勉強
「おおっ!」
俺はベッドの上で飛び跳ねる、このバネ!柔らかさ!初めての感触に高揚してしまう!
「こら!」
「いてっ」
ガツンと鈍い音を立てて俺の頭が揺れる、(ったく手加減しろっての・・・いや本当に手加減を知らないのかもしれないな、俺が教えてやるべきか」
「聞こえてるよ」
ガツンと拳骨が落ちる・・・やっぱ手加減知らねえじゃねえか。
「お調子者だな君は、一緒に使うベッドなんだ大事にしたまえ」
「[君]と言う言葉は味気ないとさっきは言ってなかったか?」
「名を名乗り親しくなれば[君]の意味も変わるもんさ」
「そういうもんか・・・俺と一緒に住むのは怖くないのか?出会ったばかりだろ俺達」
ルウは心底驚いたという顔をして俺を見る
「君の口からそんな言葉が出るとはね・・・正直あんな突拍子もない行動と言葉を使う君には驚くばかりで警戒心を抱く暇もなかったよ」
そこまで口にしてルウはどこか達観した様な顔に変化する。
「それにね、僕は後二年で死ぬ事が決まってるからね、恐怖という感情は余りないんだ」
「なんで二年で死ぬんだ?」
「君が僕が教える事がない程の[対等]のレベルまで上がって来れたら教えてあげてもいいかな?」
俺はルウの何処か遠くを見るような、全てを受け入れた顔に、腹の底から怒りが込み上げてくる・・・何でこんなに苛つくんだ!?・・・いいだろうそれなら俺は
「約束だ。必ず教えてもらうぞ」
「約束しよう」
「ここが書庫だ。読み書きは出来るのかい?」
其処あるのは見渡すばかりの本の行列、凄い量だ。俺はルウに促され丸い机の前に座る。
「読めるのは簡単な絵本ぐらいかな、書く事は全く出来ない」
「成程、それならこの紙を使おう」
言いながらルウは一枚の紙を取り出した。
「この紙には基本となる字が、見本となる書き方で書いてある。この字を一時間書き写す事、分からない読みがあれば、対象の字に指で触れたらその言葉を喋る」
ルウが一つの字に指を触れると『あ』と声が発生した。
「書き写す時はこのペンを使うといい、力を入れたら書くのが難しいペンだから力加減の練習にもなる。一度書いたら消す事は出来ないペンだ。間違えたら集中出来てなかったと思えばいい。書き写す時は見本の字とそっくりに書き写す事、それと書き写す紙はこのノートを使いたまえ。」
「分かった」
先ずは対等、全てはここからだ。




