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竜の薬師  作者: もんた
第3章 学園編-中編
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第22節『真実』

どうも、もんたです。

お待たせしました。


それでは、どうぞ。



「その話じゃが、ちと待ってくれんか。」




 これまで目を閉じてじっとしていたじいちゃんが声をかぶせる。

 どうやら予定になかったことなのかシャンドラさんは目を瞬かせた。




「…っと。どうされましたか、ドラコニア様。事前の内容と異なることがありましたか?」

「いや、また別件での。これから先は…マルクの生まれにかかわる話じゃ。この場におる者には聞かせたほうが良かろう。」

「マルク君の生まれ…?それはまさか()()()()ということでしょうか。」


「その通りじゃ。オルガにしか話しておらん。将来の嫁さんも揃っておることじゃから、初めから話すとしよう。もう10数年前になる。この王国には珍しく長雨が続いていた時期のこと――」





 じいちゃんの口からゆっくりと僕との出会いの話が続けられていく。

 初めて聞いたけど、本当に運が良かったんだな。

 ちょっと遅かったらきっとその魔物に両親と一緒に殺されちゃってたんだろう。


 話の中では馬車でってことになってたけど、多分僕が助けられたときは馬車じゃなくて龍の姿になったじいちゃんがいたからだろう。

 小屋での生活の話はところどころかあさんが補足をしながら話してくれた。

 でも、おねしょをしていたとか、怒られた話とかはしなくていいんじゃないかな。

 すっごく恥ずかしかったよ…



 一通り話し終えたじいちゃんは横に立てかけていた杖を一振りすると、綺麗に手入れされた一本の剣とペンダントを取り出した。

 柄も鞘も一目で高そうなのがわかる。

 テーブルの上に置かれた剣をみたシャンドラさんは急に立ち上がり声を上げた。





「こっ、この剣は!!」

「マルクを拾った後、何か親につながるものが無いかと調べに戻った時、この剣とペンダントを拾うことが出来た。重要なのはこの剣に彫られている名前じゃ。柄の部分に彫られた名は“オットマー・リオニル”。家名があることから見ても恐らく貴族じゃろう。となるとマルクも貴族の息子ということにならんかと思っての。シャン坊何かわからんか?」

「えぇ…わかりますとも…。まさかまたこの名を聞くことが出来るなんて…」





 ぐっと唇をかみしめながら腰を下ろし、そのまま背もたれに身体を預けて天井を仰いだ。





「彼は僕が軍に所属していた頃の先輩であり上司でもあった人です。」


「なんじゃと?するとマルクの父親も軍人だったのか。」

「…いえ、彼自身の立場は冒険者兼傭兵といったところでした。腕も人柄も良く、周りからの信頼も厚かったので、外部の人間でありながら彼のいたパーティーは従軍することが多かったのです。しかしたまたま彼らの従軍した作戦が失敗…理由は貴族将校の判断ミスというありきたりなものでしたが…撤退戦となった際、彼らのパーティーは殿を務めることになったのです。」

「冒険者が殿じゃと?」

「えぇ。まぁ軍人を失うくらいならフリーの冒険者を壁にしてしまえ、という反吐が出るような判断です…失礼。彼らを含む冒険者たちは被害を出しながらも役目を全うしましたが、多くは怪我によって冒険者引退を余儀なくされたんです。勿論彼もその中の一人でした。」


「その後パーティーメンバーだった女性と結婚し子宝にも恵まれ、当時の功績を称えて準男爵位を授与され……その直後でした。東にあるロクシ王国視察からの帰り、魔物に襲われて亡くなりました。…これは絶対にどこにも話さないと誓っていただきたいのですが、僕は何かしら陰謀めいたものを感じています。」

「シ、シャンドラ様、そ、それは、もしやマルク様のご両親の死に…」

「モロゾ、それ以上は君の口から出すべきではない。あくまで疑いだし、かもしれない、なんだけどね。まぁ…この話は置いておこう。そうか…マルク君は先輩の子なのか…」





 ぐっと目を抑えたあと、ふと僕を見たシャンドラさんと目が合った。

 いつもよりも優しいような、ちょっと悲しい気持ちが入っているようなそんな表情だった。





「この場合、マルクは貴族の遺児であろう?父親の貴族位を継承することはできんか?」

「亡くなってすぐであれば手続きをして引き継ぐことはできますが…少々時間が経っているので難しいでしょう。ただ、家名であれば関係ありません。新しく貴族となったものが、昔繁栄していた家にあやかってつけるということもあります。…マルク君、君のお父さんの家名を継ぐかい?」




「…はい!」

「そうか。…ありがとう、と言わせてくれ。今日から君はオットマー・マルクだ。爵位は成人したものにしか与えられない決まりになっているから卒業後になる。卒業して授与式のようなものを行った後、ソラリア、アイナ嬢との結婚式を執り行うというのが最終的な流れだ。質問があるものは?」





 少し顔の曇りが晴れたシャンドラさんの問いかけに特に誰からも質問があがることはなく、そのままお開きとなった。

 母さんとも話したかったけど夜遅かったこともあり、また今度と言われてしまった。





お読みいただきありがとうございます。

次場面との切れ目の関係上、ちょこっとぶつ切り感ありますが…

すいません(m´・ω・`)m

(いつもとかいわないでくださいませ…)



次回更新は今週末を予定しておりまする。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 楽しく読ませていただいています! [気になる点] 「真実」ではシャンドラはマルクの両親を知らないように見えるのですが、以前ギルマスへの手紙では両親の名前を書いていませんでしたっけ?
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