第3節『その後』
どうも、もんたです。
お待たせしました。
4月から職種が変わるため、少し忙しくなりそうな雰囲気です。
それではどうぞ。
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目が覚めた。
いつも寝ているシャンドラさんの屋敷の部屋みたいだ。
「なんで部屋に・・・?」
起き上がってみたいけど、すごく身体がだるい。
魔渇症のときみたいだ。
動かす気にすらならないので、ボーっと天井を眺めているとドアが開く音がした。
目線だけなんとか入り口に向けてみるとセバスさんがやってくるのが見えた。
「ご無事で何よりにございます。ご気分はいかがですか、マルク様。」
「あの・・・えっと・・・」
「そのままで結構でございます。後ほど旦那様が参ります。ことの顛末に関しましては旦那様が説明なさるということですのでしばしお待ちを。その他何かご不便はおありですか?」
「そうですか・・・。それなら身体を起こしてもらえませんか?全然動かなくて。」
「かしこまりました。失礼いたします。」
いつも聞いてるから当たり前なんだけど、なんか聞き覚えがあるなぁ。
セバスさんの手を借りてなんとか身体を起こして一息すると、ばたばたと音が聞こえてきた。
「マルクさん!!大丈夫ですか!?」
「こら!ソラリア!まずはノックを・・・っておきてたか。マルク君。」
「ソラリア様、シャンドラ様。ご心配おかけしました。」
「そんなことより!お怪我はありませんか?ギルドで喧嘩が起きたと伺いましたよ!」
「け、喧嘩?」
「そうです!それで大きな魔法が使われそうになって危なかったと!!」
「ソラリア、落ち着きなさい。マルク君は起きたばっかりなんだよ。」
シャンドラさんの声で少し落ち着いた様子のソラリアさん。
セバスさんがベッド横に持ってきた椅子に二人が座る。
セバスさんはどうするのかと思ったら、シャンドラさんの後ろにすっと下がった。
「…騒がせてすまないね。ギルドで少年が巻き込まれる騒動起きたと聞いてね。もしかしたらと思ってセバスに見に行かせたんだ。帰ってきたと思ったらマルク君を抱きかかえていたから何事かと。大丈夫だったかい?」
「喧嘩…?騒動…?」
「ん?覚えてないかな?ギルドに行ったことは覚えてる?」
「うん。はい…それからグロー?っていう冒険者に絡まれて…」
「うん。一連の流れは簡単に聞いたよ。今警備兵を出して細かいことを確認してる。他に覚えてることは?」
「えっと。僕をダリアさんがかばってくれて…って!ダリアさんは無事ですか!?僕をかばって殴られて――っ!」
頭に激痛が走る。
いった…
そう。
ダリアさんは僕をかばったせいでグローとかいうやつに殴られてしまった。
今思い出してもイライラする。
「マルクさん!?」
「マルク君、大丈夫かい?やっぱり今日はそのまま休んだ方がいいか…」
「私もそのほうが賢明かと。今日無理をされて明日実力を出せないとなるのは本末転倒でございます。」
「全くもってその通りだな。ふむ…」
「だ、だいじょうぶです。そんなことより、ダリアさんは?」
「はは。そんなこと、ではないんだけどね。大丈夫。ダリアも無事だよ。」
そっか。
よかった。
「そうですか…流石に怪我、しちゃいましたよね。」
「セバスがマルク君を運んできたあと、レオルドが来て色々と教えてくれたよ。頭を打ったけど軽く血が出たくらいでけろっとしてるらしい。大事をとって何日かは休むけど、問題ないってさ。冒険者は頑丈だね。」
シャンドラさんはにっこりとほほ笑む。
「あ、ちなみにマルク君が気を失ったのはセバスが首に手刀を打ち込んだからなんだけど…覚えてる?」
「まぁ!セバス!」
「マルク様、失礼とは思いましたが他にあの場を収める手段がなく…申し訳ございません。」
深々と頭を下げるセバスさん。
その様子をみてぷくっと膨れていたソラリアさんの頬も多少へこんだ。
「いえ…ありがとうございました。正直何が何だか…」
