隊服御用立て
どんどん隊士が増え始めて、近藤さんの案で隊服を御用立てする事になった。しかし今やミブロは50人を越える隊士が在籍していた。隊服を御用立てると言ってもそれなりの金がかかる。
「山崎どうにかならんのか?」
芹沢一派が観察方の山崎に突っかかるが、山崎は、「勘定方の斎藤様に。」と何故かいつの間にか一が勘定方にならされていた。正式な勘定方は他にもいたのだが、とにかく金がいると言う事実は変わらなかった。隊士50人の隊服300両分を工面しなければならなかったが、芹沢一派のアコギなやり方で300両を工面してくれた。そんな訳もあり斎藤は芹沢一派に接近する事になる。
「ほう?このダンダラ羽織が隊服ねぇ…。」
「中々センスあるでしょ新見さん?」
「芹沢先生が文句をつけないのなら、それなりのものでしょう。」
「ところでこの300両はいかようにして集められたのか?」
「町金それぞれにあたったのよ。ミブロに逆らうとどんな恐ろしい事になるか見せつけてやったのよ。」
「そんな強引な…。」
「どんな方法でも300両は300両。」
「まぁ確かにそりゃそうなんですけどね。どうやって返済するんですか?」
「場合におっては踏み倒す。」
「はぁ…。芹沢先生がお強いのは十二分に承知していますよ?ですがね、そんなやり方ではミブロの品位が失われますよ?」
「ミブロなんて元々は武士になりそびれた連中の集まりじゃないか?」
「そうですがね…。百歩譲ってそうだとしてもそれとこれとは話が別ですよ。」
「斎藤?貴様は随分と頭の硬い野郎だな。とにかくこのダサい隊服を50人分作ったと言う結果が大切なんじゃないか?」
「分かりました。どんな方法でも返済方法は考えておきます。」
「って具合で300両耳揃えて返さなくちゃならねーんだな?」
「はい。」
「芹沢なんかに頼まなくても相談してくれりゃあいくらでも相談にのったのに。」
「まぁ、斎藤のおかげで隊服御用立ては出来たが300両か。ドデカイ買い物をしてしまったな。」
「まぁ作ったものを元には戻せないがな。」
「良い出来じゃないか?」
「近藤さん?」
「何も宛がない訳じゃない。少しずつ返済していこう!」
「そうですね。ありがとうございます。」
「斎藤君?芹沢先生の事は何かあったら報告してくれ。」
「はい。」
こうしてダンダラ羽織の誠の隊服が出来上がった。しかし、300両は収入源の乏しいミブロにとっては、本当に大きな買い物であった。




