過去
マサの自宅
マサは訳あって家族と離れ独り暮らしをしている。
マサ(一週間でおさかなさん…)
家に着くとベッドに横になりマサは考えていた。
そもそも削り鰹とはなんなのか、どうしておさかなさんが最初なのか。
………
マサ「そうだ!親父なら何か知ってるかも!電話電話!」
プルルルル…
「もしもし…」
マサ「ああ!親父!?削り鰹について…」
「知らねえまたな」
マサ「あ、ちょっと…切りやがった…」
………
マサ「そういえば、不思議なじいさんだったな…なんかお見通しっていうか…。年寄りはみんなあんな感じなんだろうか…」
………
マサ(自分が信じた道を貫く…僕は…あの時僕を拾ってくれたヨシアキさんに恩返しがしたい…)
………
2年前
ヨシアキの工場前
激しい雨が降る中での出会いだった。
ヨシアキ「おい?人の工場の前で何してんだお前」
マサ「す、すみません!少し雨宿りを…」
ヨシアキ「そんなずぶ濡れで雨宿りもなんもねえだろ。中に入れ」
そういうとヨシアキは工場の扉を開けてマサを中に入れてくれた。
マサ「ありがとうございます!これは…」
ヨシアキ「ああ、昔ちょっとな。現役は引退したけど削り鰹だよ。お前も流石に名前くらいは知ってんだろ?」
マサ「もちろんです!あまり詳しくはありませんが…でも、素人の自分が見ても…」
ヨシアキの工場内に並べられた数々の削り鰹の作品を見てマサは圧倒されていた。
マサ「どれもすごい作品なんだってことはわかります!」
ヨシアキ「…そんなことはねえよ」
マサ「これとか…」
マサは棚に飾ってあった削り鰹の一つに触れようとした。
ヨシアキ「やめろ!触るんじゃねえ!」
ヨシアキは作品に触れようとするマサの手をひっぱたいた。
マサ「すみません…!」
ヨシアキ「あ…いや…」
………
ヨシアキ「雨が止んだら帰ってくれよ」
マサ「はい。本当にすみません」
………
しばらく無言が続いたがヨシアキがそれを終わらせた。
ヨシアキ「ところで、お前なんでそんなにボロボロなんだ?」
マサ「ええと…実家から追い出されまして…」
ヨシアキ「聞いてもいいか…?」
マサ「親父と喧嘩したんです。自分の実家は寿司屋で、それであとを継げと言われたんですが…」
ヨシアキ(寿司屋…どうりでこいつ…海の気配がしやがる…)
マサ「それでぶん殴られちゃって…ははは…」
ヨシアキ「そうか。あぁ、雨があがってきたな。俺は作業があるんだもう帰ってくれるか?」
マサ「あ、申し訳ありません!つまらない話まで聞かせてしまって、お邪魔しました!」
ヨシアキ「おう。じゃあな」
そういうとマサを外に出し、ヨシアキは工場の扉を閉めた。




