表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四拍の円舞曲  作者: 石山
PR
11/12

11話 最後の演奏者

構造体の中心領域。

 そこは、かつて都市だった場所だった。

 しかし今は違う。

 建物は巨大な機械の一部となり、道路は神経のように光を流している。

 街そのものが生きている。

 そして、その中心で。

 二人は最後の戦場へ向かっていた。

「いよいよか」

 NUTCRACKERがハマーの運転席から外を見る。

 隣にはFOURBEAT。

 後部には装備。

 そして、二台目の車両。

 FOURBEATのクラシックカーが並走している。

「構造体の中枢」

 FOURBEATが言う。

「破壊すれば終わる」

「本当に?」

 NUTCRACKERが聞く。

 FOURBEATは黙る。

 彼も分かっていた。

 これはただの敵ではない。

 戦争そのもの。

 終わらせるには、それ相応の代償が必要になる。

 しかし。

 二人はいつものように戦場へ入る。

 恐怖はない。

 迷いもない。

 ただ、いつもの動き。

 FOURBEATが先行する。

 敵の配置を読む。

 一発。

 二発。

 三発。

 敵の動きを止める。

 その隙間を。

 NUTCRACKERが走る。

「相変わらず綺麗な撃ち方だな」

「お前が乱すから成立する」

「褒めてるのか?」

「事実だ」

 NUTCRACKERは笑う。

 中枢へ近づくにつれ、敵は強くなる。

 過去の戦闘データ。

 二人の癖。

 二人の動き。

 全てを解析した敵。

『対象FOURBEAT』

『対象NUTCRACKER』

『戦闘パターン確認』

『最終対応開始』

 巨大な構造体兵が現れる。

 今までとは違う。

 FOURBEATの精密さ。

 NUTCRACKERの予測不能さ。

 その両方を組み合わせた存在。

「なるほどな」

 NUTCRACKERが笑う。

「俺達の真似ってわけか」

「違う」

 FOURBEATは銃を構える。

「あれは俺達を超えようとしている」

 戦闘開始。

 敵は完璧だった。

 FOURBEATの射撃を避ける。

 NUTCRACKERの動きを読む。

 初めて。

 二人の攻撃が通らない。

「面倒だな」

 NUTCRACKERが言う。

「お前のせいだ」

 FOURBEATが返す。

「俺?」

「お前の動きが理解不能だから、敵が対応しきれない」

「つまり?」

「いつも通りやれ」

 NUTCRACKERは笑った。

「了解だ」

 NUTCRACKERが突撃する。

 無茶な動き。

 予測不能。

 敵の計算が狂う。

 その一瞬。

 FOURBEATの弾丸が通る。

 一発。

 また一発。

 敵の装甲が崩れる。

「合わせたな」

 NUTCRACKERが言う。

「偶然だ」

「嘘つけ」

 戦闘終了。

 静寂が戻る。

 二人は中枢前へ到達する。

 そこには巨大な扉。

 その向こうに。

 構造体本体が存在する。

「なぁ」

 NUTCRACKERが言う。

「もし帰れなかったら」

「考える必要はない」

 FOURBEATが答える。

「そう言うと思った」

 NUTCRACKERは笑う。

 扉が開く。

 奥から巨大な光が溢れる。

 構造体が二人を認識する。

『最終対象確認』

『四つの音を検出』

 FOURBEATの目が細くなる。

「四つの音……」

 NUTCRACKERを見る。

「どうやら」

 彼は笑った。

「最後の演奏が始まるらしいな」

 二人は歩き出す。

 死神と鬼。

 静寂と暴力。

 二つの異なる音が。

 最後の場所へ向かう。

第11話 終

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