表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「幼なじみは最強なのに、俺だけ無能だと思われていたが――実は“規格外”の力に誰も気づいていない」  作者: まちゃ粉
残された世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/40

第29話「交差」

——黒が、軋む。

「……来るぞ!!」

レイの声。

その瞬間——

“サクヤ”が消えた。

「っ!?」

視界から消失。

次に現れたのは——

「ぐっ……!」

レオの目の前。

——ドゴォッ!!

衝撃。

だが。

「……っらぁ!!」

レオは、踏みとどまった。

血を吐きながら、腕を振り抜く。

剣が——

初めて、“黒”を捉える。

「……当たった……!?」

リンが息を呑む。

だが。

浅い。

止まらない。

「——いいな」

“それ”が、笑う。

「その顔」

次の瞬間。

レオの体が、宙を舞う。

「がっ……!」

地面に叩きつけられる。

もう、限界だった。

「レオ!!」

リンが駆け出す。

止める声はない。

止めても止まらない。

「……サクヤ!!」

叫ぶ。

届くかどうかも分からない。

それでも。

「戻ってきてよ!!」

その瞬間——

黒が、揺れた。

——内側。

「……今の、聞こえたか?」

“それ”が眉をひそめる。

サクヤは、顔を上げていた。

「……ああ」

はっきりと。

「聞こえた」

足取りは重い。

それでも、確実に前へ。

「……うるせぇんだよ」

拳を握る。

「俺の外で、勝手に暴れんな」

「は?」

“それ”の表情が歪む。

「ここは俺の中だろ」

一歩。

距離を詰める。

「なら——」

目を、真っ直ぐ向ける。

「主導権は、俺が握る」

——外。

「……反応した」

レイの目が細くなる。

確信。

今、確実に“何か”が変わった。

「リン!」

「……っ!」

「そのまま呼び続けろ!」

短い指示。

だが意味は分かる。

「内側に届いている可能性がある!」

「……分かった!!」

涙を拭う。

そして。

もう一度、叫ぶ。

「サクヤ!!」

「……やらせるかよ」

“サクヤ”の黒が、膨れ上がる。

空間が悲鳴を上げる。

「まとめて潰す」

腕が、振り上がる。

——その瞬間。

「遅ぇんだよ」

レオが、立っていた。

ふらつきながら。

それでも、前に。

「……は?」

「一回当たったんだ」

血を吐きながら、笑う。

「なら——」

剣を、構える。

「次は、通す」

「無茶を……!」

レイが舌打ちする。

だが。

その無茶が、時間を作る。

なら——

「利用するまでだ」

踏み込む。

今度は、同時じゃない。

ズラす。

“隙”を作るための連携。

——内側。

黒が、荒れる。

「調子に乗るな!!」

“それ”が叫ぶ。

空間ごと押し潰そうとする圧力。

だが。

「……効かねぇよ」

サクヤは、立っていた。

さっきよりも、はっきりと。

輪郭が、戻っている。

「外で、あいつらが戦ってる」

拳を握る。

「なら、俺も戦う」

一歩踏み込む。

今度は——

すり抜けない。

「なっ——」

拳が、“それ”を捉える。

——外。

「——今だ!!」

レイの斬撃が走る。

黒が、裂ける。

その一瞬。

「らあああああああ!!!」

レオの一撃が、叩き込まれる。

黒が、砕けた。

「……ぐっ……!」

“サクヤ”の体が、大きく揺れる。

動きが、止まる。

完全にではない。

だが——

確実な“隙”。

「……サクヤ……!」

リンが、手を伸ばす。

あと、少し。

届く距離。

——内側。

“それ”が、後退する。

初めてのことだった。

「……ありえねぇ」

サクヤが、息を吐く。

「ありえなくねぇよ」

まっすぐ見る。

「一人じゃねぇからな」

黒が、さらに大きく揺れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