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竜の薬師  作者: もんた
第2章 学園編-前編
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第23節『満たされる時間』

どうも、もんたです。

引き続きほんわか空気のお話です。

お待たせしました。


それではどうぞ。



なんか爆弾発言があった気がする。






「なんて?」

「え?心配してませんでしたよ?って。」

「いやいやいや。もういっこ前。」

「んーと?合格してますよ?」

「そうだよ!それ!!なんで知ってるの!?」

「覗きました!」






めちゃくちゃうれしそうだけど。






「…は?」

「あ、いえ、ちょっと違いますね。聞き耳を立てて、職員が話しているを聞きました!」

「はぁ?」

「私、水の精霊じゃないですか。なので水がある場所にはどこにでも行けます。それこそお隣の部屋からこの街の端にあるおうちまで。」






デフィーは自慢げに胸をはる。

膝枕してあおむけの状態だから目の前が真っ暗になるんだけど。





「そういえば水があれば、みたいな話をしていた気がする。」

「そうです。具体的には水道や井戸水にアプサスを入り込ませて、会議室の水差しの中にいたりはたまた花瓶の中にいたり…。」

「隠し事はできないわけね…って!ちょっと!!」



「へ?」

「水差しのなかって言った?」

「はい。」



「それって人が飲む水だよね?」

「そうですね。正しくは紅茶だったりしますけど。純粋な水でないとアプサスの動きが鈍るのでやめてほしんですけどね。」

「そうなんだ…って、そっちはどうでもいい。」

「ほえ?」



「人の身体の中にアプサスが入っちゃうってことじゃないの?」

「それはそうです。飲んじゃいますから。」

「そうです、じゃないよ!それって大丈夫なの!?」

「体調とかの話ですか?」

「それもだし、飲まれちゃったアプサスとかも!」

「ふふふっ。」






僕の焦った様子がおもしろかったのかデフィーが口をおさえて笑う。






「もう!笑い事じゃないよ!」

「ふふ、ごめんなさい。大丈夫ですよ。どちらも。」


「どっちも?」

「はい。アプサスが入っていても並みの人間には何にもわかりません。せいぜい魔力がちょっと含まれている水かな、といった程度です。マルクのように精霊や妖精の類と契約しているとかであれば気づくかもしれませんが、その場合、潜んでるときにばれてると思います。…そう簡単にはバレませんけど。」





口元を隠しながら何か言った気がする。





「なに?」

「いえ。それと、アプサス自体も問題ないです。マルクもご存じの通りあの子たちは実体がありません。魔力が水と一緒に固まった生き物、魔物といったほうがいいのでしょうか?とにかくそういった生き物なので痛みとか苦しみとかありません。あの子たちは珍しい経験して楽しいな、くらいでしょう。もちろん、飲み込んだ人間にも影響はないですから。」

「ふぅん…。」

「あら、信じてくれないんですか?デフィー悲しいです。」






そういうとデフィーは僕の頭から手をはなし、顔を覆った。

ぐすぐすと言っているけど、残念ながら手の隙間から口角が上がっているのがみえる。





「はいはい。悲しいね。それで合格って話を聞いたの?」

「マルクが冷たい、わたしこんなに悲しいのに…。」

「わかったから。続きを話してよ。」





これ以上やっても効果がないと感じたのかデフィーが手をはなした。

膨れながらもさっきまでと同様に僕の頭を撫で続ける。





「ぶぅ。まぁ、マルクの言った通りなんですけど。マルクもソラリアも合格してるみたいです。あと、仲良くなっていたバックスと()()()()も。」

「みんな合格か。良かった。」





バックスは追加試験を受けると言っていたけどそれがうまくいったんだろうか。

また学校であうのが楽しみだ。

アイナの名前のところだけ棘があった気がするけど…






「そうですね。これから友だちができるでしょうか。」

「出来てほしいけどね…。ずっと一人というのも…。」

「一人じゃありませんよ?」

「ん?」



「私がいるじゃないですか。」






優しいほほえみが見える。







「あぁ。そうだった。ごめんね、デフィー。」

「違いますよ。」


「何が?」

「こういうときは謝罪でなくて、感謝であるべきです。」

「あはは。ありがとう、デフィー。」

「ふふ。どういたしまして、マルク。」











******************

***********












「それで、僕は今日はずっとこのままなの?」

「なぁに?乙女の柔肌では不満?」

「なにそれ。不満じゃないよ。ちょっぴり恥ずかしい。」

「ここにはわたしとマルクしかいないもの。平気よ。」

「はぁ…。わかったよ。」

「良い子。ご褒美ね。」







上機嫌なデフィーはそう言いながら僕の頭の撫でる。






「さっきからもらってるよ、そのご褒美。」

「そうやって不満ばっかり。」

「違うったら。」






笑ったり、怒ったり、拗ねたりとコロコロ表情が変わる様子を見ていると面白い。







「明日は森へ行くの?」

「う~ん。どうしようかな。デフィーは森に行きたいの?」



「森へ行かないと一緒に歩けないもの。」

「ははは。そうだね。」

「そうよ。」


「わかった。朝一番に森へ行こう。学園が始まったら行く時間ないかもしれないし、薬草や素材も集めておけばいいしね。」

「やった!ありがとう、マルク。でも本当にいいの?」

「どうして?」



「私のわがままで予定変えちゃったから…。」


「気にしないでよ。どうせギルドに行くだけしか用事もなかったんだ。」

「でもせっかくのお休みでしょう?」






少しいたずら心がわいてきたな。






「森の浅い場所に行くだけじゃ疲れないよ。それともやっぱり嫌になった?」

「ち、ちがうわ!」


「僕はデフィーと一緒に散歩したいのにな。」

「わ、わたしだって!!」

「だって?」

「え、えっと…。」



「ふふふ。」

「も、もう!!マルクのバカ!!」

「あははは。ごめんごめん。」

「もう…。」


「ごめんったら。それじゃあそろそろ寝ようかな。」

「もう寝るの?」

「じゃないと明日朝一で起きれないかも。」

「そんなこと言って。いつもきちんと起きてるじゃない。」

「そうなんだけどね。」



「まぁいいわ。また明日ね。」



「うん。おやすみ、デフィー。」



「おやすみ、マルク。」






デフィーの温かさに包まれながら、僕はゆっくりと眠りについた。







お読みいただきありがとうございます。

実はそろそろ第2章も終わりがみえてきました。(書き溜めの話)


これからも皆さんに楽しんでもらえるような作品になるよう頑張っていきます。

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