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とある魔王の日常

―――― 魔王の日常 ――――



我は魔王である、名前を名乗る気は無い


雨にも負けず、風にも負けず、永い封印に自分が消えかかった時も


「他の奴に負けるのはいい、でも自分にだけは負けられない!」


と、頑張って生きてきた。


だがこの場所は結界が張られており


魔物が寄り付かないようで取りこんで力にする事も出来ぬ


人も全く寄り付かぬこの場所では負の力を蓄える事も叶わぬ


・・・どうしろと言うのだ!?



―――― 日常の変化 ――――


む・・・なにやら我が領内に珍しく侵入者が来たな・・・結界が壊れたのか!?


侵入者達は延々と他人の悪口と自己に対する言い訳、虐める相手をどうするか。


下らぬ話を延々とする・・・負の力は増えていくが、スケールが小さすぎて・・・。


この場所で弱者を虐めようと視察にきたようだな・・・どうするか・・・。


我は自らの魔力の想念をぶつけ相手の思考を操る。


精神の弱い奴らだ。容易く思い通りに誘導出来る


まずは今の世の動きを知らねばなるまい・・・こ奴等の知識を頂こう。


・・・成程な、にしてもこ奴らは碌な知識がないな、これで学生とは・・・。


後はこ奴らが毎日来るように、思考を操作させよう。


封印兵器の場所に気付かせ修行相手と認識させる。


これでここに来る理由付けになるだろう。


後は弱者を殺さぬように尊敬している先輩と錯覚させる。


人殺しにエスカレートして、こやつらがこの場所に来なくなると困るからな。


延々と繰り返せば少しは力を蓄えられよう・・・・。



・・・・・ハア



・・・・・フウ



・・・・・なんかな



・・・・・なんだかなあ



負の力を得るのはいいが・・・こいつらにはウンザリだ!


思考を操作しても屑の思考が酷すぎてちるのがどんどん早くなっていく。


このままいくと弱者は死んでしまうだろう。


最初は久しぶりに会話を聞けてどんな屑な会話でも楽しめたのだが


考え方も行動も屑すぎてすぐに苦痛に変わった。


・・・今は我慢だ。



―――― 大きな変化 ――――



どうやら弱者は助けられたようだな。


屑どもも言葉数が減り、鏡を通して一層我に負の情念を叩き込むようになった。


我にとって非常に良い傾向だ。力も順調に貯まってきている。



・・・・



今日はいつもと様子が違うな・・・なんと弱者に負けたのか!?


またエスカレートしそうなので思考を操作しようとしたが・・・?


・・・この男思考が屑すぎて我が負の力を取りこみ周りにまき散らしおった!?


これはもうこやつらの事は諦めるしかないのかもしれんな・・・。



―――― そして復活へ ――――


ふ、ふはははは!!


まさかこのような事が起きようとは!!!今では屑どもにも感謝せねばなるまい。


まさか封印兵器を破壊できる逸材がいようとはな!?


我は正直世界を滅ぼす気はとうに失せていた。


むしろこの女にお礼をしようと思っておったが


我の思念を無視するので、少し脅かしてやる事にした・・・


・・・・我が魔力が効かぬ!?


・・・・この女の魔力は・・・異質!?


・・・・こ・・・これはやばい!!!



―――― 生への渇望 ――――


拙い・・・なんとか転移して逃げのびたが・・・我が精神はこのままでは・・・


まさか冗談で死ぬ事になるとは・・・これが本当のブラックジョーク・・・。


いや負けるな!我はこんな死に方認めぬ!!


(誰か助けてくれ!)


「大丈夫ですか?」


(我が声が聞こえるのか?)


「はい、どうして欲しいのですか?」


(我が力を取り戻すまでその肉体に憑依させてくれぬか?)


「構いませんよ」


(・・・何故疑いなく我を受け入れる?)


「困っている人を助けるのに理由は必要ありません」


(人ではないが・・・まあいい、では我に触れてくれ、目の前の闇だ)


目の前の男は迷わず我に触れてきた・・・憑依完了か・・・なんとか生き延びたか。


「貴方の名前は何と言うのですか?」


(名は捨てた・・・好きに呼ぶがよい)



「分かりました。僕の名前は・・・」




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