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竜の薬師  作者: もんた
第3章 学園編-中編
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第23節『見学会』

どうも、もんたです。

お待たせしました。

それでは、どうぞ。




 翌日、朝食の後にでも話せるかと思っていたんだけど、かあさんたちはそのまま森の小屋に帰っていくとのこと。

 どうやら行商人がくる時期らしくて小屋にいないといけないらしい。

 消耗品はトーカの街で買えるけど、かあさんの薬を仕入れるにはかあさんがいないといけないしね。

 グリムたちにもまた会いたいなー


 帰り際、見送りの時にかあさんに抱きしめられたのはちょっと恥ずかしかった。

 その後、予定もなかったので、学園の図書館にでも行ってのんびり過ごそうかと思っていたら…





「せっかく時間あるんだからマルクが薬をつくるところを見てみたいわ!」




 なんていうお上の一声で予定がきまった。







 というわけでやってきた薬師ギルド。

 素材の関係で一日用意の時間をもらったのですぐにとはいかなかったんだけど。

 ギルドに行っても材料がないと調合できないしね。

 ソラリアさんに言われた日、そのまま森へ走って薬草を適当に集めてきて、今日はその翌日。


 先触れがあったとはいえ、薬師ギルドの前は突然やってきた領主家の馬車に何事かと集まる人でめちゃくちゃ混雑していた。

 いつもはお疲れ気味のイダさんも今日はかっちり正装だ。

 ボサボサ伸ばしっぱなしだった髪は短く切りそろえられてきっちりと撫でつけられている。





「シャンドラ様!ようこそ薬師ギルドへ。本来ギルド長であるバネッサがお迎えするべきなのですが…今日はいかがなさいましたか?」

「彼女がいないのはいつものことだ。急な訪問だし気にしないでくれ。今日は特に査察などではなくて、ギルドの調合室を貸してほしいんだ。合わせて調合の見学許可も。」

「調合室を、ですか?どなたがお使いに…?」

「ここにいるマルク君さ。」





 指さす方へゆっくり視線を動かしたイダさんと目が合う。

 そういえば僕がシャンドラさんにお世話になってるって話したことなかったっけ?

 副ギルド長だし、ギルド長さんから聞いてたりしそうだけど…





「え?あっ…マルク君?」

「はい、こんにちはイダさん。調合室借りていいですか?」

「あ、あぁ。もちろんだ。何か作るものは決まってるのかい?」

「一応は…。何か依頼があったりしますか?」

「いや、今日は特にお願いしたい依頼はないんだけど…。強いて言うなら回復薬と強壮薬を作ってもらえるだろうか。材料になる薬草はギルドで保管しているものを使ってくれて構わない。」

「わかりました。材料は昨日用意してきたので大丈夫です。それぞれ20本くらいは作れると思いますから。」


「それなら十分だ。よろしく頼むよ。これ、鍵ね。…シャンドラ様方はこちらの札をお持ちになられてください。本来調合室はギルド会員以外立ち入り禁止となっておりますので。それと、他の部屋で薬師が調合していることもありますのであまり出歩かず、お静かに願います。」

「あぁ、わかった。ありがとう。」





 イダさんに一礼し調合室へ向かう。

 いつもとは違う豪華な鍵を手に一番奥の調合室へ向かう。

 鍵と同じく中も他の部屋に比べると立派で、道具がそれぞれ高価なものに変わっていたり壁に装飾がされたりしている。

 皆は普段は入れない調合室ということもあって固まってあちこちを見て回っている。





「ほぉ。なかなかな部屋だな。マルク君、いくつか部屋があったけど他もこんな感じなんだろうか。」

「いえ、他の部屋はもっと簡素ですよ。」

「そうなのかい?」

「旦那様、きっとここは貴族や商人お抱えの薬師といったそれなりの人間が使う部屋なのでしょう。こちらの棚は王都製ですよ。」

「ふむふむ。なるほどね。」


「アイナ見て!ガラスの入れ物がこんなに!」

「本当ですね…それに複雑な形をしたものも多いですね…。これはどのように使うのでしょうか?」

「二股になってて、先は一つになってるのね…。マルク!これはどうやって使うの?」

「ソラリア様!りょ、両手でお持ちになってください!」

「ん?あぁ、それは見た目の通り二つの液を均等に混ぜるときに使うんだよ。主に状態異常を治す薬を作るときなんかに補助で使ったりするかな。それとアイナが言うように両手で持ってね。落とすと壊れちゃうから。」






 その後もシャンドラさんとセバスさんが部屋の内装や家具について話をしている間にてきぱきと準備を進めていく。

 ソラリアさんとアイナはゆっくり椅子に座って待つことにしたみたいだ。



 甕に水をはってコンロに火をつけ、水が温まる間に必要な道具を一通りそろえる。

 いつも通り黙々とククリ草とマハラ草の下処理を終え、使った道具を洗ってしまおうと手を伸ばすとすぐ横から人の腕が伸びてきた。




「えっ!」

「ご、ごめんなさい!」

「ソ、ソラリア…さん!?」

「名前!」

「あ…」

「あ、洗い物だったら手伝えるかもっと思って…」

「あ…みんながいるの忘れてた…」



「ははは。そんなところだろうと思ったよ。僕たちの声聞こえてなかったろう?」

「全く耳にはいりませんでした…」

「そうですよ。私もソラリア様も何度もお呼びしたのに全然返事してくれないんですもの。…かっこよかったですけれども。」

「え?」

「なんでもありません!!それより、なんで無視するんですか!」

「ご、ごめん。集中すると全然周りの音聞こえなくなっちゃって。えっと、洗い物、だっけ。」


「そうです!私たちでも手伝えますか?眺めるだけというのも考えものですし…」

「じ、じゃあお願いしようかな。この辺の道具を洗って、この布巾で綺麗に水滴をふき取ってほしいんだ。」

「やります!」

「わ、わたしもやるわ!」

「ソラリアも!?」

「な、なによ!私だって洗い物くらいできるわ!」



「セ、セバス。あのソラリアが自分から手伝いを申し出ているよ…」

「えぇ。未来の夫婦像として大変好ましい様子でございます。こちらのハンカチを。」

「あぁ、ありがとう。」

「お父様!セバス!!」





お読みいただきありがとうございます。


先日の更新(前話)で総ユニークPV数が3万を突破しました。

少なくとも3万人の方の目に触れることが出来た作品なんだなぁ…と非常に嬉しく思います。

これからも続きが気になる!と思っていただけるような楽しい作品に仕上げていければと思いますので、

どうぞよろしくお願いします。


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