女です!
走れ 走れ 走れ!
風の力を駆使し、全力で走る・・・見付けた!
「ケイジさ「ケイジ!」
アルトを追い越し、掛ける言葉を遮りフレアはケイジのそばに座り込む
触診するが怪我は無い自己治癒したのだろう、大量の血が激戦を語る。
この場にリッチがいないのは倒したのだと確信する。新入生が何を馬鹿なと
他者が聞いたら言うだろうが、フレアには信じることが出来る、ケイジなら
可能だろうと、有り得ない状況から有り得ない方法で自分を救ってくれた男だ
「無茶するんだから」
優しく抱きしめる、大事な宝物を抱え込むように
「離れてください」
冷淡な声がフレアの心に水を差す
「君は・・・アルト君か、彼は私が介抱しよう、ここは危険だ、早く学園に帰れ」
「その必要はありません。リッチはもう居ませんから」
アルトは断言する、精霊はリッチがもう居ない事を教えてくれていた。
フレアもケイジが倒したと確信しているので、二の句が告げない
「ケイジさんは私が介抱します、離れてください」
「彼は男だ、女の私が介抱した方が嬉しいだろうし、教官の私の方が安心だろう」
フレアは無意識に、介抱の理由に自分の性別を強引に入れ強調していた。
まるで女のように綺麗な顔をした男に、女の直感が働いていた。
「私は女です!」
「・・・」
声を上げるアルトに、言葉を返さずケイジを抱きしめる。
「尚更渡せないわね」
「っ!・・・」
睨み合う二人の間に火花が散る
「・・・」
無言でケイジの腕を引っ張るアルト
「・・・」
無言でケイジの腕を引っ張るフレア
かくして負けられない綱引きが始まった。




