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藤田五郎警部の幕末回顧録〜誠に生きた男達〜  作者: 佐久間五十六


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新時代に映る中で死にゆく者達

慶応4年(1868年)5月30日。新選組最強の剣士である沖田総司が、この世を去った。27歳と言う若さであった。戦死ではなく病死だった事は沖田自身が一番悔やんでいた事だろう。


また、この年の1月には井上源三郎が戦死しており、「やっと源さんに会える」と、側近の者に話していたという。


これにより、新選組最強の1番隊は永倉の2番隊と斎藤の3番隊に振り分けられた。沖田の死因は肺結核であるとされており、手の施しようがなかったと言われている。池田屋事件で吐血したのもこの病が原因であると考えられ晩年は床に伏せっている事が多かった。


「最強の剣士も病には勝てなかったか…。」

「まだ若いのになぁ。」

「永倉さんこれ!」

「総司の刀じゃねーか?どうしてこんな所に。」

「菊一文字則宗は沖田さんがずっと使って来た愛刀だ。せめて刀だけでも最前線にいさせてやって欲しいと自分に託されて逝かれたのです。」

「島田!絶対この刀なくすなよ?」

「はい。」

「良い人ばかり先に死んで行きますね?」

「斎藤?俺達は生き残ろうな?」

「はい。」


「何ぃ!?」

「どうした?」

「左之助が新政府軍にやられたそうだ。」

「大陸に渡って遊牧民になるんじゃなかったのか?」

「死んだのは今から2週間前の5月17日享年29歳だったとさ。」

「新選組最強の槍使いも近代兵器には敵わなかったか。」

「総司にしても原田にしてもその道のプロフェッショナルが殺られている。」

「せめて出島まで送り届けてやるべきだったか?」

「いや、そんな事など左之助は望んでいなかっただろうな。」

「そうかもな。プライドの高いアイツの事だ。でも死んじゃあ世話ねーよな。」

「それより早く土方さんと合流しないと!」

「指揮官不在じゃ不安だもんな?近藤さんも沖田もいないのならば、局長代理はこの2番隊組長永倉新八になるじゃねーか?」

「誰が局長代理になるって?」

「土方さん!!」

「もう俺をトシと呼んでくれる人も少くなったな。」

「これより、新選組局長代理は副長土方歳三が務める!いいな?」

「はい!」

「出た!鬼の副長!」

「最近は全盛期より柔らかくなられた様ですが?」

「まぁ京都にいた頃を考えれば、鬼の金棒は何処かへいきましたけどね?」

「それに試衛館時代以来の喧嘩屋ぶりも鳴りを潜めている。これじゃあ仏の土方、仏の副長じゃねーか?」

「言いたい事はそれだけか?」

「いえ。すみません。」

「でも近藤さんの事はすまなかった。流山に行かせたのは俺の判断なんだ。江戸から離れた場所なら新政府軍に見つからない。自分の事は良いから新選組を任せた。って言われてな。」


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