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堕天使物語 -サタン誕生-  作者: 平岡春太
 第二章 死線

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 第六話 脱出

 通路を歩くルシフェルに、牢に収監されている悪魔達が呻き声にも似た声で助けを求める。

 ルシフェルは全く耳を傾ける様子もなく歩みを進める。

 通路の先にある上へと続く階段を、警戒しながらゆっくりと上って行く。

 階段を抜けた先の両脇には、二匹のガーゴイルが三叉戟(さんさげき)を手にし、背を向けて立っているのが見える。

 更に慎重に階段を上って行くが、ガーゴイルに注意を払う余り、足枷から垂れている鎖の残った部分が階段に当たり、音を立ててしまった。


「おい、遅いぞ」


 ガーゴイル達は、上がって来たのがてっきり地下に降りたゴブリン達と勘違いする。

 ただ、振り返った先にはゴブリンではなく、駆け上がって来るルシフェルの姿があった。

 逃亡者が今までなかっただけに、まさかと驚いた事がガーゴイル達の判断を鈍らせ、迫って来たルシフェルに突き出した戟を軽々と(かわ)された上、ルシフェルが突き出した鋭い爪が一匹の体を貫き、もう一匹の喉を掻き切った。

 ガーゴイル達は階段に斃れ、そのまま転がり落ちて行った。

 ルシフェルはガーゴイル達が落とした二本の戟を拾い、今度は足枷の鎖にも注意を払いつつ階段を上り、壁の陰から通路の様子を窺う。

 通路には誰の姿もなかった。

 身を潜めつつ当てもなく通路を進む。

 何とか誰に見つかる事無く、運よく城の出入り口付近に辿り着いた。

 素早く近くに立つ大きな柱の裏側に身を隠す。

 出入り口付近には見張りと思われる二匹のガーゴイルと三匹のゴブリン達が武具を手にして立つ姿があった。


「手薄だな。これならば簡単に抜けられる」


 ルシフェルは柱の陰から飛び出すなり、手にしている二本の戟を放り投げた。戟は素早くかつ正確に、二匹のガーゴイルの背後からその体を刺し貫き、息の根を止めた。

 気付いたゴブリン達が振り返った時には、ルシフェルが迫って来ていた。

 手にしている槍を振り上げた時には、二匹の体をルシフェルの爪が貫いていた。

 息絶えたゴブリン達の体からルシフェルが手を引き抜いている間に残るゴブリンが槍で突きかかるも、ルシフェルが体から引き抜いた手をそのまま薙ぐように走らせた爪がゴブリンの喉を掻き切った。

 ルシフェルは少しでも発見が遅れるようにと死体全てを柱の陰に隠し、周りを警戒しつつ城を出た。

 羽を広げるが、直ぐに閉じてしまう。


「まだ飛べぬであろうな」


 苦々しい面持ちを残し、目の前に広がる森の中に駆け去って行った。






「あいつ等は何をしておるのだ」


 ルシフェルが脱獄して間もなく、アスタロトは五匹のヒュポクトニアを連れ、地下に続く階段へと向かっていた。


「ん?」


 当然ながら見張りが居ない。

 足早になったアスタロトが辿り着いた階段の下の方に見たものは、見張りをしていたガーゴイル達の変わり果てた姿だった。


「これは……!?」

「アスタロト様!」


 立ち尽くすアスタロト達の元に、ゴブリンが激しい足音を立てて駆け寄って来る。


「たっ、大変です!」


 息も切れ切れにゴブリンが言う。


「どうした?」

「城前で見張りをしていた者達が全員殺されているんです」

「何だと? もしや……!」


 アスタロトは血相を変え、階段を駆け降りる。ヒュポクトニア達も後に続き、ゴブリンも少し息を整えてから後を追った。

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