第11節『変化』
どうも、もんたです。
いつもご覧いただきありがとうございます。
来週、COD新作発売ですね。それに合わせてPS4購入説が濃厚になっています。
ザコエイムを発揮する瞬間は近いです。
それでは、どうぞ。
魔法の訓練を頑張る!と決めてから気づけばあっという間に半年が過ぎていた。
煌々と熱を帯びていた日差しはすっかりと落ち着いて、森の木々を優しく照らしている。
あれから半年、ほぼ毎日のようにかあさんからはあらゆる分野での勉強をさせられる羽目になった。
簡単な礼儀作法から始まり、サドニア王国内の歴史や文化を学び、外国についてもそれなりの知識を身につけた。
一緒に森に行く機会も増え、その都度森での過ごし方や歩き方、食用のものの見分け方など以前よりも詳しく教わった。
大抵は午前がかあさんとの時間で、昼食を食べると次は夕方までじいちゃんの魔法講座となる。
世間一般の魔法理論を学んだのち、じいちゃん流の理論を教わった。
どうやら世の中的には、『魔法とは想像力』というのはあまり歓迎されていないらしく、長ったらしい詠唱付きで魔法を唱えることが多いらしい。
勿論、歓迎されていないだけで魔法=想像力派の魔術師はそれなりにいて、その多くは冒険者としての経験がある人が多いとのこと。
そりゃ、魔物を目の前にして悠長に詠唱なんてしてる暇ないしね。
にもかかわらず、詠唱派が多数派であるのは、魔術師をまとめる研究機関である魔導ギルドが詠唱推奨派だかららしい。
魔導ギルドを運営しているのは基本的に貴族のお偉い方々で、「古臭い考え方と自分の利益のことしか考えていないボンクラども!」とじいちゃんはおかんむりだった。
かあさんからは運営委員は数年単位の任期制だって習ったので、変わるんじゃないのかと聞いてみたけど、なんてことない。
多額の賄賂、献品によって超長期間居座っているご老人たちがいらっしゃるのだとか。あまりにも長い期間席を置いているため他の委員も口出しすることが出来ず、実質その人たちの鶴の一声でギルド方針が決まっているといっても過言ではない、と。
魔導ギルドの話をするとじいちゃんが怖いということが分かった。
そんな脱線をしながらも、一通り理論的なことを学んだあとは即実践となった。
とはいえ、ことこの半年でしたことと言えば、自分の属性適正の判断と適正のあった属性の中級魔法の練習、魔力制御の訓練くらいだった。
じいちゃんが言うには、どれだけ魔法の勉強をしても自身の適性がない属性だと威力は上がらないし消費魔力も下がらないという。
覚えられないわけではないので、冒険者として生活する魔術師たちは必要最低限でも勉強はするらしい。僕は冒険者として生活するつもりはないので、生活に困らないレベルで覚えることにした。
僕の属性適性は水と土、風属性の三つ。
水と土属性の合成で氷系統の魔法が使えている。
それに加えて指輪のおかげ?で精霊魔法も使えるといわれたけど、未だに使える気配がない。
そもそも使い方もわからないし。
精霊と契約すればいいと言われたんだけど、どうしたらいいんだろう?
