第19節『美味しい食卓』
どうも、もんたです。
更新が遅くなりすいません。
この週末法事がありまして…少々心の整理がいるなぁ・・・
と思っています。
その後20分くらいだろうか。
じいちゃんも交えてお喋りをしていた。
デフィーはさっきのやり取りがなかったかのようにもぐもぐとたべてましたけどね...
グリムたちは出してあげたミルクを飲み終えたらまた小屋へ戻っていった。
子狼が飲むのはわかるんだけど、まさか成狼が気に入るとは。
このミルクは時たまくる行商人からまとまった量仕入れている。
僕もかあさんもそんなに飲まないので保管庫に入りっぱ。
ただし、保管庫には僕が毎日氷を作っておいているし、時間がゆっくりになる魔法がかけられている(じいちゃん力作)のでそう簡単に腐ることはない。
そういえば、今くらいの時間だとグランたち親子も帰ってくるから丁度みんないる頃か。
ご飯は自分たちで狩ってきた獲物を食べているし大丈夫そうだね。
お菓子が食べたくなったら扉を爪でカリカリやるかな?
吠えてくるからその時開けてあげればいいし。
「マルク、終わったわ。あら、ドラコニア様。いらっしゃいませ。」
「お疲れ様、かあさん。」
「ご苦労じゃの、オルガ。お邪魔しておるよ。」
「ありがとうございます。今昼食の準備をしますね。マルク、手伝ってちょうだい。」
「わかった。」
かあさんにと一緒に台所へ向かう。
その時にクッキーも一緒に片づける。
デフィーは一瞬呆然とした顔を見せたあと、何かぎゃあぎゃあ言っていた気がするけど気にしない。
食事は食事、お菓子はお菓子、だ。
かあさんが今朝森で採ってきた山菜を使ってサラダやスープを作っている間に僕はメインを。
時間がないので簡単にパスタを作ることにする。
さっと作りたいので魔法で楽をしよう。大きめの鍋に水をいれ、《トーチ》の魔法で温める。
水が沸騰してきたら塩を入れて味をみる。
少ししょっぱいくらいが好みかな。
特に今から作るパスタはここで味付けをしっかりしておかないといけない。
調味料は街で買えばそこそこの値段がするけれど、小屋で使っているのは【竜の尾根】の麓に岩塩が採れる地域があるのでそこで採取したもの。
土属性の魔法を使って塩以外の不純物を除去しているので綺麗な白い塩で美味しい。
数か月前、塩を買わないのかと疑問を持っていた行商のエルフさんに見せたら、
「こんなきれいな塩は見たことが無い!!ぜひとも売ってくれ!!!」
と大騒ぎだったっけ。
その時は多少ストックがあったので売ったけど、100gくらいでかあさん特製の回復薬と同じくらいの金額になってびっくりした。
あれからちょこちょこ作っては売ってを繰り返しそれなりに貯金も増えた。
この小屋にいる限りまったく使わないけどね。
塩味が調整出来たら、これまた魔法で乾燥させて大量保存している麺を投入。
時々様子を見ながら、水が少なくなったらたまに追加しないと麺が塩辛くなってしまうので気を付けないと。
麺をゆでている間にソースの準備をしよう。
フライパンにオリーバという木の実からとれた油とガーリケという野菜をいれ、香りを出す。
油がふつふつとしてきたら火を弱めて刻んだガーリケを追加で投入。
母さんは追加分をいれないけど、僕はこっちの方が香りが良くなるので好き。
おっと鍋の水が少なくなってる。
手元で水球を作り、温めてから鍋に追加しておく。
ガーリケの色が少し黄色くなってきたところで輪切りにした唐辛子を適量いれ、軽く火を通したらフライパンを軽く振って油をなじませる。
油が少し白く濁ったら準備OK。
いいタイミングで茹で上がった麺をソースとしっかり絡めたら完成。
お皿に盛りつけて軽くハーブを散らしてっと。
オリーバとガーリケのパスタが完成。
母さん直伝の料理で忙しくて食事の準備に時間が取れない時の鉄板メニュー。
ゲーリケの香ばしい匂いと唐辛子のピリッとした辛さが後を引く癖になる味だと思う。
僕も母さんもふとした瞬間に食べたくなって作ってるから。
パスタを作っている間に母さんはサラダとスープを作り終わっている。
サラダはエルフサラダって言って山菜類に豆を何種類か加えたもので、エルフの里に伝わる料理の一つなんだとか。
確かにお腹も膨れるし、かかっているソースはオレンジをメインにした甘酸っぱいもので、いくらでも食べられる。
スープは野菜の甘味と肉のうまみがしっかり出ているので、塩胡椒だけで味付けしたシンプルなスープ。
「ドラコニア様、お待たせいたしました。」
「大してまっとらんよ。ガーリケの匂いがここまで届いてお腹がすいたくらいかの?」
『そ~ですよ~。マルク~お腹がすきました~』
「直前までクッキーずっと食べてたよね?…まぁいいや。」
