第21節『ひみつきち』
どうも、もんたです。
間が空いてしましました。
申し訳ないです。。。
それでは、どうぞ。
「どうぞ。」
「オルガ、マルク、おはよう。デフィーもおるんじゃな。」
「おはようございます、ドラコニア様。」
「おはよう。じいちゃん。」
『おはようございますです~。』
いつものように狼たちを引き連れてじいちゃんがやってきた。
今日はグランの子どもたちを連れてきてるみたい。
じいちゃんはすごい狼たちに好かれてるんだよね。
まぁ、こどもたちからしたら親が僕らに懐いてるから当然ではあるかな?
特に色違いの子はじいちゃんがくると興奮して吠えるくらいには懐いていて、今もじいちゃんの脚にすり寄って尻尾をぶんぶん振っている。
「うむ。マルクよ、準備はできておるかの?問題なければ早速いこうかと思うんじゃが。」
「大丈夫だよ。荷物はまとまってるから。デフィー、行くよ。」
『はい、マルク。』
「あ、そうだ、デフィー。」
『?どうしました?』
「かあさんのクッキーは当分お預けだからね。修行中は基本的に小屋へは帰ってこないし。」
『!?』
「そうじゃのぅ。わしの小屋ではクッキーは焼けぬしな。」
「そうねぇ、荷物を補給しに行くときにもっていってもいいけれど、物資優先だし…」
『…ません。』
「ん?」
『私行きません!!!クッキーが食べられないなんてダメです!絶対ダメ!!』
「はぁ…まぁそういうと思ったんだけど、先に言っておかないと移動した先でごねられると面倒だしね。ほら、いくよ。」
『いやですいやですいやです!!』
その後もごね続けるデフィーを適度に相手しながら準備を整えた僕はテーブルにしがみつこうとしているデフィーをペンダントに強制的に戻してじいちゃんと出発した。
「これから2時間くらいだっけ?」
「うむ。しかし今日は修行の初めじゃから少し時間に余裕をもっておきたい。マルク、わしの服を掴みなさい。」
「ん?これでいい?」
「うむ。」
じいちゃんのローブを右手で握る。
それに合わせたように足元に紫色の魔法陣が浮かび上がった。
「えっ!?」
「ほれ。《オーラテレポ》」
魔法を発動させると頭の上にも紫色の魔法陣が浮かび上がった。
上下の魔法陣がぐるぐるとまわりながら徐々に光っていき、一瞬で視界が紫に染まる。
かざしていた腕をどかして目を開けると真っ暗で何も見えなかった。
「うわっ!?じ、じいちゃん!!ここどこ!!」
「ほっほっほ。安心せい。ここはわしの小屋に繋がっておる洞窟の中じゃ。もうしばらくすれば目も慣れる。落ち着きなさい。」
それから少しして目が慣れてくると、ぼんやりと周りの様子が見えてきた。
洞窟といっていたけど土の壁というわけではなく、しっかりと固められたレンガのようなもので覆われていて、なんというか建物の中みたいだ。
というか壁の色がグレーなだけで、雰囲気は調合室に似ている。
僕とじいちゃんがいるのが部屋の中央だということもあるだろうけど。
部屋自体は燭台が二つ置かれているだけで何もない。
じいちゃんが腕を水平に振ると、ぼわっという音と主に燭台に煌々と火が灯る。
手入れはあまりされていないようで、燭台はよく見るとほこり被っていたけど。
静かにじいちゃんについていくと、重そうな金属の扉の前にたどり着いた。
じいちゃんが手をかざすと彫り込まれている文様がぼんやりと光る。
次の瞬間に目の前から扉が消える。
開くんじゃないのか…
扉があった空間の先には木製のドアがあった。
次々と目の前でおきる魔法的な出来事にポカンとしていると、じいちゃんが肩をたたいてきた。
「ちと仰々しかったかの?この小屋に人が来るのは久しぶりでの。ついつい気合いが入ってしまったわい。」
「う、うん。ちょっとびっくりしちゃったよ。他にもこんな仕掛けがあるの?」
「洞窟の反対側にいけばそれなりに用意はあるが、小屋にはないな。まぁ魔道具くらいは多少置いてあるが…あとは小屋自体に魔法がかけてあるくらいじゃな。」
「小屋に魔法を…?どうして?」
「念のための隠蔽魔法じゃ。この小屋は【竜の尾根】の麓にあるんじゃが、大陸と海の境目でもあるんじゃ。小屋を出て30分も山の方へ歩けば斜面から海が見える。おかげで海賊やら山賊やらが立ち寄りやすいんじゃよ。拠点とされるわけにはいかんので認識阻害の魔法を付与した魔道具を使っておる。」
他にも万が一認識阻害を突破してきた場合に備えてトラップになるようなものもいくつか設置しているらしい。
ただ、これは許可した人間もしくは魔力を登録(どういう仕組みかわかんないけど)したものであれば反応しないようにできるってことだった。
僕は既に登録されているということなので、念のためにデフィーも後で登録しておかないと。
今のところ拗ねてペンダントの中に引き籠っているので後ででいいや。
話しかけているけど一切反応しない。
まぁ、おかげで魔力も減らないし放っておこう。
久しぶりに魔力が身体に満ちてる感じがする。
じいちゃんについて、中に入っていくと部屋の雰囲気といえばいいんだろうか妙に落ち着く感じがした。
魔道具の効果とかかな?
