第42話
記憶に薄い遊園地の話を一生懸命書いてます。
では42話目です。どうぞ。
大丈夫か?
「う、うん。大丈夫」
なら行くぞ。
「うん……。ゆっくり、ね……」
俺たちはハッピーランドの入場口前の大混雑にもまれていた。一歩進むのにも一苦労する中を、俺は結衣を引っ張って進んでいた。
やっとの思いで入場を果たしたのが、十二時まで後三十分という時間だった。
どうするよ。先に飯でも食うか?
「そうだね。ご飯、食べようか」
なら飯食うか。どこがいいかねえ。
「私リサーチしてきてあるの。付いて来て!」
店の名前をまず教えてくれ。結衣に案内されると絶対に道に迷う。
昼飯はイタリア料理だった。パスタやピザはもちろん、パンや米、スープの他に肉や魚まである、かなり大きなレストランだった。高校生だけ来るような場所じゃない気がするが、結衣はどうしてもここで食べたいと言い張った。まぁ俺が奢るわけでもないからいいんだけど。
食事中の結衣はよく喋った。そしてたまに携帯を見て顔を赤くしたり、トイレに頻繁に行ったり、あまり食事に集中している感じではなかった。
さて午後一番は何行こうか。
俺は結衣に尋ねる。すると返ってきた言葉は、
「お、お化け屋敷……」
……結衣って、お化けとか苦手じゃなかったっけ?
1分間の読書、ありがとうございました。
また明日の18時に会えることを願っています。