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『薄明の鴉たち』  作者: 根古野 雀句


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第2話 心からおめでとうが言えないだけ

 改札前で立ち止まってしまった。


 人の流れは切れない。会社帰りの靴音と、駅構内のアナウンスと、少し遅れてホームへ滑り込んでくる電車の風が、夕方をただの混雑にしていく。その中で高梨美咲だけが、半歩ぶん、流れから遅れていた。


 画面の中では、友香が赤ん坊を抱いて笑っている。


 白いガーゼ。小さな手。眠っているみたいに見えるのに、文には「ずっと泣いてて寝不足」と書いてある。その下に並んだコメントはどれも明るい。おめでとう。かわいい。友香がママなんて信じられない。会いたい。落ち着いたら行くね。ハートの絵文字。拍手。花束。


 美咲の指は画面を閉じる位置にあったのに、動かなかった。


 なんであの子が先なの、と思う。


 思った瞬間、最悪だ、と思う。


 先とか後とか、そういう話じゃないことくらい分かっている。出産が競争じゃないことも、友香が何かを奪ったわけじゃないことも、頭ではちゃんと分かっている。けれど分かっていることと、痛くないことは別だった。


 胸の真ん中に、小さくて鈍い針みたいなものが刺さる。


 そのとき、背後から来た誰かとぶつかりかけた。


「あっ、すみません」


 反射で呟き顔を上げる。


 ネクタイ姿の男だった。三十代半ばくらい。疲れているわけでも、老けているわけでもない顔。むしろ、妙にきれいに整っていた。男は何も言わず、美咲を一度見た。責めるほどでもなく、気にかけるほどでもなく、ただ少しだけ見切るような目だった。


 美咲はもう一度だけ小さく会釈をして脇へ避けた。男はそのまま改札を抜けていった。


 なんとなく、見透かされた気がした。


 もちろん、そんなはずはない。ただ駅で立ち止まっていた女が、少し邪魔だっただけだろう。画面の中身まで覗かれたわけでもないし、心の中身が顔に出ていたわけでもない。たぶん。きっと。


 それでも美咲は、スマートフォンを持つ手に少しだけ力を入れた。


 いいね、は押せなかった。

 おめでとう、の一言もまだ打てない。


 その代わり、写真だけもう一度見た。


 友香は学生の頃から、そこまで目立つタイプではなかった。派手でもないし、すごく美人でもない。成績も普通で、恋愛体質というわけでもなかった。ちゃんとしていた、と言えばいちばん近いのかもしれない。提出物は早くて、返信もきちんとしていて、誰かの誕生日を忘れない。小さな約束を雑にしない。その延長に結婚があって、出産があって、今があるように見えた。


 ずるい、と思う。


 すぐに、何がずるいの、と思う。


 友香は別に何も悪くない。

 悪くないどころか、たぶん普通に頑張ってきたのだ。

 ちゃんとした人間に、ちゃんとした人生が来ただけだ。


 その“ちゃんと”が、自分にはひどく遠かった。


 改札を抜け、ホームへ上がる。電車はまだ来ていない。ガラス越しに映る自分の顔は、メイクも髪も崩れていなかった。受付の仕事を終えた女として、十分ちゃんとしている顔だと思う。肌だってそこまで悪くない。まつ毛も上がっているし、口紅もまだ残っている。


 でも、顔の出来と人生の出来は連動しない。


 そのことを、美咲は二十九になってよく知った。


 電車が来るまでの数分で、彼女は友香の投稿にようやくハートだけ押した。コメントは打てなかった。ハート一つで済ませる自分も嫌だったが、何も押さないよりはましだと思った。


 ホームに滑り込んできた電車に乗り込み、ドア脇に立つ。目の前の窓に、暗くなり始めた街が流れる。


 なんであの子が先なの。


 何度目かも分からないその言葉が、また胸の内側に浮かぶ。

 そして、そのたびに別の言葉が追いかける。


 じゃあ、私はまだ欲しいんだ。


 欲しい、と思う。


 結婚がしたいのか、子どもが欲しいのか、選ばれたいのか、生活を変えたいのか、自分でもきれいには整理できない。ただ、友香の写真が痛かった。それはつまり、自分の中にもまだ欲しい何かが残っているということだ。


 もし本当に何も欲しくなかったら、たぶんこんなに傷つかない。


 美咲は吊り革を見上げたまま、静かに息を吐いた。


 心からおめでとうが言えない。

 でも、言えないほど痛いなら、まだ終わっていない。


 そう思わなければ、たぶんやっていられなかった。


 勤め先の美容クリニックは、駅から徒歩七分の雑居ビルの四階にある。白を基調にした内装と、やわらかい照明と、少しだけ高級そうに見える香り。受付カウンターの正面には間接照明の入ったロゴがあって、来院した人はだいたいそこで一度、自分の姿勢を正す。


