第26節『一安心』
どうも、もんたです。
最近予約投稿を覚えました。
それでは、どうぞ。
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「気をつけてな~!」
「そちらも~!」
結局串焼きを2本食べて満足した様子のダンさんはあっという間に寝てしまい、そのあとはドルノンドさん、チシャさん、テッドさん、アレオスさんと色々と話していた。
馬車はトーカの街を出て西へ進み、森の入り口で僕を下ろしてくれた。
≪ダドラの剣≫とアレオスさんはこのまま北の方へ向かい、テムという村を拠点に数日調査を行うらしい。
馬車はその後、いくつかの村を回った後、トーカの街へ戻ることになる。
アレオスさんたちの任務の内容は森の生態調査、とざっくり言っていたけど、要は植物や魔物の調査に合わせて魔物の間引きといったところらしい。
アレオスさんとしては危険度の低い場所を学園の生徒の演習場所にするための下見も含んでいると言ってた。
2年目の中頃くらいからは大森林やダンジョンでの実地研修というのが増えるらしい。
研修の前に冒険者で簡単に間引きをし、さらに当日は近衛兵か冒険者を雇って護衛としてつけてくれるらしい。
以前は学生と教員だけだったらしいけど、貴族のこどもも多いこともあって何かあったらマズいから、と理由で護衛をつけるようになったとか。
なかなか大変そうだなと思いながら話を聞いていた。
2時間くらいとはいえ、馬車でこりかたまった身体を軽くほぐして、大森林へ目を向ける。
「よしっ。早速行きますか。」
特に周辺に気を遣うこともなくサクサクと森の中へ入っていく。
まだ早い時間だし、周りに人の気配はしない。
昼近くの時間になると、近くに冒険者がいたりして時折獲物の取り合いが起きたりする。
基本的には先に発見、もしくは攻撃した方が優先というルールがあるので問題になることは少ないんだけど…
ふらふらと手ごろなものを採取していると、丁度良い水辺を見つけた。
改めて、周辺に人の気配がないことを確認して、デフィーをよびだす。
≪精霊召喚――ディフィニア≫
湖面に手を伸ばし、ゆっくりと魔力を練り上げる。
湖の中央から水の柱が立ち上がって、徐々に人の形をつくってゆく。
「…ふうっ!やっとね!」
「うん。おまたせ、デフィー。」
「いいわ。今日は何をするの?」
デフィーは顎に手を当てて首を傾げた。
「えっと、いくつか薬草採取できたらいいなって感じかな。今ギルドで受けてる依頼は手持ちにある分で足りてるし。ストック用に適当に取れればいい。」
「あのお肉屋さんの香草も?」
「あ、そうだね。そっちも採りたいな。」
「ふぅん。狩りは?」
「お昼ごはんをどうするかによるけど?」
頬を膨らませて、僕の服の裾を掴む。
「…一緒に食べる。」
「ふふふ。じゃあ久しぶりに小鳥かなにか仕留めて食べよっか。」
「…マルクがどうしてもって言うなら付き合ってあげる!」
「はいはい。さぁ、いこ。」
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デフィーと手分けしつつ薬草を集めて回った。
お互いに周囲の警戒が出来るから魔物がいないところを中心に採取していくのでとっても楽だった。
弓矢は置いてきてしまったので、≪アイシクルアロー≫でサクッと野鳥を仕留めてお昼ご飯に。
「これ美味しい!なんて鳥なの?」
「さぁ…。どこにでもいる野鳥じゃないかな。小屋の近くでもみたことあるし。」
「ふぅん。まぁ美味しいからいっか。お腹いっぱい!」
「それは良かった。僕もお腹いっぱいだよ。片付けて街へ帰ろうか。」
「一緒に帰れないのは残念だけど…仕方ないわね。ねぇ、マルク。」
「わかってるよ。また一緒にこよう。」
「ふふっ。もっちろん!」
デフィーをペンダントに戻し、土属性の魔法で作っていた鍋や食器を元に戻す。
火は…きちんと消えてる。
小さな火でも残ると山火事になって危ないからね。
馬車の目印になる木の杭が打ち込んである場所についてすぐに迎えの馬車がきた。
持っていた割符を見せるとやっぱり子ども一人なのが不思議なのか首をかしげながらのせてくれた。
いつものことだからもう気にしてない。
人によっては、1人で来ちゃだめだとか、割符を誰かから盗んだんじゃないか、とか言い出すので、いちいちカードを出すのが面倒なんだけど。
帰りの馬車はまだ日の高い時間ということもあり一人も乗っていなかった。
のんびりと揺られながら街へ戻る。
街に近づくと鐘の音が空に響いていた。
御者さんにお礼をいって別れ、クランドさんの肉屋へ向かう。
朝市をやっていた南通りは普段通りに戻っていて、買い物に来ている市民や冒険者でにぎわっている。
教えてもらった肉屋にいったものの、残念ながらクランドさんは留守だった。
店番をしていた店員さんに伝言を頼み、摘んできた香草渡して冒険者ギルドに向かう。
ざわざわと賑わう噴水広場を通り抜け角にあるギルドの扉をくぐる。
突然入ってきたこどもをみての反応はいつも…通り?
