第26節『帰り道』
どうも、もんたです。
あけましておめでとうございます。
更新が間空いてしまい申し訳ありません。
年末実家で更新しようと意気込んでいたのですが、実家のPCが壊れていて見事に思惑が外れました…
それでは、どうぞ。
修行終わりで疲れている身体に鞭打って食事の片付けをする。
じいちゃんも手伝うといってくれているけど、遠慮しておいた。
これくらいはいつもかあさんの手伝いでやってるし、お皿を洗うのにも魔法を使ったりしているからこれも修行の一環だ。
デフィー…
一緒に片付けてほしいんだけど。
そんな思いをこめながらクッキーを頬張っているデフィーに目を向けるとふいっとそらされた。
許さないぞ。
片づけも終わって、身支度も済んだので、これから半年ぶりに小屋に帰る。
「来たときはワープ?だったけど帰るときもそうするの?」
「ふむ…一度小屋まで歩いたほうがよいじゃろう。万が一オルガの小屋に何か異変があった場合、
わしの小屋に来ることになるじゃろうし、そのとき場所がわからないでは困るからの。」
「それもそっか。わかった。」
「荷物は大丈夫かの?」
「問題ないよ。森で採取してればこれくらいの荷物になったりするし。」
そのあともたわいない話をしながら小屋の戸締りをしてしまう。
点在する窓はガラスが嵌められているので、外側から木板をはめて保護しておく。
木漏れ日とはいえ陽が当たると貴重な紙でまとめられた本や家具が日焼けして傷んでしまう。
まぁ、本をまとめているのは万が一にも盗まれないように地下なので日焼けの可能性はないけれど。
それに、大森林の奥地かつ大陸の端っこだから誰かが来るなんてことほとんどないと思うけどね。
それからはじいちゃんと魔法の話をしながら森を進んでいく。
デフィーは核に戻ってじっとしてる。
食べて飲んで核で閉じこもって運動しないんだからほんとに太りそうだな。
(マルク!女性にそんなことを言っては失礼ですよ!それにいつも言っているように私は精霊なので…)
何かデフィーがぐちぐちいっているけど聞こえなかったことにする。
普段こんな大森林の奥までくることはないので、比較的珍しい薬草類なんかも採取しながらのんびり下っていく。
一時間ほど歩いて小休憩をとることになった。
「ほんと、この辺りは魔物が少ないね。」
「うむ。わしのせいもあるかもしれんがの。」
「じいちゃんが?」
「時たま、体内にたまった魔力を放出するために龍になる。龍という存在は最上位じゃからの。
知性のある魔物は龍の魔力を感じて近づこうとしないんじゃ。
ここ最近は修行で頻繁に姿をかえておったからなおさらじゃろう。」
「ふぅん。あれ?でもそれなら【竜の尾根】の付近には魔物が住まないんじゃ・・?」
「実際に龍が住んでおる箇所は要所要所じゃからそこまで影響はないぞ。
それに尾根の山中には龍種に近い種族が多い。やつらは龍の魔力なんぞ気にせん。
もっと言えば弱い魔物は庇護が得られるという理由で逆によってくることもあるな。」
龍の強大な魔力は恐怖の対象でもあり、守護の対象でもあるってこと。
実際に襲われたときに助けてもらえるわけじゃないけれど、襲われる頻度が下がると思えば結構重要なことなんだろう。
この大陸はもちろん、海の中そしてきっと海の向こうの国にだって魔物は多種多様に存在している。
スライムみたいな不定形なものもいればゴブリンのような人型の魔物、グランたちのような動物型の魔物だっている。
精霊や妖精だっているんだからなんだってありだ。
ただ、そこには動植物たちと同様に明確な上下関係がある。
グランたちも僕と出会う前はスライムやゴブリンたちを餌にしていたみたいだし。
餌にされやすい弱い魔物や精霊、妖精たちが群れを成したりするのは当然の本能。
その中でより上位の存在(この場合は龍になるけど)の保護、もしくは影響下にいられるというのなら願ったり叶ったりだろう。
どうせ龍種はそんなこと気にしていないわけだし。
「どこの誰が、魔物だろうが人間だろうが儂らに危害を加えないのなら些細な違いよ。龍に歯向かおうというのならそれなりの覚悟を持たねばならん。」
とじいちゃんも言っていた。
まぁ、じいちゃんの場合は人の姿でもめちゃくちゃ強い魔法使いだし、龍になれば文句なしだしでどっちにしても気にならないと思うけど?
休憩もそこそこに森をまた歩いていく。
かあさんの小屋まであと一時間くらいかなという距離まできた。
周りの景色が見慣れたものになってきたのに気づく。
それと同時に、草花の変化に時間が経ったんだなというのもふと感じた。
あ、あの毒草もう生える季節になってきたのか。
たしかに少し暑さも和らいできたかな?