 美咲はその空気を嫌いではなかった。


 嫌いではないし、実際、向いてもいた。

 声の高さ、笑うタイミング、待たせた相手への謝り方、施術後の不安そうな客にかける言葉。そういうものを、彼女はかなり正確に選べる。院長にも看護師にも患者にも、感じがいい人だと思われている。高梨さんがいると安心する、と言われたこともある。


 安心する、という評価は便利だ。

 便利で、少しだけ空しい。


 翌朝も、美咲はいつも通りに受付に立った。予約表を確認し、カルテの移動を確認し、前日の会計の齟齬がないかを見る。開院前の院内には、機械の低い音と消毒液の匂いだけがある。その静けさを、彼女は毎朝少しだけ好きになる。


「おはようございます」


 後ろから声がして振り向くと、後輩の里菜が立っていた。二十四歳。肌が明るくて、顔立ちも小さくて、何より若さがある。若いというだけで生まれる余白みたいなものが、全身からうっすら出ている。


「おはよう」


「高梨さん、今日のリップかわいいですね」


「昨日買ったの。似合う?」


「似合います。高梨さん、そういう色ほんと上手ですよね」


 素直に褒める後輩は、悪い子ではない。

 悪い子ではないからこそ、余計にやりにくい。


「里菜ちゃんも今日肌つやつやだね」


「昨日早く寝たんです。やっぱり寝るの大事ですね」


 そう言って笑う顔が、腹立たしいほどきれいだった。

 もちろん里菜は何も悪くない。若くてよく寝ていて肌がきれいなだけだ。だけなのに、そういう“だけ”が刺さる日がある。


 たとえば今日が、そうだった。


 午前の診療が始まると、受付はいつも通り忙しくなった。

 予約時間より早く来る人、少し遅れて来る人、施術内容をその場で変えたいと言い出す人、支払い方法を確認する人、受付では笑顔のまま処理しなければいけない小さな調整がいくつもある。


 美咲はそれを問題なくこなす。

 だから周囲は、彼女がちゃんとしていると思う。


 実際、ちゃんとしているのだと思う。

 少なくとも表面は。


 だが昼休み、スタッフルームでスマホを見ると、その表面はすぐに剥がれる。

 里菜がストーリーに上げていたのは、彼氏と行ったらしいカフェの写真だった。木のテーブル、花の乗ったデザート、向かいに座る男の手元だけが映っている。匂わせ、と呼ぶほど露骨でもないのがまた腹立たしい。見せびらかしたいわけじゃないふりをしたまま、見せている。


 美咲は無言で閉じた。


 友香の出産。

 里菜の若さ。

 高校時代の同級生の結婚式。

 大学のゼミ仲間の海外旅行。

 元同僚の転職成功。

 ぜんぶ、じわじわ刺さる。


 こんなふうに、他人の人生にいちいち反応して、勝手に削れている自分は本当にみっともないと思う。もっと自分のことだけ見ていればいいのに、と何度も思う。だが、見ようとしなくても流れてくる。流れてきたものを見ないふりしても、すでに見たことは消えない。


 そして消えない以上、痛みは燃料になる。


 昼休みの終わりに、美咲は通販サイトで前から迷っていた美容液をカートに入れた。高い。少し迷った。けれど、閉じる前に決済まで終わらせた。


 どうせ無駄かもしれない。

 でも、何もしないよりはましだ。


 その夜、帰宅してからは転職サイトも開いた。

 今より条件がいい職場があるのかどうかは分からない。医療事務の資格があれば少し有利かもしれない、という記事を読む。半分だけ入力して放置していたプロフィールを、最後まで埋める。希望年収の欄で少しだけ見栄を張り、直して、また少しだけ上げる。


 やっていることが全部、じつに小さいと思う。

 美容液を買うこと。

 資格ページを開くこと。

 プロフィールを埋めること。

 そういう小さな動きで友香に追いつけるわけでも、里菜の若さが手に入るわけでもない。


 それでも美咲は、止めない。


 なんであの子が先なの。

 じゃあ私は、まだ欲しいんだ。

 欲しいなら、まだ終わってない。


 友香に会うのは、半年ぶりだった。


 駅前の小さなイタリアン。ベビーカーが入れるようにと、友香が選んだ店らしい。ガラス張りの入口の向こうには、昼の終わりみたいなやわらかい照明があって、女ばかり四人のテーブルは最初から少し賑やかだった。


「美咲、遅いー」


 先に来ていた真理が手を振る。

 その隣で、友香が笑った。


「全然今だよ」


 その腕の中に、いた。


 赤ん坊は、写真で見るより小さかった。

 いや、小さいというより、ちゃんと実在していることのほうが先に来た。爪の先みたいな指、薄いまぶた、柔らかそうな頬。こんなものを抱いて笑える人生が、自分と同じ年齢の女の腕の中にもうあるのだと思うと、少しだけ目の焦点が合わなくなった。


