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竜の薬師  作者: もんた
第3章 学園編-中編
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第19節『来訪』

※前回までのあらすじ※

――マルクとソラリアの婚約発表が行われたパーティーの終わり、遅い時間にもかかわらずシャンドラ侯爵邸を訪ねてくる人物がいた――


どうも、もんたです。

お待たせしました。


それでは、どうぞ。





「旦那様。モロゾ会長とご息女様がいらっしゃいました。」

「あぁ。通してくれ。」


「え?アイナも?マルク?」

「う、ううん。僕はなんにも聞いてない。」





 開いたドアから現れたのはパーティーの時よりも趣向を凝らした服に身を包んだモロゾさんとアイナだった。

 2人とも白をメインにした生地を着ていて、肌の色との対比が目を引く。

 アイナは軽く化粧もしてるみたい。





「本日はパーティーにお招きいただき誠にありがとうございました。また、このようなご無礼をお許しいただいたこと平に感謝いたします。」

「シャンドラ侯爵様、誠にありがとうございます。」


「君の商会にはこっちこそお世話になっているからね。それにアイナ嬢だってソラリアの大切な同級生なんだからお願いの一つや二つ、なんてことないさ。それで、こんな時間に今日は一体どうしたんだい?さっきよりも質の良い衣装じゃないか。」

「流石お目が高い…。私めの商会で扱う予定となっている最高級品でございます。量は少ないですが、確定した際には、ぜひシャンドラ侯爵様方にお試しいただきたく。」

「ほう…。マリアンヌが喜びそうだな。ぜひお願いしよう。それで?」

「ははっ!有難く。…この度は一つ、御相談とお願いがございまして、お受けいただけるのであればこの不肖モロゾ、持ちうる全てを捧げる覚悟にございます。」

「また随分だな。受けるかどうかは内容次第だ。何をお願いしたいのかな?」




「誠に勝手なお願いで恐縮ではございますが…私めの一人娘であるこのリュカ・アイナをソラリアお嬢様の婚約者であり、高名なお二方のご子息であられるマルク様の第二夫人、いえお世話役でも妾でも構いません。どうかお側においていただけませんでしょうか!!」

「与えらえたお役目を精一杯果たさせていただきます…どうか、お願いいたします!」





「え?」

「へっ?」




 深々と頭を下げてのびっくり発言に思わずソラリアさんと顔を見合わせた。




「ほぅ…?マルク君、こう言ってるけど、どうする?」

「え…?……え!?」




「待て待てシャン坊。そんなことマルクに決められるわけなかろう。そもそもまだやっと婚約者が出来たようなタイミングでもう一人、とは。それに今はまだマルクは平民、相手は大商会の長の子であろう。決める権利すらなかろうて。」

「ですがドラコニア様。今後のことも考えればこういったことに慣れていく必要もありますよ。自分で物事を決めていかなくてはならないんですから。」

「じゃからそれが性急じゃと言うておる。成りたての小僧に何をさせとるんじゃ。…お主、モロゾと言うたか?今回の件、何を企んでおる。」



「ドラコニア様。」

「オルガ、まぁまて。…答えよ。」



「はっ!リュカ・モロゾと申します。」

「ふむ…。お主砂漠の国の民じゃろう?あの国はもっと名前が長かったと思うが。」

「流石賢者様、よくご存じで…。確かに本来の名は少々わずらわしいものがありますので、略名で名乗らせていただいております。…して、先ほどのご質問ですが、企みなど神に誓って何の一つもございません。強いていうならば、娘の思いを叶えてやりたいという親心にございます。」

「ほう。儂にもマルクという大切な子がおるでな、主の気持ちもわかる。じゃが、その思いというのがマルクの元に来るということなのか?」

「はい。それにつきましては、我が娘リュカ・アイナ本人よりお伝えさせていただくお許しいただければと…」


「かまわん。」

「誠にありがとうございます。アイナ。」


「はい、お父様。ドラコニア様、オルガ様初めまして。マルク様、ソラリア様の同輩として学院に通わせていただいているリュカ・アイナと申します。この度は私のワガママでお時間を頂いてしまい、誠に申し訳ございません。」

「よいよい。我が子の学友を邪険に扱うことなどせんよ。アイナよ、お主の望みとは?」



「はい。私は…マルク様のことが好きなのです。」



「ええっ!?」

「ほぅ。」

「あらまぁ。」





 まさかのアイナの発言にびっくりして大声を出してしまった。

 ソラリアさんもびっくりしてるだろうと思ってみるとコニコしてるだけ。

 …あれ、もしかして知ってたのか?





「きっかけは事細かにお話すると長くなってしまいますので割愛させていただきますが、私は一度、マルクさんに命を助けていただきました。その時の勇敢なお姿とそのあと心配してくださる時の優しいお声は今でも覚えております。他にも――「アイナ、落ち着きなさい。」はっ!?し、失礼しました!!」

「ふふっ。アイナったら。」



「と、ともかくですね、好きな殿方のお側にいたいという気持ちはあるものの、その方は侯爵家令嬢様の従者。私は一商人の娘でございますし、立場を考えずっと押しとどめておりました。しかし、この度マルク様とソラリア様が婚約者となり、のちにご結婚されるのであれば、家令や使用人は勿論メイドなどもお集めになるかと思い、その末席で構いませんのでどうかお側においていただけないかと…」





 確かに学生だけで学園に設置されているダンジョンに潜った時、アイナが言っていたような場面があった。

 魔物と戦いの後、陰に隠れていた魔物にアイナが襲われてしまったところを助けた。

 襲われたときにアイナが足を挫いてしまっていたから薬を塗ったりもしたけど…

 ちらっと周りを見ると大人たちは全員ニヤニヤと嬉しそうな顔をしているし、ソラリアさんもまんざらでもないように嬉しそうだ。

 アイナとソラリアはよく一緒にいたし、きっと話を聞いてたんだろうな。





「ふむ…。一つだけ嘘があるように思うのぉ。」



お読みいただきありがとうございます。


更新止まってしまっていて申し訳ありませんでした。

展開について、自分の中で納得いかない部分が多く書き溜めていたものを一新することにしました。

GW中ああでもないこうでもないと言いながら書きましたので、

楽しみにいただければと思います。



コロナの被害真っただ中でしたが、皆さん体調はいかがでしょうか。

まだまだ予断を許さない状況だと思います。

不要不急な外出は控え、3密を可能な限り回避することで

人からもらわない、自分がうつさない、を徹底していきましょう。



それでは、次回もよろしくお願いいたします。

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