第43話
本格的なお化け屋敷はさぞ怖いのでしょうね。私は機械じかけの幼稚なお化け屋敷しか行った事ありません。
では43話目です。どうぞ。
自らを恐怖で脅かそうとする結衣。身体を固くしながら俺の手を強く握り、恐怖を表に出さないよう我慢しているのが丸わかり。男女、夏、遊園地ときたら定番のお化け屋敷だが、苦手な人がわざわざ入りたがる気が知れない。俺たち以外にも似たような組み合わせの人が多くいる。
「ね、ねぇ……。大丈夫……だよね……」
結衣の様子を見ていると、生きて出口まで辿り着けるのか非常に不安だ。
はぁ、怖いならやめりゃいいのに。所詮は人が作った物だから驚かすのに限界はあるさ。
俺は結衣の気を紛らわそうと軽い口調で話す。結衣のお守りは疲れるな。
ついにやってきた順番。結衣は既に俺の後ろに隠れてスタンバイ中だった。受付の人はその様子を見てくすりと笑い、俺たちを案内する。お化け屋敷の中に足を踏み入れる。
行くぞ、結衣。
「い、いやぁ~……」
お化け屋敷内に入ると辺りは一気に暗くなる。霧でも吹かしているのか、体感気温もグッと下がった。ここのお化け屋敷は雑誌にも乗るほどの、全国でも有名なお化け屋敷だそうだ。
はてさて、どれだけ恐怖を味わわせてくれるのやら。
俺は余裕な心持ちで、既にガタガタ震える結衣を引きずりながら歩き始めた。悲鳴が屋敷に響き渡った。
1分間の読書、ありがとうございました。
また明日の18時に会えることを願っています。




