第14節『パーティーの準備②』
どうも、もんたです。
おまたせしました。
それでは、どうぞ。
セバスさんと別れた後、ぼーっと歩いていたけど流石に自分の部屋への道を間違えるとかもなくたどり着いた。
どうやら予想よりも早めについたお客がいたみたいで屋敷の中がドタバタとしてる。
正直僕も使用人の側だからセバスさんの許可があるとはいえ、ソワソワして仕方ない。
部屋に入って軽く片づけをして、かあさんが来るならとお茶をいれる準備もした。
勿論ポットもカップも用意してるもんね。
「こちらがマルク様の部屋となります。」
「案内ありがとうございます。もし…メイリーンという女性が手すきであれば部屋に来るよう伝えてもらえませんか?許可はシャンドラ様より頂いているのですが。」
「かしこまりました。伝言承りましたので、まずはごゆっくりされてくださいませ。」
「お気遣いありがとう。」
そのまま、ノックもせずに入ってきたのは声の通り母さんだった。
「いらっしゃい母さん。…ノックは?」
「久しぶり、というほどでもないわね。いいじゃない。声、聞こえたでしょう?」
にっこりと笑って当然のように座った母さんの前に自分で焼いたクッキーとお茶を出す。
「気が利くわね。ありがとう。」
「前これで失敗したからね…。どうぞ。」
「失敗?」
「ううん、なんでもないよ。」
「あら、そう。」
「いただきま~す。」
「あら?」
「…デフィー、なんで?」
「クッキーが美味しそうで。っく…もぐもぐ。美味しいわ。」
「…それは良かったよ。」
満足げにクッキーを頬張るデフィーに苦笑いを浮かべつつも喉が渇いたと言われる前にお茶を差し出す。
どうやら母さんもクッキーを持ってきていたらしくテーブルに出してくれた。
デフィーは右手に僕のクッキー、左手で母さんのクッキーを持ち、器用に魔法を使って紅茶を浮かし飲むという荒業をこなしてる。
クッキーに限らず甘いものに関しては絶対に自制心が効いてないんだよな。
母さんははなから注意する気もなく面白そうにデフィーを見ながらお茶を楽しんでいる。
近況をぽろぽろと話しているとメイドさんが衣装を持ってやってきた。
着替えも手伝ってくれるとの話だったけど、代わりに母さんが手伝うことに。
ちなみにメイドさんの近づく気配を察してクッキーを入れた籠ごとデフィーはネックレスに戻った。
…食いしん坊め。
(美味しいわよ。もぐもぐ…)
軽く体を拭いた後、特に感想もなく持ってきてもらった衣装に着替える。
似合うといいんだけど。
母さんが持参した香油を髪や首筋に軽く塗られ…
なんか懐かしい匂いだなと思っていたらどうやら森で取れたハーブや花のエキスを抽出して母さんが調合したものらしい。
薬師として調合の技術を磨けばそういったものもなんとなくわかってくるらしいけど、残念ながら全く興味がわかない。
流石に長生きな母さんは着方も着付け方もわかっているようで言われるがままに作業は進んでいく。
あっという間に不慣れかつかっちりとした服に包まれた青年が完成した。
深めな紺色が下地に使われていて、変に明るい色じゃないので安心してる。
メインのシャンドラさんたちより目立つわけにはいかないし、間違ってもそんなことにはならないだろうけど。
襟や裾の部分には橙色で細いラインの縁取りがしてあって、そこから植物の蔓のようなデザインが金糸で刺しゅうしてある。
服の良し悪しとかがイマイチわからなくても、どれも丁寧に細工してあって高そうなのはわかる。
それにしてもこのデザインどこかで見たことある気がするんだけど…
「似合う、かなぁ?それにこんな高そうな服。」
「似合ってるわよ。髪色も映えるしね。それに値段は気にしなくていいわ。私が出したんだもの。」
「え!?」
「マルクが街に戻った後、シャンドラ様からパーティーの連絡があってね。衣装を用意するって言われたのだけど、流石に申し訳ないから私が出しますって言ったのよ。お金はたくさんあるし。その代わりマルクに似合って、それでいて綺麗なものにしてくださいねって色々注文付けたわ。思った通りの出来で私は満足。」
「えぇ…。」
「ふふふ。小屋の時は動きやすさ優先だからあまりマルクの好みではないのかもしれないけれど、これからも大切なことよ?」
「まぁでもそういうことなら嬉しいかな?ありがとう母さん。」
「どういたしまして。着飾ったマルクもかっこよくて素敵よ。」
僕の周りをくるくると回って変なところが無いか確認する母さんの顔は言葉通り終始満足そうだ。
「そういえば母さんは着替えたりしなくていいの?」
「勿論後で着替えるわ。私とかはどうやらシークレットゲスト扱いみたいだから会場に入るのは少し後なの。衣装も昔のものだからサイズ直しがいるかしら…。全体の流れとかは聞いてる?」
「なんにも知らない。僕もこうやって参加するって今日聞いたんだもん。」
「…そういうの好きよねあの方は。今回のパーティーがどうかは知らないけど、一般的な貴族のパーティーの話をしておくわ。まずは来客が会場にみんな入るの。いろんな人と話しながら楽しむ、というのが暗黙のルールだから基本的には立食式。壁際には使用人とか護衛の騎士なんかが張り付いてるわね。椅子も置いてあるから疲れたらそこに座りなさい。といっても今回はマルクに座る暇はないかもしれないけど。」
「どうして?」
「今日はシャンドラ様主催のパーティーよ?貴方はゲストとはいえ主催側なんだから声をかけられたり声をかけたりと忙しくて休む暇なんかないわ。…嫌そうな顔しないの。それで少し皆がお腹にものを入れて盛り上がりだしたくらいで主賓が会場に入るの。多分マルクはここね。会場の皆から個別で挨拶があったりするから大変だけど頑張ってね。そのあとに特別ゲストがあればでたりするかしら?そのあとは楽しんではいおしまい。」
「それだと特別ゲストの人はあんまりパーティー楽しめないんじゃない?」
「そういう時もあるけど、本来の目的はご飯とお酒じゃなくてお互いの顔合わせとかお披露目だからね。中にはたくさんの人と話すためにご飯は食べてくるって人もいるし。特に商人なんかはそんな感じね。」
「なんか疲れそう。」
「貴族の付き合いなんてそんなものよ。」
――コンコン
「はい。」
「オ、オルガ様、マルク様。お時間となりました。準備のほどはいかがでしょうか。」
「母さん大丈夫?」
「ええ。行きましょう?」
お読みいただきありがとうございます。
最近、APEXにハマってます。
今更感あったりするでしょうか…
なおまだまだ初心者のへっぽこです。
きちんと更新は続けてまいります。
もうすぐ100更新…これからもよろしくお願いいたします!!




