストにご登場いただこうか。――諸君!しばし傾聴いただけるだろうか!」






 シャンドラさんの優しくも鋭い声がホールに響くと一瞬にして静かになる。

 聞こえるのは使用人が歩き回る音とゆったりとしたBGMだけだ。






「…ご協力感謝する。そろそろお開き、とも思ったが、本日は幸運にも大変珍しいお客様が当家にお見えになられた。そこでこの幸運を貴君らにもおすそ分けしたいと思う。――セバス!」

「承知いたしました。それではお客様がお入りになられます。皆様正面扉にご注目ください。」






「その必要はないぞ。もう入った。かっかっか!」






 皆が注目していた扉と反対側。

 ホール一番奥の主催家用のテーブルがあり、誰も居ないはずの場所から聞きなれたいたずらじいちゃんの声が聞こえた。

 振りむけば杖を軽く振り魔法陣をかき消すじいちゃんとめちゃくちゃ綺麗なドレスを身にまとった母さんがいた。






「何やってんのさ…じいちゃん…」

「やはり驚いとる顔は素が出て面白いのぉ。」

「はぁ…」

「しかし驚きすぎてシャンドラ様まで固まってらっしゃいますね。」

「む。それはいかんな。ほれシャン坊しっかりせんか!」



「っと。諸君、少々サプライズが過ぎたかもしれないが本日の特別ゲストはこの方々だ。【大賢者】ドラコニア様、【薬神】オルガ様の二名だ。」







――ザワッ!!






「賢者様に…薬神様!?本物か…?」

「ワシは賢者様なら以前王都でお見かけしたことがある!その時もあのコートを羽織ってらっしゃった!」

「それより初めてじゃないか?お名前が出たのは…」

「あぁ、それより一体どうしてこの場にいらっしゃったのかしら…」






 登場から一気にざわついた会場はシャンドラさんが2人の横に並んだことで徐々に落ち着いていった。





「お2人の身内にあたる人物がこの場にいることもあり、私から招待をさせていただいたところ快く参加の連絡を賜った。久しくこういった場に出られていないので礼儀作法に関しては目を瞑って欲しいとのことだったが、この場にいる諸君はそんな細かいことでとやかく言うまい。」





「おお…。つまりお2人とお話する機会があるというのか!?」

「何をアピールする?それに身内とは誰だ?」

「そうよ。あのお方たちの身内ということはそういうことよ?年齢はおいくつかしら。お若い男性ならうちの娘をご紹介したいわ。」

「恐らく女性ですわよ。オルガ様のお身内でしょうから。その時は当家の長男をご紹介させていただきますこと。」






 なんか変な話も聞こえてきた気がするけど…





「ねぇマルク?あれってあなたのことよね?」

「…そうですね。なんだか嫌な予感がしますけど。」

「…私もよ。お父様、人を驚かすの大好きだから。ほら、こっち見てるもの。」





 ソラリアは周りの人に聞こえないようにこそっと確認してきた。

 これ多分この流れで紹介されるんだろうな。

 ソラリアに言われて3人の方をみるととっても嬉しそうなシャンドラさんと目が合った。





お読みいただきありがとうございました。


また誤字報告いただいた方!この場を借りてお礼を…

ありがとうございます。。

完全に見落としていた箇所でした。読んでいただいたことにも重ねて感謝を。



コロナウイルスが猛威ふるってますね。

外出できませんし、家でのんびり小説読んでいましょう。



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