「かわいい」


 美咲は言った。

 ちゃんと、笑って。


「でしょ? でもずっと泣くし、全然寝ないし、ほんと大変」


 友香はそう言いながら、言葉の端でどうしても幸せそうだった。大変だと口では言っても、その大変さがもう自分のものになっている顔をしている。奪われた時間ごと、自分の人生の中にちゃんと組み込まれている人間の顔だった。


 真理が身を乗り出す。


「名前、もう決まってるんだっけ?」


「決まった。ひなの」


「かわいー」


 かわいー、がテーブルの上に重なる。

 美咲もその輪の中にいる。いるはずなのに、どこか半歩だけ外側に立っている感じが抜けない。


 注文を取りに来た店員に、友香が慣れた顔で「授乳中だからカフェインレスありますか」と聞く。そのたった一言だけで、友香がもう別の棚にいることが分かる。美咲は自分の前に置かれた水を飲んだ。冷たい。冷たいのに、喉の奥が乾いている気がした。


「美咲、最近どうなの?」


 真理が何気なく聞く。


「どう、って?」


「仕事とか。恋愛とか」


 恋愛、という単語が雑に飛んでくる。

 女同士の会話ではよくあることだが、美咲はいつもそこだけ一拍遅れる。


「仕事は相変わらずかな」


「クリニック、忙しい?」


「まあそれなりに」


「出会いなさそうだよね、美容クリニックって」と真理が笑う。「患者さんとどうこうなるわけでもないし」


「ならないよ」


 美咲も笑う。

 笑いながら、患者の中には自分より年下で、きれいで、結婚指輪をして、施術のついでに夫の愚痴を言っていく女もいる、と思う。出会いがないとかあるとか、そういう話ですらない時がある。


「でも美咲、ちゃんと誰か見つけたほうがいいって。まだ全然いけるんだから」


 まだ、という言い方に、美咲は軽く刺される。

 励ましのふりをした時限つきの言葉だ。


 友香は友香で、悪気なく赤ん坊の頭を撫でながら言う。


「美咲ってちゃんとしてるし、絶対いい奥さんになると思うけどな」


 ちゃんとしてる。

 またそれだ、と思う。


 ちゃんとしているから何だというのだろう。ちゃんとしていれば、そのうちちゃんと順番が回ってくるとでも思っているのだろうか。そんなふうに、穏やかに整えているだけでたどり着ける場所がある人間と、そうではない人間がいるのに。


「美咲?」


 友香の声で、ようやく自分が少し黙りすぎていたことに気づく。


「あ、ごめん。うん、ありがと」


 遅れた笑顔を貼る。

 その遅れ方が、自分でも少し分かった。


 最低だ、と思う。


 友香はただ幸せになっただけだ。

 真理はただ気軽に励ましただけだ。

 誰も悪くない。

 誰も美咲を置いていこうとしているわけではない。


 なのに、置いていかれた感じだけはちゃんとある。


 料理が運ばれてきて、話題は仕事の愚痴や保育園の話へ移った。美咲はパスタを巻きながら、友香の左手を見ないようにした。細い指に指輪がある。赤ん坊を抱くたびに小さく光る。それだけで腹が立つ自分が、本当に嫌だった。


「でもさ、子どもいると自分の時間とか全然なくなるんじゃない?」


 口をついて出た。


 言った瞬間、自分で少し遅れて気づく。

 それは本当に聞きたかったことではない。むしろ聞きたくなかったことに近い。相手の幸福を少しでも不自由に見立て直したくて、喉の奥から出てきた言葉だった。


 真理が「そりゃそうでしょ」と笑い、友香も苦笑した。


「なくなるよ。ほんとに。トイレもゆっくり行けないし」


「だよね」


「でもまあ、それでもかわいいから」


 その一言で終わる。

 なくなる時間も、削られる睡眠も、それでもかわいい、で向こう側へ行ける。美咲はフォークの先でパスタを切った。切る意味もないのに、少し細かくなった麺を眺める。


 会は穏やかに終わった。

 誰も傷つかなかったように見えた。

 少なくとも、傷ついたのは美咲だけだった。


 駅までの帰り道、友香から「今日は来てくれてありがとう」とメッセージが来た。赤ん坊の顔文字つき。美咲はしばらく画面を見て、ようやく「こちらこそ。また落ち着いたら会おうね」と返した。無難で、感じがよくて、少しも本音ではない文面だった。


