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第39話
野郎抱っこなら部活でしたことがあります。
では39話目です。どうぞ。
香澄が怪我してからの数日はものすごく大変だった。歩くのが大変なことを言い訳に、俺におんぶや抱っこを要求してきたのだ。それに答える俺も俺だが、香澄は調子に乗って階段を登り降りするときは毎回俺を呼ぶのだ。俺の苦労を今から少しだけ振り返ろう。
「康兄ぃ――っ。二階行きた~い。またお姫様抱っこして~」
元気ありそうなニコニコ顔で俺に頼み込んでくる香澄。何時もはそれほど甘えることがない香澄だが、これを気にとすごく甘えてくるのだ。抱きついてきたり抱きついてきたり……。
そんな俺の苦行を影からこっそり見ていた人がいた。佳奈だ。佳奈は俺に同情の念を送っているのか、香澄に嫉妬の目を送っているのか俺には分からなかった。ただただ半目で、じぃ――っと俺たちの行動を見ていたのだ。
傍から見るとカップルのバカラブシーンが始まった翌日。俺の苦労は倍増する。
「康兄……私も。……私も、足が痛い……。二階までお願い……」
俺の袖を引っ張って遠慮がちに恥ずかしげにお姫様抱っこをご所望する佳奈お姫様。断れるわけもなく、しばらくの間、俺の苦行は続いたのだ。
1分間の読書、ありがとうございました。
また明日の12時に会えることを願っています。




