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堕天使物語 -サタン誕生-  作者: 平岡春太
 第二章 死線

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 第一話 地下牢にて

 ルシフェルを担いだ二匹のゴブリン達は、城の地下へと続く階段を下りていた。

 時折、薄暗い地下の方から苦痛に満ちた悲鳴のような叫び声が聞こえて来る。


「ここに来るといつもながらゾッとするな」

「考えたらこいつも可哀想な奴だ。あれだけ痛め付けられた上に拷問牢獄とは。素直に下僕になると言えばいいのに」

「ただ、そうなるとアスタロト様と同じ地位になる事になるぞ」

「それも困るな」

「まあ、俺達は俺達の仕事をするだけだ。早く済ませて戻ろう」


 地下には一本の通路が長々と続いていた。

 両側には、幾つもの牢獄が並んでいる。

 牢獄の中は、空の物もあるが、その(ほとん)どに様々な悪魔が投獄されている。

牢屋の中の悪魔達は、ルシフェルを担いで歩くゴブリンの姿を認めるなり、目の色を変えて鉄格子に駆け寄って来る。


「ここから出してくれ!」

「助けてくれ!」

「頭が変になりそうだ! いっそのこと殺してくれ!」


 衰弱しているのか力のない声で訴え、中には鉄格子を激しく揺さぶって騒ぎ立てる。

 ゴブリン達はそれらを無視し、少し足早に黙々と奥へと向かう。そして、突き当りから五つ並んでいる拷問牢獄に辿り着いた。

 拷問牢獄とは言うものの、武具や鞭などの直接拷問するような道具は見当たらず、一見すると通って来た他の牢獄と何ら変わりはなかった。

 ただ一つ違うと言えば、中に入れられている悪魔達が壁から伸びる鎖で繋がれている事だ。

 ゴブリン達はルシフェルを床に下ろし、空いている牢の扉の鍵を開け、ルシフェルを引き摺りながら中に入った。

 鎖が出ている壁の前まで引き摺り、壁から上下に二本ずつ出ている鎖の先にある(かせ)をルシフェルの両手首と両足首に嵌める。

 ちゃんと枷の鍵が掛かっているのを確かめてから牢を出て、更に牢の鍵も掛け、そそくさと去って行った。

 倒れ伏したまま動かいルシフェルが目を覚ましたのは、それから少ししての事だった。


「…………ここは……?」


 ルシフェルはゆっくりと立ち上がり、辺りを見廻す。

 手足に枷が嵌められている事は感覚で何となく判るが、目が少し霞む上に辺りは薄暗く、何も見えない。

どうにも出来ずに暫し立ち尽くしていると、ようやく視界が晴れ、自分が牢に入れられていると分かった。

 鉄格子に歩み寄ろうとするが、鎖が引き止める。

 強引に前に出ようとするが、まるでびくともしない。

 それでも構わず引き続ける。


「止めておけ、若いの」


 隣から聞こえて来た(しゃが)れ声に、ようやく動きを止める。

 牢獄と牢獄の間は鉄格子で仕切られていて、暗がりではあるが中は見える。

 声が聞こえて来た右隣の牢に目を凝らしてみると、そこには巨大な三つの頭を持つ奇怪な悪魔が幽閉されている。

 中央に見える頭は冠を被った老悪魔だが、右にある頭は獣で、左にある頭は(かえる)だ。

 しかも腰部と腕が無く、胸部の下に蜘蛛(くも)の足とも木の根とも見紛う細長い脚のような物が無数に伸びている。

 そんな奇怪な悪魔が胸部に特製の大きな枷を嵌められて壁から伸びる鎖に繋がれている。


「何だ、貴様は?」

「儂か? 儂はこの城の元城主のヴェールと云う」


 中央の老悪魔が答えた。

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