さらに、魔力制御の訓練に関しては毎日するように言われてずっと繰り返していた。
この訓練はかあさんとなぜかアドラーやグリムも参加していて、かあさんに良いところを見せようと少しやる気が出たのは内緒の話。
半年間続けた成果は中々のもので、当初あれだけ苦労していた《ダマスカスシェル》が難なく使えるようになった。
まぁ、使えるようになったとは言っても、人一人分隠せるサイズの壁を作るのに中級魔法クラスの魔力を使うので、使い勝手と燃費は正直良くない。
それでもいざという時の絶対防御手段であり、自分の命を守るためにもちょこちょこと練習を続けること、というのがじいちゃんの判断だった。
そしてこの半年、なにも変わったのは僕だけではない。
グランたちドルイドウルフにも変化があった。
なんとシロが妊娠したのである。
狩に行く時は必ずグランに付き添っていたシロがある日を境に急に行かなくなり、代わりにグリムが着いて行くようになった。
小屋に残ったシロはなにをするでも無く、日当たりの良い窓際で大人しく丸まっていることが多くなっていたので病気かと心配して色々話してみたところ、妊娠が発覚したのだった。
これには思いのほかかあさんが盛り上がり、発覚当日は蓄えてあったジャイアントボアの肉を惜しげも無く振る舞い、翌日以降は甲斐甲斐しくシロの世話をするようになった。
今現在シロのお腹は誰が見てもわかるようにポッコリとしてきて、心なしかグランが狩に行く時の気合の入れようが増している気がする。
妊娠の時期も早かったので、そろそろ生まれそう。
そして、グリム。
種族的なものなのかわからないが、半年の期間を経て、グランと遜色ないほどの大きさになった。
出会った頃はふた回りほど小さかったはずなのに驚くべき成長っぷりである。
僕たちと一緒に暮らすようになり、安定した食事と外敵に襲われないという安心感から成長にエネルギーを回したのではないか、というのがじいちゃんの見解だった。
確かに、いくら【トバ大森林】とは言っても、フリオニール領内の大森林は端っこに位置するので魔物の数が比較的少なく、小屋周辺となると更に魔物が減るため命の危険はないかなぁと思う。
バサラベアみたいのは例外。
そもそも、グランたちが初めに住んでいたのは、ここから大森林を抜け、【竜の尾根】を越えた先にあるランドール王国というところにある名もない森の奥地であった。
【トバ大森林】に似て、豊かで非常に過ごしやすい良い森だったみたい。
グランたちがいたのは比較的森の奥の方だったため、人間たちに会うこともほとんどなかったが、人間同士の戦争が激しくなった折、食料や素材の調達のためにどんどん人間たちが奥地に入り込んでくるようになって、グランたちが組みしてた群れも狙われるようになってきた。
逃げる時に群れからはぐれてしまい、その後も徐々に森を移り住んできて山越えを決意。
ただし、山越えもただの山ではなく【竜の尾根】である。
山頂部にはドラゴンが住むと呼ばれ、それ以外にもワイバーンやリザードマンといった竜種亜種が多数生息しているため、非常に危険な地域となっている。
長い年月をかけた調査のおかげで一応国交が出来る程度のルートは確保されているものの、それでも襲われにくい、というレベルなだけで安全が保障されているわけではないというのが実情であった。
フリオニール領は尾根の端っこにあたるので、山の起伏もそこまで大きくなく、強力な魔物を除けばそこまで大変な山越えとはならない。グランたちは魔物の匂いが薄い方へ薄い方へと移動をくりかえして何とかサドニア王国側へたどり着いていた。
グリムは大きくなっても性格は相変わらずでグランか僕に基本べっとり。
グランと狩りに行くとき以外は僕の部屋にいたり、森へ散策に行ったりと一緒に過ごす時間が増えた。
これで僕が《従魔術》を使えたら直接お喋りが出来るのになぁ。
家にある本を読んだりかあさんに聞いたりして勉強をしてみるけどイマイチうまくいかない。
悶々としながら部屋でグリムの尻尾をいじくっていると、かあさんが部屋へやってきた。
「マルク、今いいかしら?」
「どうしたの、かあさん。」
「この前《従魔術》のこと聞いてきたでしょう?ドラコニア様とも話したのだけれど、まず精霊との契約を勉強してみたらどうかと思って。精霊と契約できればその時の感覚をもって《従魔術》もなにかつかめるかもと思ったのよ。」
「あぁ、そういえばそんなこと言われたっけ。どうやったらいいか全然分からないから何にもしてないや。」
「あら、勿体ない。折角その指輪があるのだから試してみましょう。契約の仕方は教えてあげますから。準備が出来たら外に出てきてちょうだいね。」
そういってかあさんはそそくさと自分の部屋に戻っていった。
精霊と契約、か。
なんか楽しそうだ。
お読みいただきありがとうございます。
平日も草案まとめに時間が使えそうな気がしているので、更新頻度を上げていきたいなと思っています。
これからもよろしくお願いします。




