大政奉還
1867年11月9日京都の二条城で、江戸幕府第15代将軍徳川慶喜が政権返上を明治天皇へ奏上し、翌日に天皇が奏上を勅許した事。それを大政奉還と言う。
「俺馬鹿だからよく分かんねーけど、要するに慶喜公が天皇陛下に政権を返した。って言う理解で良いんだよな?」
「あぁ。これで徳川の世は終わった。」
「じゃあ俺達今後どうなるの?」
「お上からは引き続き京都の治安維持継続を依頼されている。当分の間はそれは変わらない。」
「にしてもだ。天皇陛下って政治には素人じゃん?」
「そこは薩長のサポートが入るだろう。」
「ん?何か上手くないな。じゃあ俺達新選組は政敵じゃねーか?」
「まぁそうだな。」
「戦争になるのでは?」
「こちらにもプライドはある。引ける所は引くし引けない所は引かない。」
「刀剣の時代も終わりか。」
「武士の時代も終わりだな。」
「じゃあ開国するんですか土方さん?」
「俺に振るな。難しい事はよく分からない。」
「戦える所までは戦うけど、無理はしないつもりだ。」
「近藤さん!」
「俺達が戦うのを止めたら、もう薩長のワンサイドゲームじゃないですか?」
「隊士たちの命には変えられない。」
「じゃあじきに組も解散ですか?」
「松平容保様がどう判断されるかだな。」
「でも何で今頃?」
「世論が徳川の世を終わらせたのかもな。」
「慶喜公もきっと薩長の入れ知恵にあったのかもな。」
「でも急に決められたって困るのは、日の本の民じゃないですか?」
「斎藤?さっきの話聞いてたか?」
「はい。」
「慶喜公は全ての政治的権力を天皇陛下に返上した。つまり300年続いた徳川の世を終わらせたんだ。これがどのくらい覚悟のいる事かお前に分かるか?」
「そんなのお上が勝手に決めた事ですよね?」
「まだ、分からないか?これは幕府の終わりを意味しているんだ。」
「抵抗する者は殺されても仕方ないと言う事ですか?」
「斎藤?時代の節目にはこう言う事が起こるんだ。残念ながら我々の様な庶民には決定権は無い。諦めて時勢に流されるしかない。」
その時代を続けたい者は戦ってでも残る。何人死のうが最後の一人になるまで戦う。その気持ちがある者がいたから、戦は起こったのである。酷いかもしれないが、日本史に残る最多の死者を出した戊辰戦争が始まるのはそれから直ぐの事であった。




