第13節『実技試験その①』
どうも、もんたです。
今週末はホームパーティーしておりました。
実は料理が好きなタイプ系男子です。
皆さんはお料理、されます?
あ、それでは、どうぞ。
その後もいくつか質問とレイさんの回答が続き、いざ試験となった。
レイさんが名前を呼ぶ順番に各々が魔法や弓矢で的に攻撃をしていく。
一人5回まで挑戦が出来て、的に1回でも当たればOK。
全部あたれば満点となる。
当たり具合はまちまちといったところだろうか。
≪ファイアボール≫や≪ストンショット≫などの初級攻撃呪文がぴょんぴょんと飛んでいくけど、人によって大きさや速さが違うのは見てて面白い。
ハーフエルフのミンクが呼ばれた。
さっきのエルフの男の子が肩をたたいて送り出す。
おずおずと進み出た彼が選んだのは弓矢だった。
バックスが不思議そうに首をかしげる。
「魔法じゃないのか。」
「いいんじゃない?弓矢のほうが消耗は少ないし、そもそもエルフは弓矢得意だし。」
「そりゃそうだけど、魔法使ったほうが簡単じゃないか?」
「そんなことないと思うよ?この距離であの的に当てるには結構魔法制御が出来ないと百発百中は難しいんじゃないかな。現に外れたりしてるし。」
「横の試験も見てたけど一発も当たらないってこともあるみたいだしね。その辺の難易度は弓矢も変わらないけど、要は慣れだから、魔法より弓矢を訓練してるならそっちを取るかな。」
「あー、なるほど?マルクは弓使えんの?」
「森に狩りに出てたりするし訓練もしてるから、それなりには。」
「・・・それってさ、それなりのレベルじゃないんじゃ?」
バスン!
小気味良い音が響く。
ミンクが的を射たみたいだ。
はっきりとは見えないけど恐らくまんなかっぽい。
その証拠に丸印の描かれた木の板が掲げられる。
バスン!バスン!!
また命中。
二重丸の板が二回、上げ下げされる。
少し中央からずれたみたいだけど、ほんの誤差くらいだろう。
そんなに間も空けず射てるし、上手だなぁ。
エルフが弓矢が上手なのは血なんだろうか、それとも訓練?
かあさんも上手だったし。
・・・ただ、すばしっこく森を駆け回る兎3羽の急所を連続で射抜くかあさんは上手、のレベルでは済まないとは思うけど。
バスン!
「なぁなぁ。」
「ん?」
「弓ってあんなドカドカ打てるもんなのか?」
「んー・・・。その人の技量にもよるけど出来ないわけじゃないよ。僕も当たるかどうか考えなければあれくらいの速度で打つのは出来ると思う。」
「マジか!」
「さっきも言ったけど、狩りで弓を使ってるからね。動き回る的・・・もとい獲物に当てないといけないんだ。集中して狙えれば良いけど、そうじゃないことのほうが多いから。2本矢を用意して、1本目はあえて外して獲物を追い立てて、狙いやすいポイントに誘い込んで本命、とかもあるし。」
「ひゃぁ~。俺には無理だな。集中力つづかねぇもん。」
「・・・バックスって鍛冶師だよね?」
「まだ見習いだけどな。なんだ急に。」
「鍛冶師なら作業に集中力いるんじゃない?」
「・・・それとこれとは別ものだ。」
「そうなの?」
「あぁ。」
バスン!!
