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竜の薬師  作者: もんた
第3章 学園編-中編
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第7節『クランドの店』

どうも、もんたです。

あけましておめでとうございます。


…投稿と挨拶が遅れて申し訳ありません。

理由はあとがきにいきましょう。

早く読みたいでしょう?(何様)


それでは、どうぞ。




 半年ぶりの小屋で過ごした1週間のお休みもあっという間に終わり、トーカの街へ帰ってきた。

 とはいっても、あと二週間も通えば年越しの祝日に合わせて学園の長期休みがあるからまた帰ることはできると思う。

 その時にはソラリアさんを連れていければいいな。

 今回も結局シャンドラさんとマリアンヌさんから引き止められてついてくることはできなかった。

 代わりにアイナや街に残っている女子生徒たちとのんびり過ごしたとは思う。

 結局学園からアイナと一緒に帰ったあと、ソラリアさんと顔を合わせることがなかったので、どんな風に休んでたかが分かんないんだよなぁ。



 中央の噴水広場にお昼前に無事到着して、冒険者ギルドと薬師ギルドで依頼を達成する。

 本当は薬草を納品した後そのまま調合したかったけど、このあとクランドさんのお店にいかないと行けないので断った。

 お昼ご飯を食べようとして冒険者や職人さんたちで賑わっている南の大通りから一本入ると食材を扱うお店が立ち並んでる。

 その一角にある肉屋がクランドさんがやっているお店。

 夕方が近くなると晩御飯の食材を買いにお母さんたちが一杯いるけどまだお昼だしそんなに人はいない。

 エプロンをかけた人たちがたまに走ってるのは近くでやってる食堂の買い出しかな?

 この通りにあるお店に個別の名前はほとんどなくって、店主さんの名前で呼ばれてる。

 クランドさんのお店も名前はないし、看板もないけど、クランドの肉屋で通ってるらしい。


 クランドさんのお店に着くと、開けっ放しの入り口の扉からお肉の焼けるいい匂いが広がってた。

 そっと中に入ると若い男の人が火鉢でお肉を焼きながら座っている。





「こんにちは~。」

「へい、いらっしゃい!…おや、おつかいかな?今日はボアの肉がたくさん入ってて安いよ!」

「あ、いえ、クランドさんに用があって…」


「店長に?」

「はい。腰を痛めたって聞いたので、薬を持ってきたんです。これ、薬師ギルドのギルドカードです。」

「ふぅん?…っで!?こんなランク高いの!?まだガキンチョじゃん!」


「あはは…。それで、この薬を渡してほしいんですけど…」


「ん~、だったら直接渡しちゃいなよ。そこの階段上がって突き当りの部屋が店長の部屋だからさ。」

「え?勝手に入っていいんですか?」

「別に気にしないさ。ああ、売り物には触らないでね。」

「あ、はい。」

「んじゃ。丁度お客さん来たし。いらっしゃい!何をお求めで?」





 そう言ってお兄さんはギルドカードと薬を僕につき返すと新しくお店に入ってきた女の人の接客を始めた。

 面倒くさがっただけな気がするけど…


 ところどころ軋む階段を上がり、つきあたりの部屋をノックする。





「おん?ハムリじゃあねぇな。誰だ。」

「あ、あの、マルクです。以前屋台で串焼きを買った…」

「おお!あの時の坊主か!入れ入れ!」

「失礼します。」





 クランドさんの部屋は飾り気のないまさに男性の部屋って感じだった。

 部屋の脇には小さめな机と本棚と箪笥があるだけ。

 箪笥の上に敷いてあるマットや花瓶はきっと奥さんが置いたものだろう。

 ベッドに寝ていたクランドさんは腰を擦りながら身体を起こした。





「あ、そのままで…」

「いんだよ。いてて…。あんだけ威勢のいいこと言っといて本人がこれだもんな。俺も年かね。」

「そんなことないと思いますけど、何があったんですか?」


「大したことねぇんだ。卸してきた魔物を解体してたんだがそいつが硬くてな。変に力入っちまってぎっくり腰だってよ。今はもう、ちっとばかし痛いってくらいで普通に動けるんだが、かあちゃんが五月蠅くってな。」

「そうだったんですね。」

「うちのかあちゃんはこえぇぞ?んで、今日はどうした?」

「あ、そうでした。これを渡しに来たんです。」


「これ、もしかして薬か?」

「はい。この前屋台にいた奥さんからクランドさんが腰を痛めたと伺ったので、森に行った時に腰痛に効く薬草を採ってきたんです。それをそのまま薬にしてきました。痛み止めにもなると思うので楽になるといいんですけど。」

「マジか。…ふむ。」





 興味深そうに薬を受け取ると、クランドさんは瓶の蓋をおもむろに開けた。

 くんくんとにおいを嗅ぐとそのまま一気に飲み干した。






「えっ!?」



「――っは~!飲みやすいなコレ!というかうめぇ!」

「えっ。えっ?」

「近所の薬師が作った薬は確かに効くが飲みにきぃんだよなぁ。草臭いというかなんというか。…なんでそんなびっくりしてんだ?」

「え?いや、だってすぐ飲んじゃうから…。大丈夫か心配にならないのかと…」


「そんなことか。…俺も一応は元冒険者だ。ほれ、そこの壁の双剣な。」





 クランドさんが飲み干した空き瓶で指した壁には綺麗に磨かれた一対の双剣が飾られていた。

 刃の部分は今でも手入れがされているのかキラキラと光を跳ね返しているけど、持ち手の革は使い込まれてところどころ擦り切れている。





「ちなみにかあちゃんは普通の街娘。まぁそれはどうでもいいか。とっくの昔に引退して今はしがない街の肉屋の店主だが、人を見る目と物を見る目は衰えちゃいねぇ。商売も人を見極めないといけないしな。仮に俺がお前さんを見誤って毒を飲んだとしてもそりゃ俺のせいってもんさ。」


「えぇ…」



「現にこれは毒じゃなく立派な薬だった。しかも飲んですぐに痛みが和らぐくらいだ。特別な薬かなんかか?」

「あ、えっと、そうですね。通常の回復薬を元にして痛み止めに使われるデンテ草とかを調合しています。普通の痛み止めの薬はお水から作っているので、回復薬の分僕の薬の方が効くのは早いかなと思います。あとは飲みやすいように何種類かのハーブを混ぜてるんです。」

「なるほどな…。俺は調合なんてこれっぽちも知識がねぇから細かいことが分からんが、回復薬を使ってるならすぐ効き目が出てくるのもうなずける。あれ魔法みたいだもんな。それに、この薬は何より飲みやすい。」

「そ、それはよかったです。」




 クランドさんは器用に回していた空き瓶を脇に置くと、僕の方をじっと見つめた。






「良い薬だ。」

「え?」


お読みいただきありがとうございます。


遅れてしまった理由ですが…

予約投稿をしたつもりでいて、実はしてなかった、というオチです。

年末年始実家に帰っていてPCを持って行かなかったので、

帰省前に予約投稿しておけばいいか。と余裕かましていたら気が抜けてましたね…


皆様は年末年始のんびり過ごされましたか?

仕事・学校も始まり正月ボケ!なんて言ってられないと思います。

まだまだ寒い時期は続きますので、体調管理にはお気をつけて。

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