「うん。そこなんだけどね。ソラリア、席を外してくれるかな?」
「いやです!」
「ソラリア。真面目な話なんだ。」
いつになく真剣な声色のシャンドラさん。
ソラリアさんもそれをくみ取ったのか少し悩んだあと席を立った。
「…わかりました。後でお話を聞かせてください。マルクさん、ゆっくり休んでくださいね。」
そういうとぺこっと頭を下げて部屋を出て行った。
扉に鍵をかけたセバスさんが戻ってくるのに合わせて、シャンドラさんが話し始める。
「…まずはセバスの話から聞こうか。セバス。」
「かしこまりました。私はギルド職員と屋敷の使いからの連絡を受けてギルドに向かいました。その時受けた内容はこうです。『冒険者同志がギルド内で喧嘩をはじめた。10歳くらいの子どもが巻き込まれているが、マルク君という子じゃないか。』」
「冒険者ギルドに用のある子どもは少なくありません。お小遣い稼ぎになりますので。今回はマルク様が屋敷を出た時間から考えて丁度ギルドにいらっしゃるタイミングだと判断したため即座に向かったのです。」
「うん。それは本当にいい判断だった。ありがとう。」
「恐縮にございます。ライオネルがむかえていればもっと早く事態を収めることもできたかと思いますが、我々の不徳の致すところです。私がギルドにたどり着いた時には異様な雰囲気に包まれておりました。」
「扉を開ける前から、この扉を開けるべきではないと感じたのです。迷った時間はほんの少しでしたが、徐々に身を包む雰囲気が冷たくなっていると気づいたのです。マルク様が危ないと思い飛び込むと、どうやらその冷気はマルク様を中心に発せられているご様子でした。マルク様の目の前にいた冒険者は手先が凍っており、マルク様の足元も凍っているようでしたので。」
シャンドラさんは顎に添えていた手を離し、セバスさんの方を振り向いた。
「ふむ…煮え切れない表現だな。凍ってはいなかったのかい?セバスなら魔法かどうかわかるだろう?」
「えぇ、そのつもりではおります。初めは私も氷属性の魔法だと考えていたのですが…マルク様を気絶させた瞬間に何もかもが消えたのです。」
「なにかも?」
「はい。言葉のとおり何もかもです。魔法の行使がなんらかの原因で中断された場合、完成度合や規模感にもよりますが大抵なにかしらの影響が残るはずなのです。水属性の魔法なら濡れていたり、火の魔法なら熱を持ったり、焦げたりといったものでございます。」
「そうだね。…つまりそれが無かった、と言いたいわけかい?」
「その通りにございます。おそらくマルク様はなんらかの氷属性魔法を詠唱されていたのだと推測しましたが、気絶された瞬間にまるで霧のように残滓が消えてしまわれました。氷属性かつ規模の大きい魔法のようでしたので、床や壁に水滴や氷が残っていてもおかしくないはずですが、それも一切なく。ギルド内を覆っていた震えるような冷たさも一瞬にして霧散しました。」
「マルク君の魔法が切れた瞬間に、いつも通りに戻った。それが魔法かどうか判断しえないとセバスが考えた理由か。」
「はい。わたくしはほんのわずかな時間だけしかマルク様の魔法範囲内にいませんでしたが、妙な寒気を覚えました。まるで強力な魔物を相対したかのような雰囲気がありましたね。」
「なるほど…もしかしたら上位の精霊か何かを呼ぶようなものだったのかな?マルク君、そのあたりに覚えは?」
「いいえ。召喚するような魔法は使えないです。従魔術も適性がないので…」
シャンドラさんはその言葉に思いのほか驚いたのか、目を見開いた。
お読みいただきありがとうございます。
前書きにも書いたんですが、少々忙しくなりそうな香ばしい香りがしています。
更新頻度はこれ以上遅くならないようにはしてまいります。
まぁ、そこそこ面白いんじゃない?
今後どうなるの?
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今後もよろしくお願いします。