案内された部屋はベッドと机、調合室にあるのとそっくりな棚が一つあるだけのシンプルな部屋だった。
僕の部屋も机と棚に薬品や本とかがあふれかえってるだけで大して変わらないけど。
あ、グリムが寝る時用の布が置いてあるくらいの差?
「ここがマルクの部屋じゃ。小屋の作り自体はオルガの小屋に似ておるから困ることはそうないじゃろう。荷物を置いて一息したら訓練と行こうかの。」
「うん。ちょっと待っててね。」
ああ、なるほど。
かあさんの小屋に似てたから、初めてのはずなのに懐かしい感じがしたのか。
じいちゃんが出て行ったあと、持ってきた荷物をそれぞれの場所に置いていく。
薬系は棚に並べ、本は机の上に。
魔物や植物の図鑑をもってきているのでそれはすぐに取り出せるように手前に出しておく。
植物に関しては見分けにくいものを手書きしたメモ帳を持ち運んでるから困ることはないし、主要なものは覚えているからそもそもそんなにメモ帳とかが必要になることはないんだけど。
《物質鑑定》を使えばそれで済むって話でもあるんだけど、何が起きるかわからない状態で魔力を無駄に消費してはいけないというかあさんの教えがあるので、出来ることは自力でする、が基本なんだ。
ちなみに野宿の時に魔法で火をおこしたり水を出したりするのは良いという判断をしてる。
一見、矛盾しているように聞こえるかもしれないけど、野宿の時は「休む」ことが重要なので、そのために自分の負担を減らせるなら魔法を使うべしということ。
野宿において最優先は日中帯の疲れを取ること。
その目的を達成するための近道は?
時間と労力のかかる火おこしや水汲みを魔法で簡単に済ませれられれば、食事と睡眠に時間を回せてしっかりと疲れを取ることが出来る。
それに寝れば回復する魔力なら、夜営で使う分には影響も少ない。
準備も終わったしじいちゃんのところへ向かおう。
じいちゃんは僕らが転移してきた洞窟に繋がっているドアの前で待っていた。
「来たか、マルクや。今から洞窟の奥へいくぞ。」
「そこで訓練するの?」
「奥にそれなりの規模に開けている場所があっての、そこでならある程度思い切り魔法も打てるからのぉ。」
「でも洞窟の中なんでしょ?それに奥に行くってことは山の真ん中とかってことだろうし、崩れたりしない?」
「ほっほっほ。心配せんでもそう簡単には崩れんよ。」
笑いながらサクサク進んでいくじいちゃんに後れを取らないようについていく。
さっきの部屋を小屋と反対方向に進んでいく。
石畳?石レンガ?のようなもので天井まで固められた通路はひんやりとしていて少し肌寒くも感じる。
ところどころに松明代わりの燭台も用意してあるけれど、じいちゃんが《ライト》で付けているので、火の温かさはない。
10分ほど歩くとこれまで真っ暗だった視界の先にぼんやりと空間が広がっているように見えてきた。
「こ、これ…」
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