「メニューはエルフサラダに野菜と肉のスープ、メインにオリーバとガーリケのパスタです。メインはマルクが作りました。」
「お!このパスタは久しいのぅ。美味しそうじゃ。」
『わぁ~!とってもおいしそうです!早く食べましょう!』
「はいはい。それじゃあ…」
「「『「いただきます!」』」」
自分で作った料理ってだけでも美味しいけど、こうやってみんなで集まって食べるとことさら美味しいく感じるよね。
うん、自分で言うのもなんだけど、パスタもおいしく出来た。
パスタの味がしっかり決まってるから、柑橘系のさっぱりしたサラダがちょうどいい。
みんなあっと言う間に食べきってしまって、テーブルの上が寂しくなってしまった。
食後にはオレンジの皮を乾かして、母さんが調合したハーブ茶葉と混ぜた特製ハーブティーで一息。
じいちゃんはこれが一番好きで、ちょくちょく茶葉を貰って帰っているのを見たことがある。
『ん~とっても美味しかったです。もう食べられません。』
「ふふふ、お粗末様でした。ゆっくりくつろいで頂戴。」
『私たち精霊は魔力の塊みたいなものなので、食事はしなくても良いんですけどね。それでもやっぱり、久しぶりの食べる喜びは本当に素晴らしいです。外の世界は美味しいものばかりですね。人間のこういった向上心は他の種族と比べて優れていますよね。』
「ええ。私たちエルフのような長命種族は努力や改革による急速な変化を嫌いがちだもの。寿命が長いからすぐに頑張らなくていいということもあるわね。そのせいで里は何百年たってもほとんど変わらない。私はそれが嫌で飛び出して来たんだけど…
同じような種族のドワーフは逆に改革、努力どんとこいの考え方だから、大抵のエルフとは馬が合わないわね。仲良くすればいいのに。」
「種族毎の考え方というものはなかなか変わらん。変えたいと思っておろうがおるまいがの。あれはもはや「この種族はこうあるべき」という固定概念じゃからな。くだらん、と言ってしまえばそれまでじゃが、その考え方によって種族として守られていたものがあるということもまた真実。物事の良し悪しは一つの側面だけで図ることはできんよ。」
うん。
難しい話だ。
なんとなくわからなくはないけど、じいちゃんたちみたいに盛り上がれるほど知らないし。
種族の話になって思ったけど、僕人間ってじいちゃん以外と話したことほとんどないや。
かあさんはエルフ、デフィーとヴァールトは精霊、アドラーにイズマ、グランたちは魔物。
月に一回くる商人さんも人間とは限らないし。
稀にふらっとやってくる行商人さんは何故かエルフばっかり。
かあさんが知り合いみたいだからそういう伝手があったりするのかな。
僕がぼーっとしているのに気付いたのかじいちゃんと目が合った。
「難しい話はここまでにしておこうかの。マルクや、昼食の前にも言ったが、今日から場所をうつして魔法を教えよう。オルガ、マルクを借りても良いかの?」
「ええ、問題ありません。薬も今日の作業で作り溜めが出来ているので、特に急ぎで必要なものはありませんしね。食事はいかがなさいますか?」
「あちらで済ませよう。何かあれば戻ってくるようにすればよかろう。」
「かしこまりました。必要なものは後ほど運んでおきますので。」
ん?なんかいつもと違う?
「ちょっと?遠くまで行くの?」
「む?そうかそこまでは話しておらんかったの。すまんすまん。これから半年ほど【竜の尾根】の麓にあるわしの小屋を拠点にして重点的に魔法の訓練を行う。街に出るための基本的な勉強は終えたと言っておったからタイミング的にもよいじゃろう。」
そんな話あったっけ・・・
「え!?また急な・・・」
『ろうせ言い忘れでしょう?もぐもぐ…』
「む!?」
デフィーの冷静なツッコミに思わず目を見開いたじいちゃん。
…図星だったんだろうな。
かあさんですら驚いた顔をしているし。
って、デフィーいつの間にクッキー持ってきたの?
さっきまでテーブルにはカップとポットしかなかったはず。
今まで、台所には入ってこなかったから無造作に机の上に置いてたんだよね。
これからは退避場所も考えないといけないみたいだ。
そうはいっても僕は知らない間にこの小屋に当分帰ってこないことが決まってたみたいだけど?
「じいちゃん…」
「こ、これはじゃな…そ、そう!マルクもこれから生きていくうえで突然予期せぬ出来事が起こることだってある。不測の事態に対応できてこそ、一人前の男というものじゃ。これも良い機会として練習になるじゃろう!」
「えっと、、まぁ、そうだね?」
『後付けですね。』
「えぇ…これはかばえません。」
「おぬしら…」
はぁ…すっごく不安。
お読みいただきありがとうございました。
じいちゃん…大丈夫かよ…