 自分の最悪さに吐き気がした。


 心からおめでとうが言えない。

 ちゃんと祝えない。

 おめでとうと言いながら、ずっと心のどこかで、どうして先なの、と思っていた。

 誰かの幸福を見て、そのまま自分の負けみたいに感じてしまう。

 そんなもの、醜いに決まっている。


 駅前のドラッグストアは、夜でも明るすぎるくらい明るかった。美咲は吸い込まれるように入った。何を買うかは決めていなかったが、パックでも栄養ドリンクでも、何か一つは買うつもりだった。そういう小さな手当てをしないと、このまま真っ直ぐ家に帰るのは無理だった。


 フェイスマスクの棚の前で立ち止まる。高保湿、毛穴、ハリ、透明感。どれも少しずつ違って、でも全部同じようなことを言っている。自分を今より少しましにするものが、こんなに簡単に棚に並んでいるのも変だと思う。


 レジへ向かう途中、少し張った声が耳に入った。


「それは無理です」


 思わずそちらを見る。


 レジ横の通路で、四十代くらいの女がスマートフォンを耳に当てていた。地味なコートに、疲れた色のスニーカー。肩には大きめのトートバッグ。見た目だけならどこにでもいそうなのに、声だけが少し違った。低く、抑えているのに、はっきりしている。


「今日これからは行けません。最初にそう言いましたよね」


 相手の声は聞こえない。だが女の顔つきだけで、向こうがろくでもないことを言っているのは分かった。


「私、便利屋じゃないので」


 美咲はレジかごを持ったまま立ち止まりかけた。

 女は構わず続ける。


「その言い方はやめてください。断ってるのに何度も言われると困ります」


 感じがいいとは言えなかった。

 むしろ、少し怖かった。


 けれど同時に、美咲は目が離せなかった。


 あんなふうに言えるものなのか、と思う。

 ああいう言い方をしたら、相手は気分を悪くするだろうし、たぶんあとで“感じが悪い人”として扱われる。美咲なら、そのことが先に怖くなる。できるだけ角を立てずに、曖昧に、笑って流そうとして、結局引き受けてしまう。


 女は電話を切ると、深く息を吐いた。

 それからようやく、美咲が見ていたことに気づいたのか、一瞬だけ視線を寄越した。謝るでもなく、気まずそうにするでもなく、ただ「見たなら見たで別にいい」という顔だった。


 そのまま栄養ドリンクを一本だけつかみ、レジへ向かっていく。


 美咲も遅れて列に並んだ。


 前にいる女の首筋を見ながら、なんだか少しだけ羨ましい、と思った。

 何に対してなのか、自分でもうまく言えない。若さでも、きれいさでも、幸福でもない。ただ、自分が嫌だと思ったことに嫌だと言える、その形だけが、妙に目に残った。


 会計を済ませて外へ出ると、夜気が少しだけまともだった。

 ドラッグストアの白い明るさから離れると、ようやく自分の呼吸が戻ってくる。


 帰宅して、メイクを落とし、パックをしながら、美咲は洗面台の前に立った。顔はいつも通りだった。少し疲れているが、崩れてはいない。二十九歳の女の顔。若くはない。けれど、終わっているほどでもない。


 そう思ったところで、友香の赤ん坊の顔がまた浮かぶ。

 里菜の笑顔も浮かぶ。

 さっきの女の、低い声も浮かぶ。


 最低だ。

 心からおめでとうが言えない。

 羨ましい。

 羨ましいくせに、自分では何も手に入れていない。


 そこまで考えて、美咲はパックの端を押さえながらスマートフォンを開いた。

 転職サイトの通知が来ている。未読のまま放っておいた求人案内。途中まで入力して止めていたプロフィール。マッチングアプリの通知も、まだ消していない。


 しばらく見て、それから一つずつ開いた。


 完璧に前向きだからではない。

 むしろ逆だ。

 羨ましくてたまらないから、閉じられない。

 閉じられないから、少しでも何かする。


 資格欄を埋める。

 希望条件を直す。

 自己紹介文を少しだけ書き換える。

 洗面所の鏡に映る自分は、パックを貼った顔のままで滑稽だった。


 でも、それでいいと思った。


 なんであの子が先なの。

 じゃあ私は、まだ欲しいんだ。


 欲しいなら、まだ終わっていない。


 全部終わった人間は、たぶんもう誰も羨ましがらない。

 誰かの幸福を見て胸が痛むこともない。

 そのかわり、何かを自分のものにしたいとも思わない。


 それよりは、今のほうがましだった。


 翌朝、美咲はいつもより少しだけ丁寧に口紅を引いた。

 鏡の中の自分は、昨日と大して変わらない。人生も、たぶんすぐには変わらない。


 それでも、スマートフォンを鞄に入れて立ち上がる。


 また誰かの報告を見るかもしれない。

 また傷つくかもしれない。

 また心からおめでとうが言えないかもしれない。


 でも、欲しいと思ううちは、まだ自分の番を捨てていない。


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