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藤田五郎警部の幕末回顧録〜誠に生きた男達〜  作者: 佐久間五十六


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白河口の戦い

新政府軍の勢いを止められず、江戸に戻り土方歳三らと共に国府台で大鳥圭介率いる伝習隊や、秋月登之助と合流後下妻へ向かった新選組は、1868年4月5日の白河口の戦いに参戦した。


「ふん。新選組も残すは2番隊と3番隊だけか…。」

「土方さん?そう言わねーで頑張りましょう?」

「斎藤?お前いくつになった?」

「24歳になりました。」

「お前さんには汚れ役を何度もやってもらった。もう充分隊には尽くした。いつでも抜けていいからな?」

「何言ってんすか?戦いはまだ始まったばかりじゃないですか?」

「永倉もいつでも抜けて良いぞ?」

「脱走者には等しく切腹させてきた貴方の言葉とは思えませんけど、土方さん?組がやべぇー時こそ一致団結してやって来たじゃねーすか?」

「正直迷っているんだ。組を解散させるか否かを。」

「近藤さんが亡くなられたからですか?」

「まぁ、それもある。全ては局長代理の俺ではなく、会津藩主松平容保様が決める事なのがな。」

「白河口言うたらもう会津藩内じゃないですか?」

「俺達は京都の治安維持の為に選抜した部隊だ。」

「もともとはな。」

「それがいつの間にか戊辰戦争の最前線で戦っている。そこに何の疑問を持たない方がおかしい。本来の新選組の在り方とは全く違う。」

「ですが、このまま組を解散させたら後悔しますよ?」

「本当にそう思うか?」

「戦って華々しく散る事が今の組の使命なんじゃないんですか?」

「華々しくねぇ…。」

「土方さん変わりましたね。」

「そうか?」

「鬼の副長とは到底思えませんよ?」

「そんな呼び方をされた時期もあったね。」

「近藤さんや沖田さんも弱気な土方さんなんて、見たくないと思いますよ?」

「ふん。そうかもな。」

「それに今更洋装なんて…ハッハッハ。」

「斎藤?何がおかしい?」

「いやね。似合ってはいますよ?」

「悪口にしか聞こえないのだが?」

「まぁ、仏の副長っぽくはなりましたね。」

「仏の副長か…。」

「とにかくもう部隊はほとんど残ってねーし幹部もほとんど死んだ。会津藩主松平容保公と接見するまでは気を抜くな。死んだら全てが終わりだ。」

「それはその通りですね。にしても新政府軍の新兵器何処から手に入れたんだ?」

「メリケンやエゲレス辺りではないですか?」

「プロイセン(ドイツ)やフランスって事もあり得ますが、どちらにせよ今の旧幕府軍の手に追えるレベルではありませんね。」


ドーンドーン


「おい斎藤?今の音まさか…?」

「アームストロング砲ですね。」

と、全く驚いていない斎藤一であった。

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