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竜の薬師  作者: もんた
第2章 学園編-前編
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第8節『試験その①』

どうも、もんたです。

遅くなってしまいました。



それでは、どうぞ。

 



「「魔道具?」」



「ああ。正直鍛冶のことは親父とか店の大人に教えてもらえるし、そっちのほうが専門的だ。」

「でも魔道具作成となるとそうはいかない。腕が良くてかつ魔法の適正のある鍛冶師なら、例えば剣を打つ時に魔力をうまく込められれば、魔法剣を作れるんだ!王都にいる鍛冶師の中には魔法の武具を作れる職人がいるって話だからさ、あこがれてんだ!」

「へぇ…そうなんだ。」


「なんだよ、反応うすいなぁ。」

「だってさ、そういう武器とか防具とかって高いんじゃないの?」


「そうでもありませんよ。勿論高いものは高いですが、ピンキリですし、冒険者でも手の届くようなものもあると聞きます。」

「ソラリア様のおっしゃる通りで。ただまぁ、あたりまえの話になっちゃいますが、値段と性能は比例するんで、やっすいやつはおススメしないっすけどね。その辺の露店とかで売られてるのは、正直止めた方がいいかな。魔法付与武器を買うなら武器屋か魔道具屋で買うのが確実ですね。」





 流石、武器を取り扱ってて、自分でも目指してるだけある。

 その後も魔道具のことや武器のことをいろいろと聞いた。

 今度手持ちのダガーを手入れしてもらう約束もできたので、ちょっと楽しみだ。





「次の方~こちらへどうぞ~。」





 接しやすそうな見た目に相違なく、バックスはお喋りで、互いのことを話しているうちにあっという間に僕たちの番になった。





「おっと。」

「マルクさん、バックスさん、私たちの番ですね!」

「そうみたいですね。」




 ソラリアさんを先頭に係りの女性の前へ向かう。

 彼女の前には四角い透明な水晶が置かれている。

 きっとあれが診断に使うものなんだろう。

 受付の後方では書類や道具類をもった人たちが右へ左へとあわただしく動いている。





「それでは、こちらの用紙にお名前と出身の村や町の名前、希望のコースを書いてください。書き終えたら私へ。もし文字がかけないようなら教えてください。代筆しますので。」




