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竜の薬師  作者: もんた
第1章 始まり
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第31章『決断』

どうも、もんたです。

 




「そうそう、少し話は変わるがな、俺みたいな豚人族、ダリアやパラメのような猫人族、狐人族といった獣人族なんかは国内にそこそこいる。びっくりするなとは言わないが、どこにでもいるんだろう位には思っておいてくれるといい。ちなみに豚人族は魔物のオークとは違う。

 ぶっちゃけ見た目ではほとんどわからんが、強いて言うなら知性の有無といったところかねぇ。人族の言葉を話せるものは亜人、話せずにブヒブヒいってるのは魔物ってとこだ。稀に長く生きて進化したオークキングの中に人語を理解して話せるやつもいるらしいが…あいにく俺が冒険者になってからそんな話は聞いたことないな。」

「へぇ…」

「まぁ、そんなオークキングにあったところで何するってわけもないけどな。人間に害なす魔物は殺すに限る。」

「は、はぁ…」





 レオさんは()()()は変わらないと言っていた。

 それはつまり、人間に置き換えれば、性格とか考え方が違うだけで見た目はお互い人間同士ってことでじゃないのかな。

 レオさんがオークを殺すってことは人殺しと同じような意味になるんじゃないだろうか。

 僕が言っていいのかどうか迷ってうつむいているとレオさんが顔を覗き込んできた。




「ん?…あぁ、マルク君が言おうとしてること、わかるぞ。」


「え?」

「よく考えれば、いや、よく考えなくてもその疑問は湧いてくるだろう。答えはノー、だ。さっきも言ったように、俺たち豚人族は亜”人”で、オークは魔物だ。そこには明確に差があって、姿かたちは似ていても全く別の存在なんだ。よって豚人族もオークもお互いに敵同士でなんてこともなく殺し合うさ。生きるためだからな。…すっきりしたかい?」





 レオルドさんは自信がなさそうに頬を書きながら言う。





「なんとも言えないですけど、違うんだってことはわかりました。」

「あぁ、今はそれでいい。まだまだガキンチョなんだからな。これからさ。」

「はい。ありがとうございます。」





 ほんと、レオさんは良い人だ。

 きっと触れられたくない話題だったはずなのに気にせずに話してくれた。






「ガウッ!」


「おや?」

「あ、あと少しで小屋なのでそれを知らせてくれたんだと思います。」





 最初の一吠えに反応してあちこちから狼たちの声が聞こえる。

 本当なら森の中で位置を知らせてしまうような行為はしない方がいいんだけど、小屋の周りには魔物なんてめったにいないし、いたところで狼たちに倒されるか追い払われるので問題ない。

