↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕天使物語 -サタン誕生-  作者: 平岡春太
 最終章 サタン誕生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
66/76

 第三話 完敗

 サタナエルに動く間を与えずに一瞬にして迫り、アスタロトが突き出した槍がサタナエルの体を貫いた。


「殺された下僕達の恨み、とくと味わえ。いや、既に果ててしまったか」

「誰が死んだと?」


 口から一筋の血が流れ出しているものの、サタナエルは平然とした様子で体に突き刺さったままの槍を握るアスタロトの手首を摑む。


「馬鹿な? 手応えはあったはず」

「何をやっても無駄だ。私は不死身なのだからな」

「不死身だと? 何を馬鹿な」

「現に致命傷を負ってもこうして生きておるではないか。では、次はこちらの番だ」


 アスタロトの手首を摑むサタナエルの手が閃き、その手からアスタロトの摑んでいる手首を伝って体中に強烈な電撃が流れ込む。

 アスタロトの悲痛な叫び声が響き渡る。


「陛下!?」


 アスタロトの下僕達は堪らずに駆け出し、サタナエルの体に手にしてる槍を次々と突き刺した。

 片やサタナエルの下僕達はまるで動こうとしない。


「主(あるじ)と同じ過ちを犯すとは馬鹿な奴等よ。それほど同じ苦しみを味わいたければ、とくと味わうが良いわ!」


 今度はサタナエルの体全体が閃き、突き刺さっている五本の鉄の槍を伝って、ガーゴイル達の体中を駆け巡る。

悲痛な叫びを上げて束の間、ガーゴイル達は槍から手を放し、次々と床に倒れる。

 動かなくなったその体からは白煙が上がっている。


「ぎ、ぎさま……よくも……」

「案ずるな。此奴等はまだ生きておる。今殺してしまえば、お前は永遠に首を縦に振らなくなるであろう」

「たっ、例えそいつ等がいっ、生きておろうと……貴様の下僕になど……なっ、なる……かっ!」

「強情な奴よ。ならば、これでどうだ!」


 サタナエルの体全体の輝きが止まると共に、アスタロトの手首を摑む手の輝きが増し、アスタロトの体に流れ込む電撃もまた強さが増した。

 悲痛な叫び声も大きくなる。


「さあ、下僕となると云え。そうすればその苦痛から解放してやろう」

「なっ、なるもの…………」


 突然アスタロトは力なく床に倒れた。

 体を流れる電撃のせいか、その体は水から打ち上がった魚の如く小刻みに跳ねている。


「気絶しおったか」


 手首を摑むサタナエルの手の輝きが消えると共にアスタロトの体は動かなくなり、白煙が上がる。


「あれほどの衝撃をここまで耐えるとは、さすがに一国の王たるはある。やはりその力、この手に欲しい。おい、こいつ等を連れて城に戻り、牢に入れておけ」


 周りで待機していた下僕達が床に倒れているガーゴイル達の周りに集まり、持ち上げて運んで行く。

 アスタロトの元にも四匹のゴブリンが集まる。


「ちょっと待て」


 サタナエルはその場にしゃがみ、倒れているアスタロトの頭にある王冠を手にした。


「これは私にこそ相応しい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。