↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短篇集  作者: 猫田たい子
PR
9/47

第9話 アートとは

 私は美大卒だ。


 数年前に絵画大賞展で副賞を獲って名前が売れ、私の絵を買いたいと言ってくれる人が現れた。

 お陰で妻と猫と三人で暮らせるようになった。


 F100の絵を仕上げるのに三か月かかる。材料費だけでも一か月分の家賃に匹敵するが、私の絵を気に入ってくれる人がいるお陰で何とか生計を立てられている。


 ここ最近のニュースを見て、私は本当にアーティストなのか疑問に思うようになった。

 壁にテープで貼られたバナナが「アート」だというのだ!

 その値段を聞いた瞬間、私は眩暈を覚えた。


 コンセプチュアル・アートだと分かってはいるが、買った人物は壁のバナナを皆の前で食べてしまったのだ。


 アートが分からなくなった瞬間だった。


 美大でダダイズムも学んだが、あのバナナだけはどうしても億もするアートには思えなかった。


 私が頭を悩ませていると、妻が言った。

「うちの子もアートになるわね」


 彼女の言葉で新しいアートの形を思いついた。


 アクリルケースに猫が入れる穴を開ける。猫が入ると、生きているはずなのにまるで置物のように見える。

 その様子をリアルタイムで世界中に配信したらどうだろう。


 大ヒットだった。


「これはアートじゃない」と否定するコメントも少なからずはあった。


 動画収益のお陰で生活が楽になった。

 私にとって愛猫は、歩く姿も、食べる姿も、私を睨む姿も全てアートである。





2026/03/01

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。