 ソラリアさんはもちろん、僕もバックスも問題なくかけるのでささっと書き終えて提出する。

 ちなみに僕の出身地はトーカの街ということになってる。

 両親が事故でなくなったところをシャンドラさんに()()()()()()()、という設定だ。

 正直、無茶がある気がする。

 実際、冒険者ギルドに登録したときも不思議そうな顔をされたし、薬師ギルドに言ったときはギルド長に意味深な顔で笑われた。

 そりゃバレる。

 10年以上いるはずのこの街で、突然ぽっと出てきた僕に実はそういう裏事情がありました、なんて通用するはずがない。

 ただ、どの人も訳ありだ、と気づきながらも話を進めてくれたのは本当に感謝している。



 僕たちが提出した書類に目を通し始めた女性の目がぱっと開いた。




「ん!?ソ、ソラリア様!?」

「はい。私ですが・・・何か書類に不備がありましたでしょうか・・・?」




 突然名前を呼ばれたソラリア様は不安げな表情で女性を見つめる。

 周りの人たちも突然上がった大声にこちらを気にしてるみたいだ。



 受付の人は自分が注目を集めてしまっていると気づいたのか、軽く咳払いをして、何事も無かったかのように話し始めた。





「んんっ。い、いえ。申し訳ありません。少々びっくりしてしまいまして。書類に不備等はございません。」

「そ、そうでしたか。何も無くてよかったです。」

「お騒がせいたしました。それと、一点よろしいでしょうか。」

「はい?」




 僕をちらっと訝しげに見た後、ソラリアさんへ視線を戻す。




「バックス様はドーマ様のご子息様ということでよろしいのでしょうが・・・こちらのマルク、さんですかね。ソラリア様とどのようなご関係で?」

「え、えっと・・・。マルクさんは・・・」




 僕の顔をみて、なぜか頬を紅く染めるソラリアさん。

 もごもごとしてしまったので、受付の人の目が一層厳しくなる。




「僕はソラリア様の()()になります。何か問題でも?」

「えっ?」




 聞かされてなかったのか、呼び方が気になったのかソラリアさんは不思議そうな顔をする。

 ちなみに従者というのもシャンドラさんとセバスさんと三人で考えた設定だ。

 親戚だ、というには縁が無いし、友人だ、となるとどこの貴族だというややこしい話になる。

 そもそも、拾われた子という設定になっているので無理なんだけど。


 とはいえ、かあさんの名前を出すのは更に厄介になるらしい。

 理由は詳しく教えてもらえなかったけど、世の中ではかあさんの名前は有名だから、と言っていた。

 となると、一番落ち着きがいいのはソラリアさんの従者として育てたという立場で、この際護衛も兼務という形が一番楽だという結論になったんだ。




「従者・・・ですか?」

「はい。もしお疑いになるようであれば直接シャンドラ様や執事長であるセバス様にお伺いいただいても構いません。」




 ところどころ変な言葉遣いになってるかもしれないが、気にしない。

 なんとなくはかあさんやセバスさんに教えてもらったことを実践しよう。


 僕がはっきりと言ったことで納得したのか女性の表情も多少柔らかくなった気がする。

 横にいるソラリアさんがむくれてるのは理由が分からないけど・・・




「いえ、それであれば問題ありません。失礼いたしました。」

「問題ありません。魔力診断を受けさせてもらえますか?」



 あまりここで止まっているもの後ろで並んでる人たちに申し訳ない。

 ちゃっちゃと受付を終えてしまおう。


 ソラリアさん、バックス、僕の順で魔力診断をすることになった。




「診断方法は簡単です。こちらの水晶に手を触れてください。もし魔法が使えるようであれば魔力を流していただければより早く診断が終わります。ではまず、ソラリア様からお願いいたします。」

「はい。」



 ソラリアさんが水晶に手をあて、魔力を流す。

 無色透明だった水晶は手の当たっているところから徐々に赤みを帯び始め、あっという間に真っ赤な水晶へと変わった。




「さ、流石の魔力量でございますね。もう手を離していただいて構いません。ソラリア様の属性適正はご存知とは思われますが、火属性でございます。また色の変化具合でも十分な魔力量があることが分かりました。適正は4から5と判断いたします。」

「ほっ・・・。適正があるようでよかったです。」

「お手数をおかけしました。それでは次に、バックス様。」

「うぃっす。」



 軽い返事とともに水晶に手をかざす。

 ソラリアさんの時よりもゆっくりと水晶が黄色く染まっていく。

 ただ、水晶は半分ほど色が染まったところで動かなくなってしまった。


「ん・・・。限界っぽいな。」

「はい。よろしいですよ。バックス様の適正は土属性ですね。半分ほど色が変わりましたので、コースの適正は3といったところでしょうか。」

「ま、普通程度にはあるってことかな?よしよし。」




 なるほど。

 属性適正で色が変わって、魔力量で色の染まる範囲が決まるのか。

 ということは、水と土に適正のある僕は青か黄色になるんだろうか。

 デフィーと契約してることを考えれば水属性が強くでそうだけど・・・

 いまさらだけど、バックス、魔法使えるんだな。




「次、マルクさん、どうぞ。」

「あ、はい。」




 ちらっと横を見れば興味津々と言った顔でチェックを終えた二人が見ている。

 さて、どうなることやら。




 水晶に手を当て、ゆっくりと魔力を流していく。

 街に来てからゆっくりと訓練に時間を割くことが出来ないので、起きている時はいつも魔力制御の訓練をしてるからその一環みたいなものだ。

 水晶に魔力が届いた瞬間、変化が現れた。

 二人のときはゆっくりと変わっていた水晶が一瞬で真っ青に変わった。

 合図がこないのでそのまま流し続けていると、少しずつ色が落ちてきて、水色や空色といった薄い色へ変化した。




「きれい・・・。」





 ソラリアさんの言葉に意識が戻る。

 受付の人を見ると驚いているようで口が半開きだ。



お読みいただきありがとうございました。

GW皆様お楽しみになっていますでしょうか。

お時間たっぷりあると思います。

わたしも更新頑張りますが、他作家様の作品にもぜひ目を向けていただければと思います。


今後もよろしくお願いします!

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