「はい。ミンクさんお疲れ様でした。5発全弾的に命中です!うち3発は中央ですね。素晴らしい腕前ですー!」
「「おおっ!」」
「あ、ありがとう・・・ございます。」
ニコニコ顔で送り返すレイさんと顔を真っ赤にしてそそくさと戻ってくるミンクのテンションの差が面白い。
ミンクは戻るとエルフの男の子や周りの子たちに声をかけられていた。
ここでも恥ずかしそうにしている彼は傍から見てると女の子のようにも見える。
エルフの子の髪色をもっと暗くした、深緑色と言った彼の長髪は首の辺りでゆるく紙紐でまとめられているだけ。
体つきもソラリアさんのように華奢だし・・・
「どうしました?マルクさん。」
「いいえ。なんでも。」
おや?っと首をかしげる仕草は可愛いんだけれど・・・
どうしてこう、ソラリアさんといいマリアンヌさんといい、女の人は勘がいいんだろう。
かあさんもそうだった。
僕が何かやらかすとすぐばれる。
何で分かるのかときいても
「あなたの母親だから。」
しか返ってこなかった。
いや、まぁ、それもそうかと思うんだけど、じゃあソラリアさんやマリアンヌさんが勘が鋭いのは何故なんだろう。
「それでは次、ソラリア様。」
おっと。
もんもんとしてる間にソラリアさんの順番になったみたいだ。
しまった、またエルフの子の名前を聞きそびれた。
「はいっ!」
「頑張ってくださいね、ソラリア様。」
「もちろんです!」
ソラリアさんは意気揚々と前へ進み出る。
レイさんから軽く諸注意を受ければ試験開始だ。
まっすぐ伸ばした手のひらの先に赤い魔方陣が浮かび上がる。
「いきます!≪ファイアボール≫!!」
ゴオッ!と音を立てて火の玉が一直線に飛んでいく。
あっという間に的に着弾。
狙い通りしっかりと的の中心に当てられているみたいだ。
奥の係員が赤い丸の付いた木の板を掲げている。
その次の玉も中心にヒット。
「おー。ソラリア様ってすげぇのな。」
「そりゃそーだよ。毎日魔力制御の訓練もしてるしね。」
「なんでそんなこと・・・ってマルクは一応、ソラリア様の従者なんだっけか。」
「一応ってなんだよ。」
「にしし。だってさ、マルクって家名ないだろ?だから訳有りなのかなって思ってさ。」
そう。
本来、貴族のお付きというのは同じように貴族から選ばれるのが通例になっている。
ソラリアさんのフリオニール侯爵家の場合は、それより下の爵位を持つ家出身の子息女をおつきにすることになる。
もちろん例外もあって、フリオニール家でいうと、セバスさんやライオネルさんのように執事や使用人として働く親がいる場合だ。
執事やメイド長の子どもを小さい時からお付きとして育て、そのまま生涯その家に仕えるようにする時なんかはお付きに家名がないなんてこともある。
ただ、その例外は男爵家のような他家からこどもを預かることが出来ないような家の話で、フリオニール家のように大きな貴族家ではなかなかないらしい。
シャンドラさんは本当はセバスさんかライオネルさんの子ども、もしくは孫をお付きにしたいと考えていたらしいけど、残念なことに丁度良い年齢の子どもがおらず、困っていたらしい。
もちろん、他家から「ウチの子を是非!」と連絡はひっきりなしに来ていたらしいけど、どこもイマイチだったといっていた。
家柄がとかではなく、裏の様相がはっきりしすぎていたので面倒だった、というのが本音らしい。
屋敷に住まわせてもらって分かったんだけど、シャンドラさんって凄く面倒くさがりなんだよな。
気を抜くと面倒だとか疲れたとか言っている気がする。
それをライオネルさんかマリアンヌさんが嗜めるというのが一連の流れだ。
ゴウッ!!
3発目も的にヒット。
掲げられた板は二重丸。
少し中心を外してしまったみたいだ。
「どこで気づいたのさ・・・。」
「受付のときだよ。名前書くとき、マルクってしか書いてなかったろ?悪いなーと思ったけど、見えちゃってさ。家名が無いし、貴族じゃないんだなーって。おかげでこうやって楽に話せるからいいんだけどよっ!」
白い歯を見せ笑うバックスは思いっきり背中をたたいてきた。
「いった!?ったく・・・。まぁ、気楽でいれるならいいよ。それより試験見ないと。」
「見てるさ。3発連続命中だからな!すげぇ!」
「あと2発か。ん・・・?」
3発目まで順調に当てたソラリアさんは僕のほうを向いて満足げな表情を浮かべた。
手を振って応えると振りかえしてくれたので余裕はありそうだ。
するとソラリアさんはなにやら口を動かしだした。
僕のほうを向いていたから僕に向かっていったんだと思うけど・・・
距離もあるし、回りもざわざわとしているしでまったく聞き取れなかった。
「ねぇ、バックス。ソラリア様が何て言ったか聞こえた?」
「ん?何か言ってたのか?全然聞こえなかったけど?」
「そっか。」
バックスも聞こえなかったか。
ソラリアさんは再び的のほうを向くと、今度は両手を前に伸ばした。
魔力をぐっと練り上げ、両のてのひらの前に赤い魔方陣を展開する。
あれは・・・
お読みいただきありがとうございました。
美味しいごはんと美味しいお酒、それがあれば世界平和狙えると思うんです。
ノーベル賞とれるかな。
…くだらないこと書いてないで続きを書きます。
今後もどうぞよろしく!