修行に出る前は少し肌寒い感じだった。
それから半年なので修行の期間中に暑い時期を過ごしたわけなんだけど、ほとんど洞窟か家の中にいたからあんまり感じなかったんだよね。
懐かしさを感じながら歩いていると、じいちゃんがいま思い出したかのように話し始めた。
「そういえば、この前シャンドラから手紙が届いておったの。」
「へぇ?どんな内容だったの?」
ポケットの中を探って封筒を取り出し、そのまま僕に手向けてくる。
「これじゃ。読んでみるといい。」
「んーと?・・・あぁ、迎えに来るよって話ね。ちょうど来週あたりか。
用意しとくものは・・・うん、大丈夫そう。ん?僕宛?」
「オルガの小屋に届いたものをグランが持ってきてくれたんじゃよ。
そこから下の内容がマルク用かのぅ。」
「みたいだね。学園について?えーっと、
『マルク君へ。学園の事情が少々変わったので先に伝えておく。
以前いくつかコース、専門が選択できるという話をしたと思うが、そこが変更になった。
複数の専門があるのは変わりないが、中身が、「貴族用、冒険者用、魔術師用」の三つに変更され、全ての学園にこのコースのみが設置されることになった。
無論、トーカも同様だ。
そのため、職人用のコースは一時的に魔術師用コースに併設されることになっている。
突然のことに僕含め、学園の関係者も困惑していて理由含めて確認中だ。
詳しくは迎えに行った時にでも。
元気な君に会えることを楽しみにしている。』
…か。」
「まだ続きがあるじゃろ?」
「え?あ、ほんとだ。
『追伸。君にとっておきの贈り物も用意している。そちらも楽しみに。』
だって。贈り物?」
「ふむ。わしも中身はしらん。待つしかなかろう。それにしてもコースの限定とはのぅ・・・」
苦いお茶でも飲んだかのように顔をしかめるじいちゃん。
「なにかまずいことがあるの?」
「いや・・・直接的に影響があるわけではない。わしにも、もちろんマルクにもな。しかし「貴族コース」か・・・」
「僕には関係ない話だよね。普通の人間どころか山小屋そだちだし。」
「む、うむ…」
(それもあるが、魔法のレベルが既に普通の子どもの域を超えておるのもあるぞ、マルクや・・・)
ドラコニアの心の声は届かないのである。
ただ、その原因の大部分は魔法を教えた彼自身にあるのだが。
「前に魔道師ギルドの話をしたじゃろう?あれと同じでな貴族というものはすくなからず貴族以外のものを見下しておる。
魔術師も大して変わらんか。中には「魔法が使えぬものは人間ではない」とまで言い出す愚か者がおるくらいじゃからの。」
「なにそれ・・・」
「しらぬ。興味がない。阿呆のたわごとじゃ。しかしそのたわごとも数が増えれば力を持つのでな。」
すごいいやそうだ。本当に嫌いなんだな。
「そしたら学園に行くとそういう人に出会うって事かな。」
「そうじゃのぉ…トーカは首都からそれなりに距離もあるのでどいつもこいつもというわけではないじゃろうが、おることは間違いない。よいかマルク、やつらと事を構えると面倒じゃ。無視せよ。」
「無視しろって…大丈夫かな…」
「なーに、何を言われようとも適当に聞き流しておけばよい。変に反応してもやつらを調子にのらせるだけじゃ。ぱっとあしらっておけば、つまらんといってやつらのほうから離れていくわい。」
経験談なんだろうな。
いつにもまして饒舌だ。
そのあともじいちゃんから学園の話というか愚痴というか、もはや文句みたいな話を聞きながらの道のりになった。
「・・・じゃからの、わしは言ってやったんじゃ!お前は――」
「ウォフッ!!」
「む?」
「ん?」
声のするほうを向くとグリムとグランが駆け寄ってくるのが見えた。
「グラン!グリム!迎えにきてくれた・・・って!?」
「バウッ!!」
勢いあまって突進してきたグリムに押し倒される。
幸い地面はやわらかい森の土だからそこまで痛くはなかったけどさ・・・
「ちょっ、ちょっと!うわっ!」
「ガウガウ!!」
どかそうとする僕を物ともせず全力で嘗め回しにくるグリム。
はじめは小さかった彼も流石に成狼となり、結構大きい。
横に寝転がると僕とほとんど変わらない大きさで乗っかられるとどかそうにもどかせない。
興奮していて力も有り余っているので、正直無理。
「これこれ、グリム。」
なんとかじいちゃんに宥めてもらって立ち上がることができた。
うへぇ・・・顔中べとべと・・・
「小屋についてはじめにすることが風呂になるとはの。」
じいちゃん、笑い事じゃないんだけど?
およみいただきありがとうございます。
年明けたらいつの間にか評価ポイントが100点を超えていました。
うひょー!!――(゜∀゜)――!!
と盛り上がっております。皆様本当にありがとうございます。
今年も頑張ってまいりますので、応援よろしくお願いいたします。




