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竜の薬師  作者: もんた
第2章 学園編-前編
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第22節『ちょっとした悩み』

どうも、もんたです。

前回内容に反響があり、うれしく思います。

えぇ、とっても。


主は心がブレイク寸前です。

それでは、どうぞ。



ソラリアさんがバタバタと部屋に入ったのを見送り、僕も部屋に入る。

さっぱりとした部屋は月明かりでぼんやりと照らされている。

ベッドの横のランプをつけると部屋がオレンジに明るくなる。





「ふぅ…。」





軽くシャワーを浴びた後、寝る用の服に着替え、ベッドに腰かけると思わず息が漏れてしまった。

試験も疲れたし、そのあとの騒動も気を遣った。

…まぁあれば僕のミスといえばミスなんだろうけど。




正直、()()()()()()()が分からないわけではない。

ソラリアさんから向けられている気持ちもそうだし、アイナの僕に対する気持ちも、なんとなくわかってる。

(なんで試験くらいでそうなったのか、アイナに関してはわからないけど…。)



それこそ、デフィーが僕に持っている気持ちもソラリアさんと変わらないんだろう。

(その通りです!!)

…何か言ってるけど、放っておこう。




ただ、その気持ちにどうやって、どんな風に応えたらいいのかわからない。

ずっとかあさんと暮らしていて、他人と一緒にいたことなんてなくって…。

今向けられている気持ちをどうとらえるべきなのか。




…いや、答えはきっと決まってる。




別にソラリアさんのことは嫌いじゃないし、ちょっと話しただけだけど、アイナが悪い人じゃないってのもわかってる。

(わたしは!!)

…うん、デフィーの気持ちもわからないわけではないよ?

(!?じゃ、じゃあ!!!)

じゃあ応えます、とはいかないよ。

(むうぅ…)



二人の気持ちも、デフィーの気持ちもわかってるはず。

それにはっきりと応えられないのは僕が迷ってるから。


どうしたらいいのかな…






ペンダントがぼんやりと光った。

デフィーが呼んでいる合図だ。


ただ、屋敷の中で呼び出すのは少し難しい。

対魔物用に準備してある魔法障壁は妖精にも反応してしまうので、僕の部屋から反応したとなれば屋敷を警備している兵士さんを慌てさせてしまう。

前のように来客用の部屋ならまだしも、今はソラリアさんの隣。

何かあったらと思えば変に騒がしくするのはまずい。


その辺を考えてデフィーと直接話すときは、前にデフィーがやったように夢の中で話すようにしてる。

魔力を使うせいであんまり休めないのがデメリットなんだけど、そんなこと言うといじけて数日口をきかなくなるのでいわない。

夢の中で話すためには、つまるところ僕が早く寝ないといけないわけで…。

いつもは一回光るだけのペンダントがちかちかと点滅している。

この反応はせかされてるな。




ちょこちょこと話してはいるものの僕も今日は話したい気分だったしいいか。

明日は朝からいつも通り訓練をして、そのあと薬師ギルドに行かないと。

この前採取しておいた薬草を納品してしまわないといくらポーチに入れているとはいえ、気分があんまりよくない。


じいちゃんからもらったポーチには空間魔法が使われていて、見た目よりも入るようになってる。

ポーチの口から入れられるもので、生きてないものなら大抵何でも入れることができるし、どうやら時間が通常よりも遅くなっているみたいで食材や採取した素材が悪くなりにくい。


ただ、遅くなってるだけで時間は進むので、入れっぱなしで忘れてしまい、気づいたころには腐ってたなんてこともあるらしい。

今ポーチの中身はこんな感じ。



・かあさんお手製の最高級回復薬2本

・かあさんお手製の最高級強壮薬3本

・手作り高品質回復薬5本

・手作り中品質強壮薬5本

・ククリ草・マハラ草各20本

・イズン草5本

・低級魔物の魔石10個ほど

・低級魔物の素材(牙とか爪とか)複数

・ミスリル製ダガー

・鉄製ナイフ

・その他小道具いろいろ




薬師ギルドにはイズン草で作った解毒薬とマハラ草10本を納品しないといけない。

冒険者ギルドは確かウルフの牙を5本、爪も同じ数納品すれば追加で報酬がもらえたと思う。



そういえば、別の依頼にアカキャタピラの糸が出ていたっけ。

アカキャタピラは芋虫の魔物で、大人の腕くらいの太さがある。

木の上で葉っぱを食べたり、生き物の死骸を好んで食べる比較的温厚な魔物だ。

ただ、危険を感じると普段は緑色の身体を真っ赤に染めて、仲間を呼ぶ。

その仲間がものすごく(たち)が悪いので、あんまり冒険者には狙われない。

怒った時の様子から名前がついたんだけど、普段の様子で名前を付けたほうがよかったと思う。



以前レオルドさんに聞いたんだけど、名前にアカとつくくせに普段は緑色だから軽い気持ちで手を出した若い冒険者が返り討ちにあうなんて事件がよく起きるらしい。

きちんとギルドで聞けば、注意点とか教えてくれるのに、それすら聞かないんだとレナさんが怒ってたっけ。

近距離だと警戒されるだけで、遠距離の弓矢や魔法で仕留めればいい話なんだけどなぁ。

僕はいつも弓矢で仕留めてる。

魔法を使うと素材の糸が傷んでしまうこともあるので、どうしてもってとき以外は使わない。


倒したらお尻にある穴からナイフを慎重に入れると、黒い袋のようなものが見つかる。

その中に体液が糸状になったものが入ってるんだけど、隣にある白い袋には糸になる前の体液が入っている。

そっちは接着剤として使われたりもするので、依頼があったりしないかな~と思って一応確保してあるけど…




つらつらと明日のことを考えていたはずが、いつの間にか僕は眠っていた。
















「んっ…。」

「やっと起きた。()()()()()。」

「え…?」





寝起きでぼんやりとした頭に静かな川のせせらぎのような声が届く。

頭のうしろに柔らかな感触があるし、髪が定期的に揺れている。

徐々にはっきりとしてきた視界に映ったのは二つのこんもりとした山。


……山?


ちがう、そうじゃなくって。

その奥に広がるのは街ではなかなか見ない、青い綺麗な髪と優しく微笑む青い瞳。






「まぁ。起きて早々、えっちですね、マルク。」

「あ。」

「そのままで。」

「…うん。」






回転しだした頭でわかったのは、デフィーに膝枕をされているという状態だった。






「今日は試験お疲れさま。」

「ありがとう。」

「きちんと合格してましたよ。はじめっから心配してませんでしたけどね。」

「…え?」






デフィーは僕の頭を撫でながら嬉しそうに笑う。

ちょっと待って。

なんか爆弾発言があった気がする。






============

ククリ草…

回復薬に使用する薬草。

要はポーション。


マハラ草…

強壮薬に使用する薬草。

要はマナポーション。


イズン草…

解毒薬に使用する薬草。

そのままだと毒薬になるが、ククリ草と合わせて調合することで解毒薬になる。

=============

お読みいただきありがとうございました。

皆さんお忘れだろうと思い、用語辞典アップです。


甘い展開もう少し続きます…(ボソッ)


今後もよろしくお願いいたします。


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