 そこまで警戒する必要もないので狼たちを呼び戻す。


 小屋の方からグランも来た。

 この辺にいないのはシロにフェーレ、フェーレの子どもの計4匹。

 こっちには5匹いるのでおお賑わいだ。

 狼たちとじゃれながら歩けば、あっという間に小屋に到着。





「ふぅ…やっと着いたね。思ったより歩いたな。」

「にゃはは…どっかのバカにゃ誰かさんが予定外のことするからにゃ。」


「うぐっ…まぁだいうか!!」


「まぁまぁ、レナ落ち着いて。ダリアもよ。シャンドラ様、健康のためにも適度な運動は必要ですわ。日頃書類仕事ばかりで移動だって馬車ばかりでしょうから。」

「パラメの言う通りなんだけどね。僕も街中歩きたいんだけど…色々と制約があってなかなか、ね。マルク君、オルガさんは中に?」

「居ると思います。…かあさーん?」





 玄関を開けて声をかけてみると奥の方からパタパタと音がする。

 よかった。

 いたみたい。

 今くらいの時間になると森に出かけてたりするからな。





「遅かったわね、どうしたのマルク。……あら?シャンドラ様。」

「やぁ、オルガさん。久しぶりだね。相変わらずお綺麗だ。」

「まぁ。ありがとうございます。口説かれた、と奥様にお伝えしないといけないかしら。」

「いやいや、勘弁しておくれよ…」

「ふふふ。さぁ、森を歩かれてお疲れでしょう。護衛の皆さんも中へどうぞ。狭くはありますがゆっくりされてください。マルク、お茶の準備を手伝ってちょうだい。」

「はーい。」





 狼たちを狼小屋に戻した後、かあさんの手伝いに入る。

 そうはいっても、お茶の用意自体はかあさんがするのでお茶請けのお菓子や人数分の椅子を用意する程度。





「さて…本日はお越しいただきありがとうございます。本来であればこちらから向かわなくてはいけませんのに。」

「いやいや、気にしないでくれ。前も言ったように気分転換もかねているからね。それにこちら側がお願いしていることだから伺うのが礼儀ってものさ。」





 シャンドラさんは湯気のたつコップを傾け、一息入れる。





「早速なんだけど、マルク君、答えを聞きたい。」

「答え…?」

「そう。学園に行くか行かないかってことさ。行くのであれば明日、一緒に森をでてトーカへ向かおう。どうかな。」





 テーブルについているみんなの視線が集まる。




「街へ行きます。学園に行って色々と勉強したいです。それに、外の世界も気になりますし。」





 かあさんもシャンドラさんもほほ笑む。




「うん。いい返事がきけて嬉しいよ。学園で勉強するのに困らないようなサポートをすることを約束する。オルガさんもいいだろうか。」

「マルクが決めたことですから、私がとやかく言うことはありません。マルクももう立派な男の子ですから。……ただトーカの街のような人の多いところは初めてですので、そのあたりのサポートをしていただけるとありがたいのですが…」

「そこもそれとなく対策は考えているよ。少なくとも友だちが学園でできないなんてことにはならないと思うからそこは心配してないかな。ほかに気になることがある?マルク君も何かあれば聞いてほしい。小さな疑問でも大丈夫だよ。」





 僕が悩んでいる間にシャンドラさんはご機嫌な様子でお茶を飲み干す。

 空になったコップにすかさずかあさんがお代わりを注ぐ。




「えっと、お金とか必要だとおもうんですけど…」

「あぁ、そこは大丈夫。学園に入学するまでの期間は僕の屋敷に住んでもらうことにしてるんだ。もし街中にいたいというのなら入学までの期間分、宿代はこちらで負担しよう。学園に入ってからは寮で生活することになるから住居は問題ない。学費もこちら持ちだし…必要なのは休みの日の食費とか生活用の物を買う雑費といったところかな?それくらいならマルク君も稼いではいるだろう?」


「多少は持ってますけど…かあさん、僕のお金で足りるかな?」


「えぇ、問題ないと思うわ。今の貯金だけで生活するというのなら贅沢はできないけれど。ギルドに所属してクエストをこなしたり、自分で薬草を集めて薬を作って売ればいいわ。冒険者か薬師ギルドなら買い取ってくれるでしょう。そうですよね、シャンドラ様。」

「その通りだよ。それなら街についたらまず冒険者ギルドに行って登録してしまおうか。学生でも実力があれば登録はできる。貴族の中には箔付けのために登録したりするけれど…真剣にやってる者は少ない。

 まずは授業を、と思っていたけど必要なことは既に勉強しているとオルガさんからの手紙で聞いているし時間はたっぷりとあるよ。他にもあるかな?」





 疑問といわれてもなかなかでてこないな。

 実際に見てみればでてくるだろうか。





「ま、分からないことだらけで何を聞けばいいかって感じだろうからのちのち、だね。…レナ?」





 シャンドラさんがチラッと見た方向では…

 レナさんがうちの食いしん坊と一緒にクッキーを頬張っていた。





「ん!?むぅ!ゴホッ!!」

「にゃ!!この馬鹿!!」

「あらあら。」

「はぁ…オルガさん、マルク君申し訳ない。」



「…ごっくん。マルク、どうしてこんなに慌ててるんです?」


「少しペンダントに戻っててよ。食いしん坊さん(デフィー)。」






 その夜は食糧庫に保存していた魔物の肉や野菜類を盛大に使って大盛り上がりになった。

 レナさんはまたのどに詰まらせて大変そうだった。

 シャンドラさんはいつもじいちゃんが寝泊まりしている部屋でねることに。


 ダリアさんたちの分の部屋は足りなかったんだけど、元々野営するつもりだったということで家の前のスペースで寝てもらうことになった。夜でもグランたち狼の優秀な警戒態勢が敷いてあるので結構安全だ。念のため不寝番は立てるってことだった。

 冒険者って大変だなぁ。






お読みいただきありがとうございます。

前書き書こうかなと思ったんですけど、ネタがありませんでした。



また次回もよろしくお願いいたします。


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