天満屋事件
1867年12月7日、紀州藩の依頼で三浦休太郎を警護し、海援隊及び陸援隊の隊員16人に襲撃される。いわゆる天満屋事件だ。
酒宴を開いていた新選組は遅れを取った。宮川信吉と船津盆太郎が死亡し、梅戸勝之進が斎藤一をかばって敵の刃を受け止め重傷を負うなどの被害を出した。斎藤一は鎖帷子を着用しており、無事であった。三浦は顔面を負傷したものの、命に別状はなかった。
「斎藤!君がいながらこのザマはどういう事だ?」
「申し訳無い。三浦殿がどうしても酒を飲みたいと申して一席設ける事になって、このザマです。」
「警護者のワガママはよくある事だが、警護対象者と一緒に酒を飲んでいたなど、前代未聞だぞ?」
「本当に申し訳無い。私も永倉さんも完全に陸援隊と海援隊の力を侮っていた。」
「くさりかたびらを着用していたという事は戦う気満々じゃないか?」
「要人護衛ではよくある事です。」
「それに今回の事件で死傷したのは皆紀州藩の者達。紀州藩主には申し訳無いが、今回の事件は新選組に非は無い。」
「まぁ、とても寒い日でしたし、酒でも飲んで温まりたくなるのも無理はない。」
「それにワシも斎藤も酒は飲んでおらん。」
「そうなのか斎藤?」
「ええ。何かあってはまずいと思い、隊士にも酒は飲まぬ様指示はしていました。」
「やられたのは酒を飲んでいた紀州藩士だけと言うのは何とも皮肉でしょう。」
「とは言え、死傷者を出してしまったのは新選組の汚点になります。」
「確かにな。」
「でも幸いな事に新選組の隊士には大した被害は無かったんですよね?」
「はい。2番隊と3番隊それから原田さんの10番隊は死者はいません。」
「分かった。」
「梅戸殿?傷はいかがですかな?」
「斎藤さん?なしてこの様な所に?」
「紀州藩の方に梅戸殿の場所をお伺いしたもので、この度は誠に申し訳無い。」
「斎藤さん、顔を上げて下さい。悪いのは陸援隊と海援隊の力を侮っていた上に、酒まで飲んでいた我々紀州藩の方ですよ。」
「くさりかたびらを着用していなければ、こうしてお見舞いにも来られ無かったでしょう。」
「流石は天下の新選組だ。念には念を入れどんな危機にも対応する。我々紀州藩も学ぶ所がたくさんありますね。」
「それではお大事に。」
「斎藤さんもどうかお気を付けて。」




