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竜の薬師  作者: もんた
第1章 始まり
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第27節『ただいま』

どうも、もんたです。

最近いいことがありました。


読者のみなさまは何か良いことありましたか??

それでは、どうぞ。

 




「ちょっと!グリム、グラン、勝手に走り出さないでちょうだい。一体なにが…あら?」






 あぁ、懐かしい声だ。

 金色の髪がキラキラとひかっている。







「ただいま、かあさん。」



「えぇ、おかえり、マルク。」









 かあさんと合流した僕たちは一緒に小屋に戻ることにした。

 グランは落ち着いたけど、グリムはまだまだ興奮やまず、盛り上がっているみたいで僕の周りをくるくると回っている。

 尻尾も右へ左へ大盤振る舞い。





「ドラコニア様もお疲れ様でした。マルク、修行はどうだったかしら?ごめんなさいね、ほとんど様子を見にいけなくて。」

「ううん、大丈夫だよ。修行は・・・順調に終わった、かな?」

「あら、自信なさそうね。」

「う~ん、正直まだ訓練中のやつとかたくさんあるしね。きっと教わってないこともたくさんあるだろうし。」






 そういってじいちゃんをちらっと見上げるとにっこりと微笑んで頭をなでてくれた。






「もちろん、魔法は奥が深いからの。まだまだ教えられることはあるが、それは時期尚早というものじゃ。焦らずとも良い。時間はあるんじゃから。」

「ドラコニア様の仰る通りよ。マルクは修行を精一杯頑張ったんでしょう?」

「もちろん!大変だったけど、頑張ったよ。」

「それならいいのよ。頑張ったと思えるだけの努力をしたのなら問題ないわ。一番良くないのは自分でも頑張ったのか頑張ってないのかわからないような中途半端な努力をしてしまったときだから。

 そんな風にして身に着けた力では肝心なときに助けてくれないもの。」

「然り。わしの目からみてもマルクはしっかりと頑張っておったといえる。自信を持ってよいじゃろう。」

「ありがとう。かあさん、じいちゃん。」

「そういっている合間に小屋へついたのぉ。」






 いつの間にか小屋が見えるところまで歩いてきていたらしい。

 少し早歩きで母さんが小屋へ向かい、扉を開ける。







「改めて。お帰りなさい、マルク。」






 いつものやわらかい笑顔をみて、帰ってきたな、と思えた。






「改めて。ただいま、かあさん。」





 その日は久しぶりのかあさんの手料理を満喫してゆっくりと寝ることができた。







 *****************

 **************

 **********




 小屋に戻ってきて1週間とちょっとが経った。

 じいちゃんは帰ってきた日だけ小屋にいたけど、



「ちと野暮用を思い出したのでな、行ってくる。」



 と言って次の日にどこかへ行ってしまった。

 小屋に帰ってきてからも、修行期間ほどではないとはいえ毎日訓練は続けている。

 今では家の水は全部僕が魔法で生み出したものを使っている。

 グランたち狼一家の飲み水はデフィー作成の魔道具があるけれど、メンテナンスも必要なのでそこも僕が担当。

 デフィーに教わりながらちょこちょこと触っている。

 そうはいっても取り付けたばかりで手間なんてかからない。



『あと数十年はメンテナンスもいらないと思いますよ。』



 と製作者談。

 まぁ魔道具なんて見たりいじったりする機会なんてそうそうないからいい勉強だ。

 最近部屋にグリムがこないなと思って狼小屋を確認してたら、どうやら出産が近いらしく奥さんであるフェーレに連れ添ってあげているみたい。

 いいとこあるじゃん、グリム。


 グリムの変わりにグランの子供たちが僕の部屋に時たま来るようになった。

 特に遊ぶようなものはないのでブラッシングしたりする程度。

 後は森に出かけるときにお供連れになるくらいかな?

 要は機敏で気配に敏感な斥候なので、狩りのときは非常に助かってる。

 グランがいるときは一緒に狩りをしているみたいだし、小鳥程度なら自力で狩ってくる。

 まだまだ失敗8割ってとこだけど、今後に期待かな。



 森での採取中、いつものように休憩がてら子狼たちと戯れてると一匹の耳がピン!と伸びた。





「ん?」




 立ち上がって左足で顔を二回ほど擦る。

「何かいる」の合図だ。

 グランが教えてるんだけど、本当に頭良いなこの子達。




「わかった。いってみよう。」





 魔法で探索したいところだけど、じいちゃんに気軽に魔法を使うなといわれているので我慢。



「良いか、魔法での探索は非常に楽じゃが、同時に相手にも場所を知られてしまう危険がある。

 《サーチ》のような魔法は逆探知が可能じゃ。相手がどんな存在かわかるまで不用意に魔法を使うべきではない。」



 そりゃそうだ。



 ただし…

「とはいえ、相手の存在がわからねば対処のしようがない。

 姿を見たときには手遅れ逃げ遅れ、といくわけにもいかぬ。

 そういうときにこの魔法を使うと良い。」



「こういうときは・・・《心眼(リーフォン)》」




 狼たちが向いたほうへ意識を向ける。

 《サーチ》のように魔力を探知するのではなく、生き物そのものが発している()()()を探知する魔法。

 これは竜魔法の一種で、通常の魔法では逆探知できない。

 そもそも《サーチ》とは探知の原理が違うのでほぼバレないとじいちゃんは自慢げだった。



 ただしデメリットが大きすぎる。

 《心眼》は、探知対象が「()()()()()()()()」になるので植物ですら認識の対象になる。

 きちんと魔力を制御しないと身の回りにある雑草から葉の一枚一枚から発せられている生命力のあまりの多さに脳が処理し切れなくてパンク、死ぬ、とじいちゃんに散々脅された。

 修行中は魔力が暴走しないように魔力切れまであと少し、という状況から訓練することで制御訓練をしてた。

 未だに楽々とは使えない。

 これを使う時は制御に集中するせいで、一切周りの警戒が出来ない。

 今みたいに狼たちが守ってくれるからこそできる。


 力を制御して観察していると、確かにこっちに向かって進んでくる複数の存在がいた。

 まだまだ制御が甘いので、人なのか動物なのかとかはわからないのがもどかしい。

 進む速度やシルエットから、かろうじて人型だろうというのはわかった。




 狼たちと身を隠しながらゆっくりと進んでいく。

 狼たちが止まって身を隠したのにあわせて、僕は木の上に隠れる。

 ここまではいつものパターン。




(この辺は浅い方だし大きな魔物や熊なんかはでないと思うけど・・・

 ゴブリンとか小さい魔物なら狼たちが匂いで判断して倒しちゃうしな。)




 息を潜め、未知の相手を待ち構えるのだった。




およみいただきありがとうございます。

区切りの関係で少々短くなりました。


次回をお楽しみに。

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