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昔語り

フレアがリッチ討伐完了の報告を魔法で学園長に飛ばした後

一度話を纏めようという事で、皆でテーブルを囲んだ

フレアが口火を切る


「話し合う事は多いけど、まずは自己紹介から始めましょう、

私はフレア21歳この学園の武術と魔法専門の教官よ」


「私はアルト18歳冒険者志望の2年生です。」


「ほほほっ、魔女レア200を越えた時から年は数えてないわ」


「俺はケイジ、冒険者志望10歳だ」




「「「10歳!?」」」




思わずシンクロする3人、それは当然の驚きだった。


10歳の見た目ではない、身長が168Cmはある、大人から見たら普通だが

10歳として見れば高すぎる。


知識が深すぎる、一般人が10歳迄に得られる知識ではない


精神が成熟している、子供っぽい一面はよく顔を見せていたが、

その揺るぎない精神は10歳のそれでは有り得ない!


力、技、魔力全てが卓越している、ましてリッチを倒し、魔女すら従えた男が10歳?


問い詰める3人に対し、ケイジは答える


「心当たりはあるけど、長くなるよ?」


それでも聞きたい?と尋ねるケイジに3人は一様に頷いた。



――――――


俺はとある貴族の家に生まれ、生まれてすぐに盗人に攫われた

盗人の目的は身代金、しかし親は金を払わなかった。

俺の体に殆ど魔力が無いのが分かった親は俺を見捨てたのだろう

返ってきた返答が「「私に子供はいない」」だそうだ。


ここで本来なら俺は人知れず処理されてただろうが、盗人は更に強欲だった。

俺を育て上げ、血縁として貴族をゆすろうと考えた盗人・・親父は俺に

アロイと名を付けた。


親父はDVでよく母に暴力を振るった、母は溜まったストレスを俺で発散した。

俺は生きるために早く成長する必要があった、この時の生存本能が今の身長

と関係あるんじゃないかな?


俺は親父のDVをまず無くそうと思った。二人の会話の中から親父の好きな事を

拾い覚えて仲良くなっていった、しかし母へのDVは減る傾向を見せない、

母のストレスは貯まる一方で俺に対する発散も酷くなる

俺は死なない為に母を観察し、大怪我はしない様に誘導した。


ある日親父が死んだ、俺が貴族の息子である証拠を掴むと家を飛び出し

二度と帰ってこなかった。母は怒りの矛先を俺に向けた、俺は母が何を

するか一早く悟り、懐と腰にナイフを隠し、口の中に刃物を仕込んだ

俺を外れの森に連れてきた母は俺を縛り森に置き去りにした。


「お前さえいなければ!」


捨て台詞を残して。


――――――


「これが4歳の時だな」

「「「・・・」」」


3人は唖然していた。

壮絶な過去に言葉が出てこない、何と身勝手な大人達、親子の関係などではない

それは人質と犯罪者の話だ、しかしケイジに恨んでいる様子はない

今のケイジを見て、そのような過去は想像も出来ない。



「その森で俺は出会った」



それはかけがいのない出会い


忘れ得ぬ追憶






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