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藤田五郎警部の幕末回顧録〜誠に生きた男達〜  作者: 佐久間五十六


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鳥羽・伏見の戦い

旧幕府軍と新政府軍との戦い、いわゆる戊辰戦争の初戦。山城国鳥羽伏見で1868年1月27日〜1月31日まで戦われたこの鳥羽伏見の戦いが1年4ヶ月に渡る戊辰戦争の始まりであった。


「くそ!新政府軍の奴らどこであんな武器を手に入れたんだ?」

「この陣地はもう持たない。永倉の2番隊と斎藤の3番隊は俺の率いる1番隊に続き退却するぞ!」

「土方さん!ここはまだ戦えます。」

「これは命令だ斎藤。」

「斎藤?あの火力見ただろ?新政府軍の奴ら外国から武器を仕入れたんだ。旧式の俺達にはとても太刀打ち出来ん。退くぞ!」

「斎藤!殿しんがりは任せた。」

「分かりました。」


3番隊の粘りもあって、新選組の主力は二条城に退避出来た。


「ッつぅー、火傷してらぁ。」

「大丈夫ですか土方さん?」

「あぁ、大した事は無い。それよりよく殿を務めてくれたな。」

「はい。銃や大砲を撃たせなければどうと言う事はありませんので。」

「頼もしいな。」

「皆様、戦いお疲れ様でした。握り飯と麦茶です。」

「総司?起きていて大丈夫なのか?」

「人にあれこれ命じる位なら病人でも出来ると思いませんか?」

「ん!うまい!」

「食べながらで良いから聞いてくれ。新選組は会津藩主松平容保様の命により京都を離れ江戸に戻る事になった。」

「どう言う事ですか近藤さん?」

「後退はやむ無しと言う事だ。」

「でもなして江戸に?」

「我々は元々余所者の烏合の衆だ。今、京都に残っても、新政府軍に無様にやられるだけ。それなら、江戸まで退いて機をうかがう方が良いと、松平様はお考えになられたのだ。」

「ですが…。」

「生き急ぐな斎藤。お前はまだ若い。それにいつ誰が殺られてもおかしくはない。組を任せられる人材にはなるべく生き延びて欲しい。それが近藤さんと俺の意見だ。」

「それに総司もそう長くは生きられないとの医師の判断だ。総司の為にも新選組の江戸移動は賢い判断だ。」


5日間壮絶な戦いをして旧幕府軍は大敗し、東に退却、転戦を余儀なくされた。


「局長!自分らはいつでも新政府軍と戦えるように陸路で江戸に向かいたいのですが?」

「別道する程の隊士はもういない。海路で向かうぞ。」

「はい。」

「そうだ斎藤?渡しておきたい物があるのだが?」

「??これは?」

「白蔵主の根付だ。そんなに高貴な物ではないが、大切にしてやってくれ。」

「局長…。」


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