何人かの冒険者が僕の顔を見て、青く表情を変えている。
目が合ったかと思ったら目を逸らされる。
なにかしちゃったかな?
…あ、いや、してるのか。
例の事件だ。
僕がよくわからない魔法を使おうとして喧嘩してしまったこと。
それで怖がられているのかな…。
ごめんなさい、という気持ちともう悪いことしませんよ、という思いを込めつつ、そそくさと買い取り用の窓口に向かう。
がらんとしたカウンターで眠そうに係員さんがあくびをしていた。
まだ他の冒険者はでかけたばっかりだしね。
この時間に来るのは何日もかけて出かけてたパーティーか護衛依頼のおまけで狩った、とかくらいだ。
「あの、買取と依頼達成のをお願いしたいんですけど。」
「ふぁぁ…。し、失礼しました。買取と依頼処理ですね。対象のものは?」
「これです。」
ポーチから何種類かの魔物の素材を取り出す。
ウルフの牙と爪を10本、ゴブリンの耳が10匹分はいった皮袋に、アカキャタピラの糸と糊袋。
どう考えてもポーチに入る量ではない様子をみて係員さんもぽかんとしている。
それに薬草類は薬師ギルドに出すから魔物の素材ばっかりなのも追い打ちかも。
「あ、あの。」
「はっ!す、すいません!すぐに確認してきますね!」
係員のお姉さんは素材とカードをのせたお盆をもって奥に走っていった。
途中で違う人から走るなって怒られてたけど。
待っている間暇なのできょろきょろを周りを見ていたけど、レオルドさんたちはいないみたいだ。
まだお昼過ぎということもあって人も少ない。
酒場のスペースで昼からお酒飲んでる人らがいるくらいか。
「お待たせしました。今回、アカキャタピラの納品依頼をクリアしていただきましたので、これでマルクさんはDランクに昇格します。それからこちらが報酬となっていますのでご確認ください。」
にっこりと笑って真新しいカードと硬貨の入った皮袋を渡してくれた。
「D」の文字が映える綺麗なカードをみてほっとした。
「よかった。ありがとうございます。」
「とんでもないです。マルクさんの歳でこれほど貢献してくださる方はいませんし、素材も状態が良いです。ギルドとして、これからもご活躍期待しております。」
「はい。それじゃあ。」
「あ、そうだ。」
「はい?」
「掲示板にもあるのですが、薬草採取ももしよければ受理していただけますか?あれだけ魔物を狩れるのであれば薬草類も取れるのではないかと思いまして…。」
「あー…。」
「い、いえ、苦手とかであればよいのです。稼ぎも魔物の討伐に比べれば割安ですしね。ただ、ランクが上がれば指名依頼で薬草の採取等もありますので、ご経験にはなるかなというくらいで。」
「そうですね、考えておきます。」
「えぇ、是非に。ご利用ありがとうございました。」
お姉さんにぺこりと頭を下げてギルドを後にした。
お読みいただきありがとうございます。
そろそろ第2章も終わりが見えてまいりました。
次章に向けてぼちぼち準備をしていく所存です。
お楽しみに!!
今後もよろしくお願いします。




