表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
交錯  作者: 色彩和
12/26

第四章 Ⅱ

第四章


 Ⅱ


 ――雪時は、その日夢を見た。


 幼い頃の記憶。自分が持っている、幼少過ごした頃の記憶だった。

 雪時は、幼い頃から消極的だった。ネガティブなところは、今よりは幾度かマシであったが、それでも自分が言ったことを後悔し、自分が悪いと思い込むことがあった。だが、今より人とかかわることは好きだった。

 親戚の家に行ったとき、些細なことで喧嘩をした。喧嘩をしたことにより、大人が出てきてどちらが悪いだの、謝りなさいだの、いろんな言葉が飛び交った。けど、雪時はそれを聞きたくなかった。思わず家を飛び出していたのだ。

 夕方に近くなりつつある時間に走り抜ける。知らない道でも、暗い道でも、怖くなかった。それ以上に、なんだか悔しく感じた。

 おとなは、やっぱりめんどうだ……。

 雪時は走って、走って、走った。そうして、気がついたときには、森の中にいた。道らしい道はあまりなかった。なんとなく、人が通っていたのだろう、あまり草の生えていない道らしいところをゆっくりと歩く。そうして、しばらく歩いていれば、祠の上に乗っている大人がいた。雪時に気がついていないようだったが、その人に雪時は声をかける。

『なにしてるの?』


 はっと雪時は起きた。荒くなっている息を整える。何故だろうか、その夢が怖く感じた。

「なん、だったんだ……。あいつは、誰だった、っけ……?」

 一人で問いかける雪時に、空間は何も答えない。ただ沈黙を貫くだけ。

 楽人も出てこない。寝ているのだろう、何も言ってこなかった。

 雪時は、どうしても夢が気になった。けれど、思い出せない。いや、思い出した(・・・・・)くない気がした(・・・・・・・)

「……寝よう。起きてから、考えればいい」

 静かに呟いた声は、誰にも届かずに空間に溶け込んでいった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